株安と円高の同時進行…

株安と円高の同時進行で、東京株式市場は575円安の1万6642円に。

日経平均、575円安で1万7000円割れ(NIKKEI NET)
円、一時115円台に上昇・東京市場(NIKKEI NET)
同時株安 余波続く(読売新聞)
米国株、続落で始まる――世界株安、円キャリー巻き戻し継続嫌気(NIKKEI NET)
シンガポール株5日・大幅に6日続落――世界株安警戒、3000割れ(NIKKEI NET)
香港株大引け・急反落 連鎖株安や円高警戒し3カ月ぶりの安値(NIKKEI NET)

日経平均、575円安で1万7000円割れ
[NIKKEI NET 2007/03/15 20:34]

 5日の東京市場は株安・円高の連鎖に拍車がかかった。日経平均株価は5日続落し心理的な節目とされた1万7000円を割った。前週末と比べた下げ幅は575円と昨年6月13日の614円安以来の大きさに達した。
 日経平均の終値は575円68銭(3.3%)安の1万6642円25銭。5日間の下落幅は合計1573円。下落率は8.63%に達し、短期間の調整幅としては昨年4?6月の世界同時株安(19%)以来の大きさに拡大した。2月下旬にバブル期以来の600兆円に迫った東京証券取引所第1部の時価総額は5日までに約50兆円目減りした。

円、一時115円台に上昇・東京市場
[NIKKEI NET 2007/03/05 08:52]

 5日早朝の東京外国為替市場で、円相場はじり高の展開。8時30分過ぎに一時1ドル=115円99銭前後まで上昇した。115円台は昨年12月8日以来。2日のニューヨーク市場で、円高・ドル安が進んだ地合いを引き継ぎ、円買い圧力がじわじわと強まり、ニューヨーク市場の高値(116円42銭)を上回った。市場では、「円キャリー取引」(低金利通貨の円を借りて高金利通貨で運用する取引)の持ち高調整に伴う円買い・ドル売りに対する警戒感が根強い。きょうはポールソン米財務長官が来日することもあり、「日本の当局者との会談内容が気になって、相場展開はやや神経質」(欧州系銀行東京支店)との指摘もあった。8時30分時点では前週末17時時点に比べて1円43銭の円高・ドル安の1ドル=116円20?23銭前後。
 円は対ユーロで5日続伸して始まった。対ドルで円買い圧力が強まり、対ユーロでも円相場を押し上げている。8時30分時点では前週末の17時時点に比べて1円72銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=153円30?37銭前後で推移している。〔NQN〕

同時株安 余波続く 株1万7000円割れ 円高が大きな逆風
[2007年3月5日 読売新聞]

 東京株式市場が5営業日続落して、日経平均株価(225種)が1万7000円の節目を割り込んだ。27日の中国株価の大幅安をきっかけとした「世界同時株安」の余波は収まらず、世界の投資家が株式市場で受けた打撃の大きさを示している。
 前週末の米株式市場はダウ平均株価(工業株30種)が前日比120ドル安の1万2114ドルまで低下し、1週間の下げ幅は500ドル超に達した。日経平均も、先週初めからの下げは1000円を上回り、日米で連動して株価が下げる悪循環となっている。
 特に日本の株式市場にとって、円相場が115円台の円高・ドル安水準に突入したことは、大きな逆風といえる。円高が輸出関連企業の収益悪化につながる懸念に加え、円安の要因とされた「円キャリー取引」が急速に縮小するとの思惑が浮上しているためだ。低金利の円で資金を借りて外貨に換えて海外で投資する「円キャリー取引」が一気に縮小すれば、円高になるだけでなく、世界の株式市場への投資資金が絞られ、世界的な株安の要因になるとの懸念も指摘される。
 市場では「堅調な企業業績や経済見通しに変化はない」(日本株ストラテジスト)と冷静な見方も少なくないが、いったん委縮した株式への投資意欲が回復するには、かなりの時間がかかるとする警戒感も強まってきた。

米国株、続落で始まる――世界株安、円キャリー巻き戻し継続嫌気
[NIKKEI NET 2007/3/5 23:45]

 5日の米株式相場は続落して始まった。午前9時35分現在、ダウ工業株30種平均は前週末比68ドル58セント安の1万2045ドル52セント、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は同22.50ポイント安の2345.50で推移している。同日のアジア・欧州株が軒並み下げていることや、外国為替市場で円が1ドル=115円台に上昇するなど、円キャリー取引(低金利の円を借りて高金利通貨で運用する取引)の巻き戻しがなど、投資家のリスク資産回避が続いていることが、米国株売りにつながっている。
 信用力の低い個人を対象とした高金利型の住宅ローン(サブプライムローン)市場をめぐる不透明感が強まっていることも重し。連邦検察当局や米証券取引委員会(SEC)が会計手法や株取引などの調査に乗り出したと明らかにした住宅ローン大手のニューセンチュリー・ファイナンシャルが暴落。サブプライムローン部門の売却を余儀なくされていると伝わったフレモント・ジェネラルも26%下げている。
 証券会社主催のコンファレンスで、1?3月期の売上高が従来の見通しに達しないとの見通しを示した半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅安。携帯情報端末のパーム買収を検討していると報じられたノキアが下落。パームも売られている。携帯情報端末のリサーチ・イン・モーションもつれ安。ワイヤレス技通信術などのアルテル買収を検討していると報じられたAT&Tも安い。
 一方、アルテルは上昇。〔NQNニューヨーク=横内理恵〕

