彗星・新星の発見者としても有名なアマチュア天文家の多胡昭彦氏が、カシオペア座の11等級の恒星が7等級まで明るくなったのを発見。スペクトル観測などから、爆発現象などは起きていないと判断され、重力レンズ効果によるものと推定されている。
重力レンズは、アインシュタインの一般相対性理論から導かれる現象の1つ。地球と遠方の天体とのあいだに、たとえばブラックホールのように巨大な質量を持つ天体がはさまることで、その重力によって遠くの天体の光がゆがめられ、ちょうど凸レンズで光が焦点に集まるように、地球に集まって届くようになるもの。
それにしても、わずか3000光年先の恒星と、地球とのあいだに、いったいどんな天体が通りかかったんでしょうねえ。やっぱりブラックホールなんでしょうか?
近い星で重力レンズ効果 岡山の男性が発見
[東京新聞 2006年12月03日 18時50分]星の重力で空間がゆがんで光が集まる「重力レンズ効果」により明るく見える星を、岡山県津山市のアマチュア天文家、多胡昭彦さん(73)が確認、兵庫県立西はりま天文台(兵庫県佐用町)で開かれたシンポジウムで3日、発表した。
大西浩次長野工業高専助教授らによると、これまで確認された星の重力レンズ効果に比べ、地球までの距離は10分の1以下の3000光年とみられ、非常に明るかった。大西助教授は「こんなに近い星で見つかるのは極めて珍しい」と指摘した。
多胡さんらによると、10月にカシオペヤ座の近くにある星の明るさが変化するのを発見。10月25日に11等級程度だったが、6日後には7等級程度と約60倍の明るさになった。その後は再び暗くなった。
京都大飛騨天文台などが光のスペクトルを分析し、星の爆発ではなく白い星の光と判明。光がだんだん強まり、その後弱まっていく経過も、重力レンズ効果の場合と一致した。
多胡さんはこれまでに彗星4個、新星4個を発見している。(共同)
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