リクルート社の発行する無料情報誌『R25』。何気なく、今週号(No.130、2007.02.15付)を手にとって見たら、表紙に「マルクス資本論」の文字。
何?! と思ってめくってみると、「高度資本主義の現代から、『資本論』著者・マルクスへの手紙」と題して、『資本論』が取り上げられていました。曰く――
マルクスは、『資本論』で「資本主義の始まりから、発展、没落までを分析」したが、「資本主義は没落するどころかますます発展している」ようだ。
そのマルクスが言っていたのはこんなことだ。――「労働者はいくら頑張っても、その働きに応じた賃金はもらえない。その労働の超過分は資本家の懐に入る」「より効率よく儲けるため、資本は集中して社会的な存在になるが、資本家の目的が儲けであることは変わらない」「資本主義の発展は、資本家が自由に利用できる人間を作り出す」。
で、こんなふうに続けています。
「アレ? 意外に現代に似ているような部分もありますね」
ということで、本日発行の『R25』。まだ、そこいらへんにあるうちに、ぜひお手にとってどうぞ。(^_^;)
ちなみに、マルクス紹介の文章は、インターネット上のR25.jpからも読めます。
高度資本主義の現代から、『資本論』著者・マルクスへの手紙(R25)
そろそろ春闘の季節ですが…
高度資本主義の現代から、『資本論』著者・マルクスへの手紙
[R25 No.130 2007.02.15号]拝啓、マルクス様。貴方がこの世を去ってから、1世紀以上もの月日が流れましたが、僕たちは相変わらず資本主義社会を生きてます。貴方がご存命のころと比べて、資本家の方々も、僕たち労働者(今はサラリーマンと呼ばれる人たちが多いですが)に対してそれなりに気を使ってくれるので、それほど居心地は悪くありません。
貴方は、主著『資本論』において、資本主義の始まりから、発展、没落までを分析しました。資本主義は没落どころか、ますます発展しているようです。大多数の僕たちサラリーマンは、やはり労働力を売って生活してます。貴方はこんなようなことを言ってましたね。
「労働者は、いくら頑張っても、その働きに応じた賃金をもらえない。その労働の超過分は資本家の懐に入る」「より効率よく儲けるため、資本は集中して社会的な存在になるが、資本家の目的が儲けであることは変わらない」「資本主義の発展は、資本家が自由に利用できる人間を作り出す」
アレ? 意外に現代に似ているような部分もありますね。成果主義の流れもあるけど、サービス残業はまだまだ当たり前。M&Aが効率化を優先しているならリストラもやむなし。自由に利用できる人間とは、ある意味、簡単に切り捨て可能な労働者のことですね。最近の日本では、格差社会なんていわれる問題が議論されてます。
今、日本は、好景気だそうですが、それを実感している人は1割もいないといいます。それもそのはず。ここ5年、景気は拡大しているのに、一昨年までサラリーマンの所得は減っていて、個人に対しての税金は上がっています。やるせないですが、資本家と労働者は、妥協点を探りあいながら資本主義を存続させていくでしょう。共存共栄ってやつですね。双方とも丸くなりました。貴方は、今の世の中をどう眺めているのでしょうか。その声が聞けないのが残念です。それではまた。――敬具。(武藤平蔵)
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