“夜回り先生”が安倍首相のいじめ対策を批判

いじめ対策で、安倍首相が、出席停止措置の活用を文部科学大臣に指示。

これに対して、今朝の「東京新聞」で、“夜回り先生”こと水谷修さんが批判のコメントを寄せられています。

水谷さんの批判は2点。1つは、「なぜいじめが起きるのかに目が向いていない」という点。もう1つは、「出席停止は、すべての子どもに保障された教育を受ける権利を侵害する処分だ」という点。

大人の責任逃れ、最悪の方法 “夜回り先生”水谷修さんに聞く
[東京新聞 2007年1月23日]

 いじめ対策で、出席停止などの厳しい処分を加害児童・生徒に与えるという首相の指示に、2つの大きな問題を感じる。1つは、なぜいじめが起きるのかに目が向いていない点。個々のいじめの背景には家庭や学校、私たちの社会の問題があるのに、子ども同士の問題としかとらえていない。
 胃が痛む時に、痛み止めの薬を飲み続けて、しのぐだけにするのか。がんやかいようが根本原因なら、治療しない限り、悪化するだけだ。いじめの問題も同じ。いじめ多発の根本原因となっている私たちの社会のあり方をまずは問題とし、変えるべきだ。子どもに責任を押しつけるのは、大人の責任逃れとして最悪の方法ではないか。
 もう1つは、出席停止は、すべての子どもに保障された教育を受ける権利を侵害する処分だということ。
 確かにいじめは、名誉毀損やぶ告、傷害などをともなう大きな人権侵害で、犯罪だ。だが、それを(広い意味で)“裁く”のは、法務省の人権擁護局や警察の仕事。どんな子どもでも、自分のしたことを償わなくてはならない。いじめをした子どもが犯した行為は、人権侵害や犯罪として裁かれ、罪は償わなければならないが、それは学校や教師の仕事だろうか。
 学校では、いじめた子もいじめられた子も、同じ大切な子どもたちだ。学校がなすべきなのは、行ったいじめをきちんと反省させ、謝罪させ、償いをさせ、そして和解させることしかない。

出席停止処分は、教育再生会議が打ち出している方向でもあります。教育再生会議には、ヤンキー先生こと義家弘介氏も加わっていますが、夜回り先生の批判をどう聞くのでしょうか。

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