同じソースから、2種類のニュースが流れていたので、???と思っていましたが、要するに、世界の若者の失業率が13.5%で、それに対して、先進国24カ国の「ニート」の割合(推定)が13.4%だということです。
25歳未満の失業率、世界で13.5% 大人の3倍(朝日新聞)
世界の「ニート」、2000万人・ILO推計(NIKKEI NET)
若年層の失業、世界で8500万人 ILO報告(FujiSankei Business i.)
25歳未満の失業率、世界で13.5% 大人の3倍
[asahi.com 2006年10月30日20時34分]国際労働機関(ILO)は29日、世界の若者(15?24歳)の雇用状況をまとめた調査報告書を発表した。この10年間に、職を必要としながらも仕事のない失業人口は7400万人から8500万人へと1000万人以上増加。失業率は13.5%に達し、大人(25歳以上)の失業率の3倍も高い。世界経済が拡大する一方で若者が労働市場から締め出されている現状は、将来の経済に悪影響をおよぼす、と報告書は指摘している。
報告書によると、世界の若者人口は約10億人で、うち6億5700万人が労働市場にいる。95年から05年までの間に若者人口が13%余り増えたのに対し、若者の雇用機会は4%弱しか拡大しなかった。その結果、世界の失業者の44%を若者が占めるに至った。
若者の失業率が最も高いのが中東・北アフリカ(25.7%)。中東欧、サハラ以南のアフリカが続く。
特に東南アジアは失業率が9.2%から15.8%へと大幅に悪化。技能不足の若者が経済低迷の影響を最も受けやすく、アジア通貨危機の影響が出たとみられる。中東は、女性の就職が難しいことなどが失業率を押し上げている。
世界の「ニート」、2000万人・ILO推計
[NIKKEI NET 2006/10/30]「『ニート』と呼ばれる若者は世界で少なくとも2000万人」――国際労働機関(ILO)は29日、世界の若者の雇用情勢に関する報告書を発表、職探しをあきらめ、学校にも通っていない若年層の増加が各国共通の現象とする推計を明らかにした。ILOはこうした若者らが「労働市場に溶け込めず、社会に役に立たない存在になりかねない」と強い懸念を示している。
ニートはNot in Education, Employment or Trainingの略称。欧米先進24カ国では若年層(15―24歳)の約13%を占め、雇用されず求職もしていない「非労働力人口」の若者に占める割合は2.6%という。途上国ではその割合が高いことを踏まえ、世界全体では若者の非労働力人口の4%、約2000万人と試算した。(08:38)
若年層の失業、世界で8500万人 ILO報告
FujiSankei Business i. 2006/10/31◆4億人分の雇用が必要
国際労働機関(ILO)が30日に公表した若年層(15?24歳)の雇用情勢に関する報告書で、労働意欲の低下などを反映し、昨年の若年層失業者数が過去最高の8500万人に達したことが明らかになった。日米欧などの先進国で学校にも行かず就職もしない「ニート」の割合が増えていることもわかり、ILOは治安面にも悪影響を与えかねないと警告している。
報告書によると、2005年の世界の若年層の失業率は13.5%と、成人層(25歳以上)の失業率(4.6%)の3倍近い高水準で推移している。失業者数は、過去10年間で14.8%増加した計算になる。
地域別の失業率では、25.7%の「中東・北アフリカ」や欧州連合(EU)加盟国を除く「中・東欧、旧ソ連諸国」が19.9%と高水準だった。
また、ニートは世界で約2000万人と推計。中でも、日本や欧米などの先進国24カ国での割合は13.4%に達し、ニートの増加が日本だけでなく、世界的傾向であることが裏付けられた。
こうした若年層失業者の増加の理由は、日本国内の事情と大きな違いはなく、報告書では、労働を嫌う無気力な若年層が増えているためと指摘。
この上で、(1)成人層が以前の雇い主や同僚からの紹介など、さまざまな手段を駆使して仕事を見つけるのに比べ、若年層は求職のノウハウが不足している(2)親の経済的支援を受けている若年層の間に、目の前に求職があってもえり好みする「ショップ・アラウンド(商品を見ているだけで購入しないという意味)」傾向がある(3)若年層は自宅から離れた場所に引っ越して生活する経済的余裕がなく、就職機会をみすみす逃してしまう?などと分析した。
さらに、雇用者側の事情として、仕事経験の浅い若年層より、まず経験を積んだ成年層を選ぶ一方、解雇の際には一時雇用契約が多い若年層が真っ先に切られるという「ラストイン・ファーストアウト」現象を挙げ、これらの複合的要因によって若年層の失業者数が増加しているとの見方を示した。
ILOは若年層の失業増加が犯罪を増やす危険性を指摘。1日2ドル以下で暮らす若年労働者3億人を含め、若年層には世界中で4億人分の雇用創出が必要と試算している。AFP通信によると、ILOのソマビア事務局長は「この傾向は、世界屈指の資産の一つである若い男女の将来に大きな損害を与える恐れがある」と述べた。(坂本一之)