今週の「九条の会」(11月4日まで)

全国各地の「九条の会」の活動にかんするニュースをインターネットから拾い集めました。今週は、11月3日の憲法公布60年に集会が各地で開かれています。

9条100年後には常識に 憲法公布60年集会 神戸
[神戸新聞 2006/11/04]

 憲法公布から六十年の三日、憲法九条を守る活動を続ける市民団体や労働組合が、神戸・ポートアイランドのワールド記念ホールで「はばたけ!9条の心」と題した集会を開いた。約七千人が参加し、九条をアピールするファッションショーや講演、ライブなどを通じて、政治の場で加速する「改憲」への動きと闘う姿勢をアピールした。
 「九条の会」呼び掛け人の一人、ノンフィクション作家の澤地久枝さんは約一時間半、熱弁を振るった。「憲法は私たちが戦争を通して辛うじて手にした宝物。なのに、社会が(改憲論議は)すでに片づいた問題だという雰囲気になっていることに怒りを覚える」と強い危機感を示した。
 「私は戦争、軍隊が市民生活にどう影響するか知っている」とし、「心の底から戦争に反対。九条を変えさせてはならない」と強調。「次の世代のため、沈黙ではなく声を出して、皆さんとのきずなを強め、広げていきたい」と呼び掛けた。
 法律家養成のための「伊藤塾」を開く伊藤真さんも講演。「九条は今は非常識と言われるかもしれない。でも、百年後には世界の常識になるはず。九条の理念を世界に発信していくことがわれわれの責任」などと語った。(小森準平)

平和憲法を守ろう 市民ら映画で成立背景学ぶ
[長崎新聞 2006年11月4日]

 平和主義をうたった憲法九条の成立背景や意義を考える「平和憲法を守ろう!映画会」が三日、長崎市平野町の長崎原爆資料館であった。
 憲法公布六十周年を記念して、県九条の会(土山秀夫元長崎大学長ら共同代表)が主催。市民ら約百人が参加した。
 上映したのは「戦争をしない国 日本」(片桐直樹監督)と題するドキュメンタリー映画。作品の中で、太平洋戦争前後の日本の様子や、日本国憲法が制定され軍国主義から民主主義に変わる過程を紹介。戦後、日本各地で米軍基地がつくられたことを「米軍は武力とブルドーザーで市民から土地を奪った」と批判した。また「日本は戦後六十年間、戦争で一人も殺すこともなければ、死ぬこともなかった」と九条の有効性を強調した。
 土山氏は上映後、「国民一人一人が九条を譲らないという決意を持たねばならない。学習会などを開き改憲論者を退かせる理論を持つことが重要」と話した。
 参加者からは「重い映画だが、戦後日本の歩みが分かってよかった」などと感想が出た。

被爆体験踏まえ憲法の再認識を 中部各地で憲法の集い
[中日新聞 2006/11/04]

 憲法公布から60年を迎えた3日、各地で憲法を考える集いやコンサートが開かれ、「九条を守れ」と声を上げた。
 名古屋市公会堂(同市昭和区)では「憲法九条を守ろう 06県民の集い」(あいち九条の会主催)が開かれた。
 戦時中、三菱重工道徳工場(同市南区)で働いていた男性は、食料を十分に取れずに働かされていた朝鮮人女子の実態を証言した上で「憲法には植民地支配の過ち、悲しみを繰り返さないとの誓いが盛り込まれている。今こそ、憲法への再認識が問われている」と力を込めた。
 岐阜市では「憲法九条は変えたらあかん 岐阜のつどい」があり、講演した高橋哲哉東大大学院教授は、九条改正を「戦争をする国になるということ」と指摘。津市であった「みえ九条の会」による記念講演会では、山内敏弘龍谷大法科大学院教授が、北朝鮮の核実験などに触れて「被爆体験を踏まえて平和憲法が制定されたことを再認識し、核戦争への道を拒むなら全面核廃絶を国内外に広めるべきだ」と説いた。
 広島被爆アオギリの2世が育っている岐阜県郡上市白鳥町の薬王山正法寺では、「平和コンサートinしろとり」があり、同市内のフォークグループ「ピペファート」=増田康記代表(55)=が平和を祈るオリジナル曲を演奏した。

ピースフェスタ in ヒロシマ:平和憲法生かそう 小田実さんら訴え――中区/広島
◇変えずに活用しよう――ピースフェスに7000人
[毎日新聞 2006年11月4日]

