規制緩和がバス業界にもたらしたもの

先日、大阪でスキーバスがコンクリート橋脚に衝突し、16歳のアルバイト添乗員が死亡したほか27人が死傷した事故がありましたが、今日の「毎日新聞」夕刊は、2000年の貸しバス事業の規制緩和がバス業界にどんなひずみを生み出したかを紹介しています。

記事によれば、貸し切りバス事業者は、99年は2336業者。それが2000年の規制緩和をはさんで、2004年度には3743業者と1.6倍に。その結果、過当競争となり、価格は長野〜大阪往復で20万円以下になり、運転手の年収も400万円を切るようになってきたといいます。白馬〜大阪往復を16万円で請け負い、人件費と燃料費を除くとバス会社には2万円も残らない、というケースもあるそうです。

こんな状態で、本当に安全が保障できるのか? 事故を起こすようなバス会社は、そのうち淘汰されるのかも知れませんが、それまでにいったいどれだけの事故が起きて、何人がなくなればよいというのでしょうか。「規制緩和」路線そのものを見直していくことが必要ではないでしょうか。

バス事故:過重労働にあえぐ運転手 規制緩和のひずみ(毎日新聞)

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『週刊東洋経済』が特集「貧困の罠」

『週刊東洋経済』2007年2月24日号

『週刊東洋経済』2月24日号が、「貧困の罠」ということで、54ページの特集を組んでいます。

これまでも、貧困と格差の問題では、『週刊東洋経済』はもちろん、『週刊エコノミスト』や『週刊ダイヤモンド』でも特集が組まれてきましたが、今回の特徴は、いまの貧困は、たまたまそのとき貧乏だったということではなく、一度貧困にはまり込むと、実は、なかなかそこから抜け出せなくなるという問題を、「貧困の罠」という角度から追いかけていること。

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ミューザ川崎に行ってきました

ミューザ川崎シンフォニーホール

金曜日、東京交響楽団の川崎定期演奏会へ。ということで、初めて、ミューザ川崎に行ってきました。ホールに入って初めて気づいたのですが、シートが渦巻き状に並んでいるんですね。なかなかおしゃれなホールでした。

プログラムは、以下の通り。お目当ては、2曲目のソリスト、諏訪内晶子さんです。(^_^;)

  • シューベルト:付随音楽「キプロスの女王ロザムンデ」序曲
  • シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
  •    休憩
  • ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

ということで、諏訪内さんは、背中の大きくあいた淡いブルーのドレスという艶やかなお姿で登場。力強い弓遣いで、シベリウスの曲を弾いてゆかれます。ただ、ホールのせいなのか、音が少し硬いように感じられました。速い指遣いで高音にあがっていくようなところで、それがちょっと気にはなりましたが、それは些細な問題。ただただ、その美々しいお姿に見惚れて、エネルギッシュな演奏を堪能させていただきました。m(_’_)m

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こんなの出てました――中公文庫『日本の歴史』別巻

中公文庫『日本の歴史』別巻<対談・総索引>(中央公論新社)

1965年から1967年にかけて刊行された中央公論版『日本の歴史』は、昨年、中公文庫の新装版で再刊されましたが、こんどその「別巻」が出版されました。中身は何かというと、最初に『日本の歴史』が刊行されたときに挟み込まれていた「付録」に掲載されていた各巻執筆者と著名人との対談集です。

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