普天間移転「修正協議」をめぐる怪

久間防衛庁長官の発言から始まった「修正協議」ですが、米側は「修正協議はありえない」との態度。要するに、「修正」の余地があるかのように見せかけたいというだけの与太話です。

米、普天間移設「修正協議に応じず」(NIKKEI NET)
政府案変更なし 官房長官ら、久間発言を否定 V字滑走路(琉球新報)
名護市、協議前向き/普天間代替・久間長官が修正案(沖縄タイムス)

米、普天間移設「修正協議に応じず」
[NIKKEI NET 2007/01/06 07:01]

 在日米軍再編の柱である米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市への移設をめぐり、米政府が修正協議に応じない意向を示したことが明らかになった。日米両政府はキャンプ・シュワブ沿岸部にV字形滑走路を造る計画で合意済み。久間章生防衛庁長官はV字にはこだわらない考えを表明しているが、米側が改めて難色を示した形だ。
 米国防総省の関係者が5日までに防衛庁幹部に伝えた。V字形滑走路について「昨年5月に日米で合意した話だ。技術的にも詰めている。再度ゼロから協議する時間はない」と強調した。

政府案変更なし 官房長官ら、久間発言を否定 V字滑走路
[琉球新報 2007-1-5 16:02:00]

 【東京】久間章生防衛庁長官が3日に普天間飛行場代替施設の政府案(V字形滑走路)について「滑走路は1本でもいい」などと発言したことについて、塩崎恭久官房長官は5日午前の記者会見で「昨年5月の2プラス2(日米安全保障協議委員会)で日米で合意した案が基本だ」と述べ、政府案を変更する考えはないことを強調した。
 塩崎長官は「久間長官は日米両政府と地元の3者の合意が重要と強調したかったようだ」と指摘。「V字案に比べると1本の滑走路だと予算的には安いが、集落上空を飛ばないようにするには(滑走路を)かなり沖合に出さなければならない。むしろ1本にするのは難しいということを言いたかったという報告を受けた」と説明した。
 その上で「時間をかけて2プラス2でロードマップ(行程表)ができた。これを基本線として実現するという方向で地元と話し合うことが大事だ」と述べた。
 一方、麻生太郎外相は5日午前の記者会見で、「決まった話をまたひっくり返すことになる。日米安全保障協議委員会で決めたので、その方向に沿うのが基本だ」と述べ、建設案に変更はないとの認識を強調した。
 久間氏はタイ訪問中の3日、同行記者団との懇談で「滑走路1本でもいい。(沖縄県、名護市など地元自治体、米政府の)3者が合意する案なら何でもいい」などと述べた。

名護市、協議前向き/普天間代替・久間長官が修正案
滑走路1本 沖合展開
[沖縄タイムス 2007/01/03]

 【名護】名護市の末松文信助役は三日夜、久間章生防衛庁長官が普天間飛行場移設問題でV字形滑走路にこだわらない考えを表明した事に「名護市はもともと騒音の少ない海側への建設を求めている。仲井真弘多知事の新しい提案や防衛庁がどこまで検討しているのか聞いてみたい」と述べ、三者での修正協議に前向きな姿勢を示した。
 末松助役は「防衛庁から説明はない。V字案を基本にというのが、現在の市の立場」と断った上で「滑走路が二本になったのは、(政府が沿岸案を前提にしたため)宜野座村と名護市側の住宅地上空を飛行ルートから避けることを優先した結果で、沖合の方が騒音が少ない」と指摘。同時に「滑走路一本となると、相当沖合に出すことも検討しなければならないが、技術的にどんな方法が可能か、防衛庁から説明を受けていない」とした。
 また、「名護市と知事は一体だ」と述べ、今後県と連携して同問題に対処する考えを強調した。
 一方、県幹部は三日、「地元と米国の了解が得られればできるだけ早く移設を進めたいということだろう。(修正案について)いろんな議論を柔軟に進めたいという仲井真弘多知事の意向と合うのではないか」との見方を示した。その上で「どういう形で、となるとこれからの議論だ。県としては名護市の意向を踏まえて判断することになる」と述べた。
 ただ、「(滑走路)一本(の修正)はおそらくないだろう」とし、周辺集落上空の飛行を避けるために沖合へ大幅な移動が必要となる「滑走路一本」への修正の可能性は低い、との考えを示唆した。

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