世界最大の大型小売店チェーンのウォルマートは、従業員を「アソシエート(仲間)」と呼び、本拠地アメリカはもちろん、その他の国の店舗でも労働組合を絶対につくらせず、数々の不当労働行為で裁判沙汰になったこともしばしばという企業。
そのウォルマートに、世界初の労働組合ができたというお話です。
で、それはどこかというと、実は、中国なのです。
ウォルマートは1996年に中国に進出し、現在は全国30都市に約60の店舗を展開。従業員は約3万2000人。で、中国の労働組合のナショナルセンターである「中華全国総工会」は、労働組合を認めるようにねばり強く要求してきた。広州市では対策事務所をつくり、7月29日に従業員の投票で初めて労働組合の結成を決定。これを皮切りに16の店舗で労働組合がつくられた、ということらしい。
胡錦濤主席が「外資系企業に中国共産党の党組織とともに労働組合をつくるように」と総工会にはっぱをかけたというから、中国政府の意向も働いているのかも知れません。何にせよ、世界初のウォルマート労働組合の誕生が中国だというのはおもしろいですね。
ちなみに、外資系企業の組合組織は現在26%で、総工会はそれを50%に引き上げようとしているそうです。
以上は、安保破棄中央実行委員会が発行する「安保廃棄」2006年9月号の記事からでした。