民主党、社民党、国民新党が、柳沢厚労相の辞任の見込みがなくなったということで、審議拒否から復帰しました。柳沢厚労相の「子どもを産む機械」発言はひどいもので、許しがたいものですが、しかしだからといって、何が何でも「審議拒否」というのも道理のない話。
これにたいし、共産党は、柳沢氏の辞任を求めつつ、何が何でも審議拒否という姿勢はとりませんでした。
その後の経過は、自民・公明が野党3党欠席のまま補正予算審議を強行、共産党はそれに抗議して委員会を退席。そのため、見かけは、共産党も他の3党と一緒に審議拒否したように見えますが、事情はまったく異なっています。
こうした共産党の独自の立場に注目して、産経新聞に共産党を持ち上げる論説が出ていました。めずらしいので、ここに再録しておきます。
【政論】今こそ共産党の独自色発揮を
民主党、社民党、国民新党は国会で相変わらず審議拒否の姿勢を続けている。女性を「(子供を)産む機械」にたとえた柳沢伯夫厚生労働相が辞任するまで一切の審議に応じないという。
3党は「安倍政権を揺さぶって存在意義をアピールしたい」という思惑では一致しているが、これから国会で審議される平成19年度予算案や国民投票法案、教育再生関連法案、社会保険庁改革法案などへのスタンスはバラバラだ。「共闘」という言葉だけで、「赤信号みんなで渡れば…」的なサボタージュをいつまで続けようというのか。
そもそも「野党」という政党は存在しない。考え方が異なるために別々の党に分かれているのだから、いたずらに共闘に固執する必要はない。その意味で、「唯一の野党」を掲げてきた共産党が、柳沢氏の罷免を求めながらも、審議拒否に全面依存する民主党などと一線を画しているのは当たり前のことである。
思い起こす光景がある。橋本政権時代の〔平成〕8年3月、住宅金融専門会社の不良債権処理が主要テーマとなった住専国会。現民主党代表の小沢一郎氏が率いた新進党は、8年度予算案の衆院通過を阻止するため、国会内で3週間にわたって座り込んだ。この間、当時、共産党書記局長で現委員長の志位和夫氏は、自民党幹事長だった加藤紘一氏ら与党幹部と会談するなど、事態打開に積極的に動いた。「審議拒否はしない」という党の基本方針に基づく行動だ。
今国会で、共産党は18年度補正予算の審議直前に「一部野党が欠席という不正常な状態で委員会を開くべきではない」と金子一義衆院予算委員長に抗議し、退席した。3党に同調したように見えるが、最後は違う。
5日には穀田恵二国対委員長が自民、公明両党国対委員長に与野党幹事長会談などを開いて事態打開をはかるよう申し入れた。民主党、社民党、国民新党が事態打開に応じなければ、共産党だけでも審議に復帰するという意思表示といえる。
民主党がグズグズしている今こそ、独自色を発揮する絶好のチャンスだ。共産党に、即時に国会審議へ復帰し、国民に向けて自らの見解を堂々と訴えるよう提案したい。(関田伸雄)
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