労働・雇用関係のニュースを2つ

1つは、アパレルメーカーの「ワールド」が、パート・アルバイト5,000人を一気に正社員化するという話。人材確保、人材養成、いろいろ思惑はあるんでしょうが、ともかく良いことです。

もう1つは、偽装請負で営業停止を食らったコラボレートが主力子会社である請負大手のクリスタルが、人材派遣会社グッドウィルによって買収されたというニュース。やっぱりコラボの営業停止がダメージになったのでしょうか。なんにせよ、グッドウィルが偽装請負まで受け継ぐことのないように期待したいものです。

パート・アルバイト5千人、一気に正社員化 ワールド
[2006年11月21日21時12分]

 アパレル大手のワールド(本社・神戸市)の寺井秀蔵社長は21日の中間決算発表の席上で、直営店の販売業務に携わるパート約6000人のうち約5000人を、今年4月1日付で販売子会社の「ワールドストアパートナーズ」の正社員として雇用したことを明らかにした。4月以降の新規採用者を含め、正社員化で人件費は年間約22億円膨らむが、これから予想される人手不足を見込んだという。今後も、新規採用は原則正社員とする考えだ。
 寺井社長は「人材の取り合いが始まっている。一生の仕事として取り組んでもらえるためにも正社員が望ましい」と、大量正社員化の狙いを説明した。ワールドは昨年11月、経営陣による自社株式の買い取り(MBO)を実施して上場を廃止した。「短期の業績を意識せず、長期的な視点での経営」を掲げており、正社員化もその一環という。
 ワールドは「タケオキクチ」「アンタイトル」などのブランドを主力にしている。百貨店などに出店している店舗の売り上げは、販売員の力量に頼る部分が大きい。一方で、働く人の離職率も高く、アパレル各社とも、人材の育成と確保が課題になっている。
 今回の正社員への登用は昨年秋に希望者を募った。約6000人のパートのうち、育児などの理由で短時間勤務を希望する人や学生アルバイトを除く、約5000人が応募。全員を採用した。パートナーズ社の従業員数は現在、約1万900人。ワールドグループ全体では約1万5900人の従業員がいる。

請負大手のクリスタル、グッドウィルが買収
[asahi.com 2006年11月18日19時19分]

 人材サービス会社グッドウィル・グループ(東京都港区)は18日、派遣・請負大手のクリスタル(京都市下京区)を買収したと発表した。投資ファンドなどを通じ、買収資金883億円でクリスタル株67%を保有した。
 クリスタルでは、主力子会社のコラボレート(大阪市北区)が「偽装請負」を繰り返していたとして大阪労働局から10月に事業停止命令を受けた。グループ全体の業務に大きな影響が出ており、同業のグッドウィル傘下に入ることが立て直しの近道と判断した模様だ。
 グッドウィルは「事業の大部分が重なり、相乗効果で収益拡大が見込まれる」と買収の理由を述べている。クリスタル株は創業者の元社長がほぼすべて所有していたが、グッドウィル側が10月末に大半を買い受けた。
 グッドウィルは連結売上高2000億円に満たないのに対し、最大手ともいわれるクリスタルは同6000億円弱。「小が大をのむ」格好だ。
 同業他社の幹部は「クリスタルが身売りを急いだのではないか。製造請負で急成長したが、子会社が事業停止命令を受けた影響は相当大きかった」と説明する。
 クリスタルはすでに製造請負からの撤退を始めている。関係者によると、今後は技術系派遣などで立て直し、08年春の上場を目指すという。

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