北朝鮮核実験関連ニュース

備忘録。

北朝鮮の核実験「どちらかといえば失敗」…米政府(読売新聞)
爆発の威力、異なる推計値=韓国「0.8キロトン」、ロは「最大15キロトン」(時事通信)
核爆発「広島型原爆の数分の1」…東大地震研が分析(読売新聞)
北朝鮮核実験、放射能漏れ確認なし 想定より小規模か – 北朝鮮核実験特集(朝日新聞)
北朝鮮、中ロに事前通告(NIKKEI NET)

北朝鮮の核実験「どちらかといえば失敗」…米政府
[読売新聞 10月9日20時8分更新]

 【ワシントン=坂元隆】米ワシントン・ポスト紙(電子版)が米政府当局者の話として9日報じたところによると、北朝鮮の核実験場とされる場所からの地震波は小規模で、実際に核爆発だったのかどうか判断がつきかねるほどだという。
 この当局者は、政府の分析チームは核実験を「どちらかといえば失敗」とみている、と述べた。
 FOXテレビも、米政府高官が、北朝鮮の核爆発が予想より小規模であり、「当初求めていた成果を達成できなかったのではないか」と述べたことを伝えた。

爆発の威力、異なる推計値=韓国「0.8キロトン」、ロは「最大15キロトン」
[時事通信 10月9日21時0分更新]

 【ソウル、モスクワ9日時事】北朝鮮が9日に実施したと発表した核実験の爆発の威力に関し、異なった推計値が入り乱れている。
 韓国の通信社・聯合ニュースによると、北朝鮮の核実験によるとみられる地震を観測した韓国地質資源研究院は、爆発の規模をTNT火薬に換算して0.8キロトン以上と推測。最大でも5キロトンとされ、核実験としては小規模のものだという。同研究院が観測した地震の規模であるマグニチュード(M)3.58から計算してこうした数値を導き出した。
 1945年に広島と長崎に投下された原爆はそれぞれ15キロトン、22キロトンで、北朝鮮の核兵器はかなり小さいことになる。
 これに対し、ロシアのイワノフ国防相は爆発の威力は「5?15キロトン」との見方を明らかにした。同国防相はまた、「これが核爆発であったことにいかなる疑いもない」と述べ、核実験が行われた正確な場所も分かっていると付け加えた。
 ロシア側が検知システムで核実験を感知したのは、モスクワ時間の9日午前5時35分26秒(日本時間同10時35分26秒)だった。

核爆発「広島型原爆の数分の1」…東大地震研が分析
[読売新聞 10月10日0時4分更新]

 北朝鮮が地下核実験を実施したとされる時刻の後、各地で観測された地震波から推定した爆発の規模(マグニチュード=M)には、かなりばらつきがあり、韓国ではM3.58?3.7、米国ではM4.2、日本ではM5.1という計算結果もある。
 それぞれの推計値をエネルギーに換算すると、100倍以上の開きがあるため、現時点での特定は難しいが、その威力は広島や長崎の原爆の15?20キロ・トンに比べ、かなり小さいと見られている。
 東大地震研究所の阿部勝征教授は「過去の米国や旧ソ連での核実験のマグニチュードから類推すると、今回の実験は広島型原爆の数分の1、0.5?3キロ・トンと推測される」との見方を示した。一方、「実験をした坑道の空間が大きかった場合、エネルギーが吸収され、マグニチュードが低めに出ることもある」との専門家の見方もある。

北朝鮮核実験、放射能漏れ確認なし 想定より小規模か
[asahi.com 2006年10月10日03時05分]

 北朝鮮が実施を発表した地下核実験は、各国の観測によってかなり幅があるが、ほぼ包括的核実験禁止条約(CTBT)の想定ぎりぎりの比較的小規模な爆発だったとみられる。一方、日本では放射性物質(放射能)による健康への影響は、まず心配ないと考えられている。
 世界各国からの核実験監視データを集約しているウィーンのCTBT機関準備委員会によると、今回の爆発による揺れの規模はマグニチュード(M)4.0(誤差0.3以内)。専門家によると、一般に揺れを招くのは実際の核爆発エネルギーの1%とされるため、M4.0ならTNT火薬換算で1.5キロトン(1500トン)に相当する。
 ただ、韓国地質資源研究院の観測では揺れがM3.58?3.7で、TNT火薬換算0.4?0.8キロトン程度と解析。一方、ロシアは「同5?15キロトン」(イワノフ副首相兼国防相)とし、日本の気象庁の観測による地震エネルギーM4.9を基にすると、同約30キロトンの爆発となり、かなり幅がある。
 CTBTの監視網は、1キロトン程度以上の地下核実験探知を目指している。広島型原爆(濃縮ウラン型)の約15分の1、長崎型原爆(プルトニウム型)の約20分の1相当だ。これより小さい核爆弾は高度な製造技術が必要で、米ロなど核実験を重ね、大量に核兵器を保有する国にしか製造できないと考えられているためだ。
 今回の爆発規模は、ほぼこの下限ぎりぎりだった。
 また、核爆弾は100万分の1秒程度という瞬時に爆発しないと、連鎖反応がうまく続かず「未熟核爆発」になることがある。長崎原爆でも核反応を起こしたのは、6キロのプルトニウムのうち5?6分の1程度だったという。韓国政府が公表した地震波では大きな波がいくつかに分かれ、「理想的な核爆発」とは考えにくい面もある。
 一方、地下核実験は、封じ込めが不十分で地面にひび割れができたり、ふさいでいた穴が破れたりすると、外部に放射能が放出される可能性がある。9日夜の時点では放射能漏れは確認されていない。たとえ、漏れが生じた場合でも放射能量は大気圏内核実験の数百分の1から数万分の1程度。日本海の国境付近まででも、約500キロ離れている。「日本で健康に影響を及ぼすような放出は考えにくい」(文部科学省防災環境対策室)という。
 政府は、本当に核実験だったか、また環境に影響がないか、放射能の監視強化を決めた。

北朝鮮、中ロに事前通告
[NIKKEI NET 2006/10/10 07:00]

 【北京=飯野克彦】中国政府は9日午前、北朝鮮から核実験実施の直前に事前通告を受け、日米など関係各国に伝えた。詳細は不明だが「爆発規模などの情報も含んでいた」(外交筋)という。
 中国自身は事前通告についての発表を控えているが、日米韓の3カ国が中国から事前連絡があったことを明らかにした。北京の日本大使館によれば、中国外務省が同大使館に連絡したのは核実験実施5分ほど前の午前9時半(日本時間同10時半)だった。
 ロイター通信の報道では、北朝鮮は実施の20分前に中国に通告した。インタファクス通信がロシア外務省筋の話として報じたところによると、北朝鮮は、実験の約2時間前に駐平壌ロシア大使にも通告したという。
 北朝鮮は7月のミサイル発射の際は中国に事前通告をしなかったが、今回は事前通告して中ロに一定の配慮を示した。両国が国連安全保障理事会で北朝鮮に対する厳しい制裁に反対するよう、つなぎ留めておく意図もあったとみられる。

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