圧倒的! インバル&都響 ショスタコーヴィチ交響曲第11番 “1905年”

東京都交響楽団第320回プロムナードコンサート

お昼頃から冷たい雨が降り出しましたが、サントリーホールでインバル&都響のショスタコーヴィチ交響曲第11番“1905年”を聴いてきました。プログラムは、以下の通り。

  • ブロッホ:ヴィオラと管弦楽のための組曲(管弦楽版日本初演)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ト短調 「1905年」 作品103

ハープの不安定な和音から始まるショスタコーヴィチの交響曲第11番。1905年の「血の日曜日事件」にテーマをとった作品で、途中、「同志は倒れぬ」や「ワルシャワ労働歌」などの革命歌が引用されます。1時間近く(インバルの指揮は結構きびきびとして速かった)、楽章の切れ目なく演奏されてゆきます。

インバルの指揮は、一言でいって、圧倒的。指揮台から細かく、オケの各所に指示を飛ばしながら指揮をすすめていますが、神経質といった感じはなく、実にのびのびしています。そして、フォルテの部分はもうこれ以上にないというぐらいの大音量で、観客を圧倒してゆく感じです。弦の不安定な響き合いと、高揚した部分との対比が強い印象を与えてくれます。

最後に、不安を予感させつつコーダで終わるというところで、インバルが指揮棒を振り終わらないうちから、拍手してブラボーと叫んだアホな客がいました。まったく、この曲がどんな作品なのか分かっているのでしょうか?! けっして革命歌と高揚のうちに終わらないところに、この作品の“凄み”があるのに…。(-_-;)

しかし、インバルの骨太の演奏は、そういうアホな客のフラインをものともせず、圧倒的な印象を残してくれました。

1曲目は、ブロッホの「ヴィオラと管弦楽のための組曲」(1919年)。この管弦楽版が日本初演だというのが不思議。ソロの鈴木学氏は都響の主席ビオラ奏者。

【演奏会情報】
東京都交響楽団第320回プロムナードコンサート/指揮:エリアフ・インバル/ヴィオラ:鈴木学/ソロ・コンサートマスター:矢部達哉/サントリーホール 2006年11月19日(日) 午後2時開演

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