シンガポール株5日・大幅に6日続落――世界株安警戒、3000割れ
[NIKKEI NET 2007/03/05 19:10]

 5日のシンガポール株式相場は大幅に6日続落。ST指数の終値は前週末比96.45ポイント(3.13%)安の2982.29だった。1月11日以来の安値となり、約2カ月ぶりに心理的な節目の3000を大幅に割り込んだ。六営業日で合計9.9%下落した。世界連鎖株安への警戒感が高まり、ほぼ全面安。前週末の米株安で、主力株への売りが膨らんだ。きょうの日経平均株価の大幅安や香港のハンセン指数の急落も市場心理を冷え込ませた。
 指数は安く寄りつき、取引開始後まもなく3000を割り込んだ。その後、前場は3000をやや下回る水準で推移。後場に入るとアジアの他の株価指数の下落を嫌気し、銀行株や不動産株といった主力株への売りが拡大。指数は一段安となった。
 前週末の米株式市場では、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が昨年11月以来の安値を付けた。このため、シンガポール市場でもハイテク株の一角が大幅安となって指数を押し下げた。また、急ピッチで進む円高を背景に、低金利の円を調達し海外資産に投資する「円キャリートレード」解消への警戒感も強まり、相場の重しとなった。
 マレーシアのカジノ大手のゲンティン・インターナショナルが、傘下の客船事業大手、麗星郵輪(スタークルーズ)から、観光地のセントーサ島でのカジノ開発権のうちスタークルーズの保有分を購入すると発表した。購入額は52億シンガポールドル。ゲンティンは代わりにスタークルーズにマカオでのカジノ開発権を売却する。ゲンティンは前場は上昇して指数を支えたものの、後場に下げに転じ、前週末比3%安で取引を終えた。
 シンガポール航空、モバイルワン、DBS、OCBC銀行、UOB銀行が安く、A?REIT、シティディベロ、キャピタランド、ケッペルランドが下げた。クリエイティブT、ジュロンテック、チャータードも売られた。半面、ベンチャーとSテレコムが買われた。〔NQN香港=桶本典子〕

香港株大引け・急反落 連鎖株安や円高警戒し3カ月ぶりの安値
[NIKKEI NET 2007/3/5 18:16]

 5日の香港株式市場でハンセン指数は急反落。大引けは前週末比777.13ポイント(3.99%)安の1万8664.88と、2006年11月28日以来ほぼ3カ月ぶりの安値を付けた。下げ幅は2001年9月12日以来の大きさ。朝方から売りが継続し、指数はじり安の展開だった。前週末の米株安に加え、きょうのアジア株式相場が総じて軟調に推移したことで世界連鎖株安が警戒され、指数構成銘柄は全面安となった。円高や中国本土株の下落も市場心理の重しに働いた。
 足元での急ピッチな円高進行で、低金利の円を調達し海外資産に投資する「円キャリートレード」の解消に伴う投資資金の流出懸念が強まった。指数は前場に100日移動平均(前週末終値時点で1万9386)や、心理的な節目である1万9000台を前後して割り込むと市場心理が悪化。後場に一段安となり、大引けにかけては指数の下落率が4%を超える場面も見られた。
 きょうから開催した中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では政府要人の株式投資抑制に関する発言などが伝わり、上海株式相場は大幅反落で取引を終えた。このため香港に上場する中国本土系銘柄も次第に下げ幅を広げ、指数への寄与度が高い中国移動は約6%の大幅安となった。時価総額上位のHSBCも引け後の06年12月期決算発表を控えて下落率が2%を超え、二銘柄だけで指数を350ポイント超押し下げた。
 商いは活況となり、香港のメーンボード(東証一部に相当)の売買代金は概算で724億香港ドルと、過去最高の大商いだった2月28日(804億香港ドル)に次いで今年2番目の規模となった。
 ハンセン指数を構成する36銘柄すべてが下落。中国建設銀行に売りが膨らみ、中国網通、華潤創業、香港取引所、東亜銀行は8%超の大幅安となった。
 中国関連株ではH株(香港上場の中国本土企業株)指数が大幅に7日続落。レッドチップ(中国本土系香港企業株)指数は急反落した。下落率はH株指数が約5%、レッドチップ指数が約6%と、ハンセン指数を上回る下げとなった。〔NQN香港=早川亜美〕

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