 憲法公布から60年を迎えた3日、憲法9条改定の動きに反対し、現憲法の活用を訴えようと、中区基町の県立総合体育館で「9条ピースフェスタinヒロシマ」が開かれ、約7000人が参加した。作家の小田実さんが講演し、「いくら近代兵器を持っていても石油がなく、食料自給率が40%程度しかない日本は戦争が出来ない国。『現憲法は現実に合わない』と言う人がいるが、現憲法こそ現実的な憲法だ」と述べた。
 県内の9条の会などでつくる実行委員会の主催。小田さんは「イラク戦争は泥沼化し、戦争では何も解決出来ないことが改めて明らかになった。戦争のない平和な世界を目指す日本の憲法は今こそ旬だ」と訴えた。
 また、ベストセラー「世界がもし100人の村だったら」の編者、池田香代子さんも講演。ロックグループ「ゴダイゴ」のメンバー、タケカワユキヒデさんは「イマジン」を歌うなどした。
 実行委員会の石口俊一弁護士は「今年は広島と神戸で同フェスタを行ったが、来年はさらに広めたい。第2の憲法と呼ばれる教育基本法を変えようとする危険な動きもあり、今日を契機に『変えるな』との声をさらに広めたい」とあいさつした。【吉川雄策】

憲法60年 平和主義復権語る
[中国新聞 2006/11/4]

 日本国憲法が公布され60年を迎えた3日、改憲論などへの反対を平和都市から訴えようと、「9条ピースフェスタinヒロシマ」が広島市中区の広島グリーンアリーナで開かれた。フェスタは、県内の「九条の会」を中心に開催。市民ら約7000人が詰め掛けた。ピースコンサートなどに続いて、「九条の会」呼び掛け人で作家の小田実さんが講演。自らの戦争経験を踏まえて「今こそ(平和)憲法は旬」と強調した。

折り紙に反核の願い 憲法公布60年、各地で平和の集い
[asahi.com 2006年11月03日]

 文化の日の3日、日本国憲法は公布から60年を迎えた。各地で平和を考える集いがあった。
 大阪女学院中学高校(大阪市中央区)の文化祭では、折り紙でつくられた長崎の1945年末までの原爆死者(長崎市集計)と同数のツバキ7万3884輪がグラウンドに敷き詰められた。ツバキは長崎県の花木。同校の高校1年の生徒たちが、中学の修学旅行で訪れた長崎で知った原爆の恐ろしさを伝えようと1年がかりで折った。中心となった山下七海さん(16)は「この数の重みを感じれば、核兵器の恐ろしさが分かる」と話した。
 大阪城音楽堂(同)では、「九条の会・おおさか」主催の「憲法公布60周年のつどい」に約2千人が参加。放送作家の新野新さんが「戦争放棄という理想主義的な憲法はほかにない。これからも守り抜こう」と呼びかけた。
 神戸市中央区のワールド記念ホールでは兵庫県内各地の「九条の会」133団体が合同で「はばたけ!9条の心」を開き、約8千人収容の同ホールがほぼ満員に。数字の「9」をデザインに取り入れたファッションショーやライブがあり、ノンフィクション作家の澤地久枝さんらが講演で護憲を訴えた。

憲法公布60年 憲法9条守る講演会
[南日本放送MBCニュース 11/03 17:15]

 きょう文化の日は60年前、日本国憲法が公布されたのを記念して定められました。この憲法公布の日に戦争の放棄をうたった憲法九条を守ろうと、鹿児島市で講演会が開かれました。この講演会は、かごしま九条の会が日本国憲法公布60年を記念して開いたものできょうは作家で東京大空襲の資料保存運動を進めている早乙女勝元さんが「子どもたちの未来に平和を」と題して講演しました。早乙女さんは、12歳で東京大空襲を経験。戦争放棄と武力を持たないという憲法九条に感動し、独学で憲法について学んだといいます。早乙女さんは、憲法九条があるから平和が続いたと、憲法改正の動きに反対すると共に、武力の行使をしない「非武装」を強く訴えました。日本国憲法については憲法改正にむけた国民投票法案の論議が国会で行われているほか、安倍総理も先月「9条は時代にそぐわない」と発言するなど改正への動きが続いています。

県内に「九条の会」設立広がる 憲法公布60年
[長崎新聞 2006年11月3日]

