意外な発見 コリリャーノ交響曲第1番ほか―読響第454回定期

下野竜也氏、読売日響初代正指揮者として初登場

今月の締めは、読売日響第454回定期演奏会。ちょっと珍しいプログラムでした。

  • バッハ:シャコンヌ(管弦楽曲版、斎藤秀雄編曲)
  • モーツァルト:交響曲第25番 ト短調 K.183(173dB)
  • コリリャーノ:交響曲第1番

で、行く前は前半の2曲に期待していたのですが、実際聴いてみたら、後半のコリリャーノの交響曲第1番が非常によかった、というのが一番の感想です。

続きを読む

日本の侵略を中国の側から見る

『蒋介石秘録』(産経新聞編)

いま、『蒋介石秘録』(サンケイ新聞社編、初版1975年刊、改訂特装版1985年刊)を読んでいます。別に、産経新聞や蒋介石の肩を持つつもりなどありません。また本書は、蒋介石の日記や回想、台湾政府の公文書や国民党の公式記録に「準拠」しつつも、あくまで書いたのはサンケイ新聞です。だから、全体の基調になっているのは反共史観だし、そこここに、侵略正当化につながる日本側の注がつけられています。

しかしそれでも、たとえば日本が中国に突きつけた「21カ条要求」について、蒋介石の日記や中国政府の公式資料が引用されているので、当時、中国側がこれをどう受け止めたか、ある意味で生々しく伝わってきます。歴史を具体的に理解するためには、そういう“実感”がけっこう大切なのです。そういう目で読んでみると、全体を貫く反共史観の中に、いろいろ面白いところが登場します。

参考までに、そのくだりを紹介しておきます。これは、蒋介石が当時書いた文章です(同書、上、294?296ページ)。

 かねがね、私(蒋介石)がいうように日寇(日本という侵略者)が示した21カ条の精神は、各種の不平等条約を集大成したものであった。……およそ中国の政治、法律、軍事、警察、賦税、交通、鉱産、塩業、宗教、教育など、立国のために必要とするところの文化、国防、経済の要素は、精神面においても、事実面においても、すでに列強との間に結ばれた不平等条約で、失われ、分割されつくしてきた。21カ条は、これら列強が共有している特権を、日本帝国主義者の手に集中させ、それを独占し、壟断しようとするものである。……21カ条は、悪辣、苛酷の最たるものである。それは日本の帝国主義者の中国に対する侵略政策をさらに一歩進めた。日本は中国の分割政策から独占政策に変えたのである。
 ……
 すべてこれは日寇が中国全土を占領し、属国化し、奴隷化しようとしたものであった。

続きを読む

サービス残業、長時間労働のニュース2つ

1つは、厚生労働省が11月23日に実施したサービス残業にかんする電話相談の結果発表。1380件の相談があり、そのうちサービス残業にかんする相談は1022件。残業代など一切なしというのが431件、またサービス残業が月100時間以上というのが135件もあったという驚くべき中身。一般的に指導を強化するだけでなく、個別にもきちんと改善指導してもらわなければならない。

もう1つは、首都圏と大阪圏の会社員を対象にした連合総研の調査。その結果、男性社員の28%、とくに30代の男性では3分の1が毎日12時間以上働いていることが明らかに。残業の理由は、「仕事量が多い」が49%。また、残業代が全額支払われているというのは52%しかない。残業しないと片付かないほどの仕事を押しつけながら、残業代は支払わない。まったくもって、日本企業は詐欺、泥棒です。

サービス残業、電話相談1380件に・厚労省(NIKKEI NET)
1日の半分以上仕事が28%(日刊スポーツ)

続きを読む

みんなで自民党に復党願い

もともと、郵政解散がデタラメなら、「造反」も所詮同じ自民党の穴の狢だと思っていたので、「復党」をめぐるゴタゴタにも興味はない。しかし、今日の日経新聞(夕刊)に全文が掲載されていた「誓約書」には呆れた…。権力を持つものの阿漕さが、そのまま文字にしたような文章。こんなものを提出してまで「復党」にしがみつく「造反」議員の哀れなこと。

続きを読む

ボーナスの使い道 大半は貯蓄、生活費の補てん、住宅ローン返済など

昨日の日経新聞で、同紙が全国の会社員を対象におこなった冬のボーナスにかんする意識調査が公表されていました。

それによれば、ボーナスの使い道は、以下の通り。

  1. 貯蓄 36%
  2. 生活費の補てん、その他 23%
  3. 旅行、レジャー 13%
  4. 住宅ローン返済 11%
  5. 耐久消費財などの買い物 10%
  6. 投資 7%

続きを読む

南米エクアドル、左派政権誕生へ

ベネズエラ、ブラジルなどなど左派政権の誕生が続く南米ですが、今度は、エクアドルの大統領選挙で、左派のラファエル・コレア候補が当選確実に。南米の変革のうねりは、まだまだ広がっているようです。

