日本海が生まれたのは2200万年前だと言われているので、この恐竜が闊歩していた時代は、まだ日本“列島”は誕生する前、ということになります。
まるごと一匹の大型恐竜の化石が見つかったら、いいですねぇ。ぜひ一度、現物を見てみたいものです。(^_^;) ←いちおう昔、地学部だったので。
白亜紀の大型恐竜の化石発見、本格発掘へ 兵庫(朝日新聞)
「20年追い続けた」在野の研究者ら興奮(神戸新聞)
丹波地域で発見された恐竜化石について(兵庫県立人と自然の博物館ニュース)
白亜紀の大型恐竜の化石発見、本格発掘へ 兵庫
[asahi.com 2007年01月04日00時20分]兵庫県の篠山(ささやま)、丹波両市にまたがる「篠山層群」と呼ばれる白亜紀前期(約1億4000万?1億2000万年前)の地層から、草食恐竜の骨の化石十数点と、肉食恐竜の歯のかけらの化石3点が見つかった。地元の地学愛好家ら2人が昨年夏に一部を発見。同県立人と自然の博物館(同県三田市)が試掘し、3日に発表した。同博物館はさらに化石が埋まっているとみて、今月中旬から本格的な発掘に入る。
草食恐竜は骨の形状などから、体長十数メートルのティタノサウルス類の可能性が高く、国内最大級という。化石は同じ1頭のものとみられ、保存状態も良いことから、全身に近い化石が出る可能性もあるという。白亜紀前期の草食恐竜の化石は世界的にも少なく、まとまって出れば非常に貴重な資料になる。
同博物館によると、見つかった草食恐竜の化石は、肋骨(ろっこつ)(長さ約80センチ)1点と血道弓という尾の骨3点(最大約40センチ)、尾の先端の尾椎(びつい)2点、背中の骨にあたる椎骨の破片3点など。化石の状況から、草食恐竜の死体に肉食恐竜がかじりつき、歯が欠け落ちたと考えられる。
昨年8月、地質調査をしていた足立洌(きよし)さん(63)と村上茂さん(62)=いずれも同県丹波市=が、泥岩層から肋骨などを発見。同博物館が9月に幅7メートル、高さ、奥行き各30センチの範囲で試掘したところ、ほかにも10点余が見つかった。現場保存のため、詳しい場所は明らかにしていない。
篠山層群は、かつて沼や湖だった地層。国内で最もよく恐竜の化石が発見される手取層群(福井、石川県など)と成り立ちや年代が似ていることから、専門家の間では恐竜の化石が見つかる可能性が高いとみられていた。実際に見つかるのは今回が初めて。
国内で1頭の恐竜の骨がまとまって発見されたのは、三重県鳥羽市の「鳥羽竜」の例がある。鳥羽竜の化石は地殻変動の影響で変形や欠損が目立つのに対し、今回発見された化石はきわめて保存状態が良いという。
同博物館の三枝春生研究員は「恐竜の全身化石は世界的にもほとんど例がなく、もしそうなれば、進化を考える上でものすごい資料になる」と話している。化石は6日から21日まで同博物館で展示される。
化石発掘は、天体観測とともに、いまでも“アマチュア”が活躍できる数少ない科学研究の分野でしょうね。(^_^;)
「20年追い続けた」在野の研究者ら興奮
[神戸新聞 2007/01/04]「大変、興奮している。恐竜学の進展、そして地域の発展につなげてほしい」。白亜紀前期の草食恐竜「ティタノサウルス類」の化石を発見したのは、兵庫県丹波地域で二十年以上にわたって化石を追い続けてきた在野の研究者たちだった。三日、三田市の県立人と自然の博物館で、夢をつかんだ喜びと本格発掘への期待を語った。
丹波市柏原町の元高校教諭足立洌(きよし)さん(63)と、同市山南町の元会社員村上茂さん(62)。足立さんは長年、丹波地域の地層や化石の研究を続けており、二〇〇六年春から友人の村上さんと共同で「篠山層群」の調査を月二、三回のペースで行ってきた。
同年八月七日。村上さんが偶然、地層表面から約一センチほど突き出た灰褐色の骨を見つけた。二人で二時間半ほどかけて掘り出した。
「相当大きい動物だ」。足立さんが専門書などで検討した結果、恐竜の肋骨(ろっこつ)の可能性が高いと判断。九日、さらに五つの化石断片を発見し、九月に同博物館と試掘した。
「これまで見たことのない、すごいものが出た。不思議な感覚でした」と足立さん。今後に期待するのは、草食恐竜の全身骨格の発見と、化石を生かした地域の発展や科学教育の推進という。
二人は「行政、博物館、そして民間の研究者が協力し、発掘の成果を地元に還元できれば」と情熱を込めて語った。
「篠山群層」については、橋元正彦さんのホームページ「兵庫の山々 山頂の岩石」の中の「兵庫の地質」の(2) 大陸の時代(中生代白亜紀?新生代古第三紀)が参考になります。