 日本国憲法は三日、公布から六十年。戦争と武力の放棄をうたった九条の意義を再認識し保持しようという「九条の会」の設立が県内でも増えている。約三十団体がそれぞれ草の根で独自の活動を展開、改憲の流れに異議を唱える。
 九条の会は、作家の大江健三郎さんらの呼び掛けで二〇〇四年六月設立されたのが始まり。これまでに全国で五千百七十四団体(六月十日現在)が結成された。
 県内では「県九条の会」が〇四年十月、長崎歴史文化協会理事長の越中哲也さん、元長崎大学長の土山秀夫さんら四人を共同代表に発足。その後、地域単位、職場・団体単位で設立が続いた。
 地域単位では長崎市を中心に諫早、大村、佐世保、五島各市、西彼時津、長与、東彼川棚各町で発足。平戸市や島原市でも準備が進んでいる。
 日ごろは各会が独自で学習会や講演会、会報誌発行、署名活動などを実施。九条ハイキング(稲佐山九条の会)やミニコンサートなど肩の凝らない催しも開いている。
 ただ、都道府県別で見ると、五百五団体の大阪府をはじめ、三百団体を超す北海道や東京都、京都府、埼玉県に比べれば本県の活動はまだ鈍い。県九条の会事務局の前原清隆長崎総合科学大教授は「われわれの訴えがまだまだ届いていないということではないか。九条を守るためさらにアピールを強めたい」と話す。
 県九条の会は三日午後一時半から長崎市平野町の長崎原爆資料館でドキュメンタリー映画「戦争をしない国 日本」を上映。同日付で県内の活動を紹介した冊子「九条の会 長崎のわ」を発行する。

金沢で憲法公布60周年記念の県民集会
[北陸朝日放送 2006年11月03日 16:58]

日本国憲法の公布60周年の3日、「九条の会・いしかわネット」などが、金沢市内で県民集会を開きました。集会では、護憲派の憲法学者で早稲田大学の水島朝穂教授が「美しい国の美しい憲法の目指すもの」というテーマで講演を行いました。水島教授は、憲法とは本来、国民が権力をしばるものであり、最近の改憲論は「権力にやさしい憲法」への改変だと指摘しました。そして、戦争を放棄した平和憲法を捨て、戦争のできる国になることを望むのか、国民投票の有権者として1人1人が「私」として決断する時が迫っていると警鐘を鳴らしました。

九条の会:きょう、加古川で集会/兵庫
[毎日新聞播磨・姫路版 2006年11月2日]

 東播磨2市2町の「九条の会」6組織が初めて共同企画した市民集会「輝け九条! 憲法制定60周年のつどい」が2日、加古川市加古川町北在家の市民会館で開かれる。
 九条の会北加古川、平岡9条の会、野口九条の会(以上加古川市)▽九条の会たかさご(高砂市)▽いなみ九条の会(稲美町)▽播磨町九条の会準備会で作る実行委員会(委員長、幹栄盛・鶴林寺住職)の主催。開催にあたり、実行委は「日本と世界の宝、日本国憲法9条を今こそ輝かせましょう」とのアピールを発表した。
 当日は午後7時開会。幹住職の講話や俳優の米倉斉加年さんが「子供だった頃(ころ)戦争があった 役に立たない人間と戦争」と題して講演するほか、お踊っこまつりチームの演舞やクラッシク歌手によるコンサートなどがある。入場料500円(高校生以下無料)。問い合わせは実行委事務局の立花さん。【成島頼一】

憲法の諸価値は人類普遍の原理/大城名桜大講師が講演
[沖縄タイムス 2006年10月24日(火)夕刊]

 改憲問題をテーマにした勉強会「国民投票法案を考える」(主催・ネットワーク九条の会沖縄)が二十三日、那覇市内であり、講演した名桜大学講師の大城渡さんは「現行の憲法のどこに不都合があるのか、手続法を定める前にまず改憲の必要があるのかを考えるべきだ」と問題提起した。
 大城さんは「日本国憲法の自由、平等、平和といった諸価値は、人類普遍の原理だ」と指摘。「九条はそうした普遍的な価値に基づいており、改正することは新しく憲法を制定し直すことと同じだ」と述べた。
 勉強会には約三十人が参加。大城さんは国民に真意を問うことなく解釈で事実上の改憲を重ねてきた政府・与党の姿勢を批判。「環境権や憲法裁判所の設置などと言っているが、現在の自民党が狙っているのは九条を変えることだけだ」と指摘した。

「奈義(憲法)九条の会」結成の集い/岡山
[毎日新聞 10月24日17時0分更新]

 24日午後7時、奈義町豊沢の奈義町文化センターで結成式。県内などで民話約7000話を採録した立石憲利さんが「戦争と民話」について話す。問い合わせは呼びかけ人の森藤政憲さん。

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