エクアドル大統領選、左派コレア氏が勝利宣言(読売新聞)

続きを読む

都響第635回定期演奏会/インバル指揮 R・シュトラウス“アルプス交響曲”ほか

都響第635回定期演奏会/インバル指揮 R・シュトラウス“アルプス交響曲”ほか

金曜日の「バビ・ヤール」に続いて、土曜日もまたサントリーホールへ。この日は、ふたたびインバル指揮の都響定期演奏会です。日曜日のショスタコーヴィチ交響曲第11番“1905年”がすばらしかったので、期待して出かけてきました。

  • ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
  • R・シュトラウス:アルプス交響曲 op.64

続きを読む

サンクトペテルブルグ響 ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 “バビ・ヤール”他

サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団/ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 “バビ・ヤール”他

金曜日(24日)、サントリーホールでサンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団(かつてのレニングラード・フィル)のショスタコーヴィチ交響曲第13番「バビ・ヤール」を聴いてきました。指揮は、ムラヴィンスキーの後、同楽団の音楽監督・主席指揮者をつとめるユーリー・テルミカーノフ氏。

  • リムスキー=コルサコフ:歌劇「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」序曲
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 Op.77
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第13番 変ロ短調 Op.113 「バビ・ヤール」

続きを読む

今週の「九条の会」(11月24日まで)

全国各地の「九条の会」の活動を、インターネットを流れるニュースから拾い集めました。

続きを読む

4.8%だからといって認めることはできない

日本経団連、厚生労働省が導入を狙っている「ホワイトカラー・エグゼンプション」制度。厚労省が、対象となる労働者を年収1000万円以上にしようとしていることが明らかに。

年収1000万円以上というと、現在の労働者の4.8%。日本経団連が求める「年収400万円以上」に比べると、対象は非常に限られます。しかし、だからといって安心してはいけません。

労働者派遣法のときも、最初は対象職種を限定して、ともかく制度を導入。そのあとで、どんどん枠が広げられていきました。「ホワイトカラー・エグゼンプション」だって同じです。4.8%だったら大勢に影響ないと思って油断したら、ひとたび制度がつくられた後、たちまち対象が広げられていくことは確実です。

労働時間規制の撤廃 「年収1000万円超」検討(東京新聞)

続きを読む

青年ユニオンが社説に登場!

牛丼チェーン「すき家」での組合結成を初めとして、話題の労働組合「首都圏青年ユニオン」が、ついに新聞の社説に取り上げられました。ヽ(^^@)/

ということで、フリーター、アルバイトで一方的に首切りされたり、サービス残業をさせられているという若者のみなさん、困ったときは、モノは試しで、首都圏青年ユニオンに相談してみてはいかがですか?

社説:フリーターの権利 自ら守り始めた青年ユニオン(毎日新聞)

続きを読む

全日空が残業代未払い6.8億円

全日空が労基署の勧告に基づいて全国41事業所で労働実態調査をおこなった結果、約1300人について総額6億8000万円の残業代未払いが明らかに。

対象人員は1800人。そのうち1300人、約72%でサービス残業が見つかった計算になります。

<全日空>未払い残業代6億8000万円(毎日新聞)

続きを読む

読み始めました。オルハン・パムク『雪』

オルハン・パムク『雪』(藤原書店)

2006年ノーベル文学賞を受賞したオルハン・パムクの『雪』です。

以前から、「トルコの小説って、珍しいなぁ…」と思って気にはなっていたのですが、ノーベル賞をとったということで、読んでみることにしました。(^_^;)←けっこうミーハー

続きを読む

労働・雇用関係のニュースを2つ

1つは、アパレルメーカーの「ワールド」が、パート・アルバイト5,000人を一気に正社員化するという話。人材確保、人材養成、いろいろ思惑はあるんでしょうが、ともかく良いことです。

もう1つは、偽装請負で営業停止を食らったコラボレートが主力子会社である請負大手のクリスタルが、人材派遣会社グッドウィルによって買収されたというニュース。やっぱりコラボの営業停止がダメージになったのでしょうか。なんにせよ、グッドウィルが偽装請負まで受け継ぐことのないように期待したいものです。

続きを読む

これも「成果主義」の成果?

インテリジェンスという転職支援サービス会社のホームページに掲載されていた話なのですが、アメリカのコンサルティング会社の世界16カ国の調査で、日本は、「仕事に対する態度」の調査で「非常に意欲的」が2%で最低。逆に「意欲的でない」は、インドに次ぐ2番目だったそうです。

この調査をした会社の分析によると、日本のワーカーの意欲が低いのは、「長らく続いた不況による人員削減や組織改革で、会社への忠誠を裏切られたと感じているため」だそうです。これこそ、「成果主義」の成果ではないでしょうか。

やる気の起きない日本人 ワーカーの世界意識調査 (インテリジェンスの転職支援)

続きを読む