教育再生会議の第1次報告最終案が明らかに。
体罰を認める、問題児は出席停止にする、高校生の奉仕活動の必修化では教育の再生はできない。
体罰は教育ではないし、生徒・児童の出席停止は教育の放棄そのもの。また、高校生なら、強制されて奉仕活動をやるということの“偽善”にすぐに気づくだろう。
「メリハリある給与体系」という名目で、成果主義賃金をもち込もうとしているけれども、民間企業では、成果主義を導入した結果、大多数の社員のモチベーションが下がり、すでに破綻している。いまさら学校現場に成果主義を導入して、教員同士の協力を分断して、いったいどうやって教育を再生するつもりなのだろうか。
教育見直し、7提言 再生会議
[asahi.com 2007年01月18日15時36分]政府の教育再生会議が来週まとめる第1次報告の最終案の骨格が18日、明らかになった。「ゆとり教育を見直し、学力を向上する」など「七つの提言」と、その中で実現を急ぐものを特記した「五つの緊急対応」で構成している。提言では、「基礎学力強化プログラム」の作成、各学校の評価・監査をする「教育水準保障機関」(仮称)の創設、いじめや校内暴力に対応する教育委員会の「危機管理チーム」の設置などを打ち出した。
この最終案について19日の再生会議の合同分科会で議論した後、24日の総会で決定し、安倍首相に提出する。
「七つの提言」は、ゆとり教育見直しのほか、規律ある教室▽規範意識の徹底▽教員の質向上▽保護者や地域の信頼に応える学校▽教育委員会の見直し▽社会総がかりでの教育――を掲げた。
「五つの緊急対応」は、ゆとり教育見直しに伴う学習指導要領の早急な改訂や、学校の責任体制を明確にするための学校教育法改正案の国会提出などを求めている。
「基礎学力強化プログラム」には「授業時間数の10%増加」「薄すぎる教科書の改善」などを明記。また、習熟度別指導の拡充や、地域の実情に応じた学校選択制の導入も提言する。
いじめ対策では、いじめる側への「出席停止制度の活用」「警察との連携」も明記し、厳しい態度で臨む姿勢を示した。一方で、立ち直りも支援することも併記した。
「不適格教員は教壇に立たせない」とし、教員養成・採用・研修・評価・分限処分などを一体的に改革することも明記。企業に対し、課外授業の講師の派遣も求める。
教委改革では、教委に外部評価制度を導入するほか、小規模市町村の教委の統廃合を進めることも提言している。
再生会議が12月に示した第1次報告原案では、ゆとり教育の見直しや教委改革、大学の9月入学などが抜け落ちたが、目玉策を求める首相官邸の意向もあり、これらの多くの具体策が復活した。〈第1次報告の最終案(要旨)〉
教育再生会議「第1次報告」「教育再生のための当面の取り組み」(『七つの提言と五つの緊急対応』)の要旨
《七つの提言》
【1】ゆとり教育を見直し、学力を向上する
「基礎学力強化プログラム」▽習熟度別指導の拡充▽地域の実情に留意のうえ学校選択制の導入
【2】学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする
出席停止制度を活用、警察と連携▽反社会的行動を繰り返す子供に毅然(きぜん)たる指導
【3】すべての子供に規範意識を教え、社会人としての基本を徹底する
「道徳の時間」の確保と充実▽高校での奉仕活動の必修化▽大学の9月入学の普及促進
【4】あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる
社会の多様な分野から積極的、大量に教員に採用▽メリハリある給与体系で差をつける▽不適格教員は教壇に立たせない
【5】保護者や地域の信頼に真に応える学校にする
「教育水準保障機関」による外部評価・監査システムの導入▽副校長・主幹等の新設▽民間人校長など管理職に外部の人材を登用
【6】教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す
危機管理チームを設ける▽教職員の人事権は市町村にできるだけ移譲▽教委の基準や指針を国で定めて公表し、第三者機関の外部評価制度を導入
【7】社会総がかりで子供の教育にあたる
「家庭の日」を利用しての多世代交流▽地域リーダー(教育コーディネーター)の育成《五つの緊急対応》
「ゆとり教育」の見直し=早急▽教育委員会制度の抜本改革=07年通常国会に提出▽教員免許更新制導入=07年通常国会に提出▽学校の責任体制の確立等=早急に国会に提出▽反社会的行動をとる子供に対する毅然たる指導のための法令、通知等の見直し=06年度中
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