オーケストラで聴く「デブ、デブ、百貫デブ」 都響第639回定期演奏会

都響第639回定期演奏会

一昨日の読響に続けて、今夜は都響の定期演奏会。「日本管弦楽の名曲とその源流<4>」と題するプログラム。指揮は高関健氏です。

  • 間宮芳生:合唱のためのコンポジション第4番「子供の領分」
  • 小倉朗:管弦楽のための舞踏組曲
  •   休憩
  • バルトーク:2台のピアノと打楽器と管弦楽のための協奏曲
  • バルトーク:舞踏組曲

会場に着くとまもなく、別宮貞雄氏と間宮芳生氏のプレトークが始まりました。別宮氏は、バルトークを中心に音楽における民族主義について論じられていたのですが、ホールの残響が大きいため何を喋っているのかほとんど聞き取れず、残念。しかも、最後に間宮氏に話を振るまで、プレトークの時間ほとんどを1人で喋りっぱなし。まあ、もはや別宮氏は誰にも止められない境地に達してしまわれたようです。(^_^;)

で、1曲目は、その間宮氏が1963年に作曲された作品。5章構成で、日本の遊び歌がいろいろ取り入れられていて、第1楽章ではいきなり子どもたちが「デブ、デブ、百貫デブ」とか「ばかばかちんどん屋」と歌い出すユーモラスな曲です。他にも、「たてたて、よこよこ、マル書いてチョン」とか「棒が一本あったとさ」など、遊び歌がオーケストラをバックに真面目に歌われてゆきます。

後半はバルトークの曲。「2台のピアノと…」では、田部京子さんと小川典子さんの共演という贅沢な組み合わせでした。

バルトークは民族主義の代表といわれますが、彼の調査は、ハンガリーの民族音楽だけでなく、ルーマニアやトルコ、北アフリカの音楽にまで及んでいたとのこと。今日、「民族主義」という言葉から想像されるものとは相当に違っているようです。何気なく登場するように聞こえる民族的な旋律も、実は何千曲もの伝統民謡を調べたうえでのもの、ということです。

ということで、バルトークという作曲家の面白さをあらためて実感した演奏会でした。

【演奏会情報】東京都交響楽団第639回定期演奏会(Bシリーズ)
指揮:高関健/ピアノ:田部京子、小川典子/打楽器:安藤芳広、小林巨明/児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団、世田谷ジュニア合唱団/ソロコンサートマスター:矢部達哉/会場:サントリーホール大ホール/開演:2007年1月24日 午後7時?

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