製造現場への請負容認が違法行為を生むのだ

厚生労働省の調査によると、2005年度に全国の労働局(労働基準監督署)が調査した事業所6068件のうち、約6割にあたる3620件で是正指導をおこなっていたことが明らかに。違法な労働者派遣や業務請負への指導は2001年度の21.8倍と急増しています。

製造業での請負を認めた2004年度から違反事例が急増。偽装請負などの問題は、まさしく「規制緩和」が生み出した無法行為です。

派遣・請負の違法急増/5年で21倍超/厚労省の調査 6割で違反(しんぶん赤旗)

派遣・請負の違法急増 5年で21倍超 厚労省の調査 6割で違反
[しんぶん赤旗 2006年10月29日]

 「派遣」や「請負」など非正規雇用の労働者を使った違法労働が、大企業の製造現場を中心に広がっています。2005年度に、各都道府県にある労働局は、調査した労働者派遣事業と請負事業所あわせて6068件のうち、3620件で是正指導しました。法違反率は59.65%にのぼることが、厚生労働省職業安定局需給調整事業課のまとめでわかりました。
 違法な労働者派遣や業務請負を行った事業所数への是正指導件数は、2001年度の166件にくらべ21.8倍と急増しています。
 請負事業者だけで見ると879件を調査し是正指導は616件。法違反率は70%です。この多くが「偽装請負」だとみられます。
 03年度は3985件の調査のうち是正指導は1002件で法違反率は25.1%、04年度は4563件の調査のうち是正指導は2337件で法違反率は51.2%です。年々増加しています。
 「偽装請負」など、労働者派遣や業務請負での違法行為は、製造業で労働者派遣ができるようになった04年度から急増しています。いまや若者の半分を超えるまでに急増した非正規雇用の多くが違法状態にあるというのは、日本の社会経済の前途に暗いかげを落とす大問題です。

以下は、「しんぶん赤旗」に掲載されたグラフを表にしたものです。

年度 調査事業所件数 調査件数のうち
是正指導した割合
1995年度 3,089件 7.2%
96年度 3,176件 8.0%
97年度 2,990件 7.7%
98年度 2,826件 5.2%
99年度 2,582件 3.6%
2000年度 3,310件 12.0%
01年度 3,465件 4.7%
02年度 4,412件 13.6%
03年度 3,985件 25.1%
04年度 4,563件 51.2%
05年度 6,068件 59.6%

(注)厚生労働省職業安定局資料から作成

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