安倍内閣支持率の動き。3月に入って、やや持ち直しているようにみえるところもあって、これをどう見るか。
大局的には、「政党支持なし」層の増加に見られるように、模索や選択の動きが広がっているのだと思いますが、他方で、従軍慰安婦問題での強気の発言や、5月3日までに改憲手続き法案を成立させる(最近、ちょっとトーンダウンしてますが)など、いわゆる「タカ派」発言で、人気を盛り返している部分があるのも事実。
すぐには結論は出ないが、少し気になる問題ではある。
日本テレビ世論調査 安倍内閣支持率が上昇(日テレNEWS24)
日本テレビ世論調査 安倍内閣支持率が上昇
[日テレNEWS24 3/12 1:36]安倍内閣の支持率が43.2%と、政権発足後初めて上昇に転じたことが、日本テレビの週末の世論調査でわかった。
それによると、「安倍内閣を支持する」と答えた人は43.2%で、先月より約1ポイント上昇した。内閣支持率は政権発足直後の72.4%を最高に下がり続けており、上昇に転じたのは今回が初めて。一方で、「支持しない」という人は39%に減少している。
また、松岡農水相が多額の事務所費や光熱水費を計上しながら内訳の説明を拒んでいることについて、「適切でない」と答えた人は9割近くに上り、「適切」と答えた人を大きく上回った。一方で、不動産の取得に多額の事務所費を計上していた民主党・小沢代表が自ら詳細を公表したことについては、63%の人が「評価する」と答えている。
このほか、安倍首相が郵政造反組で落選した衛藤晟一前衆議院議員を参院比例代表の公認候補にすると決断したことについては、「支持しない」と答えた人が約6割に上っている。ただ、その安倍首相の決断が内閣への支持を左右したかどうかについては、8割以上の人が「変わらない」と答えている。日本テレビ電話世論調査
【調査日】3月9日?11日
【対象者】全国1046人
【回答率】54.7%
http://www.ntv.co.jp/yoron/
追記
しかし、最新の共同世論調査では、内閣支持率は39.9%となり、6カ月連続の低落となりました。山陽新聞・社説は、これについて「安倍カラーへの反発」を示したものだと分析しています。
支持率40%割れ 安倍カラーへの反発示す
[山陽新聞 2007/03/14 社説]共同通信社の全国電話世論調査で、安倍内閣の支持率が39.9%と、昨年九月の政権発足以来、初めて40%を割った。支持率低下は昨年十月以来六カ月連続となった。
郵政造反組の衛藤晟一元厚生労働副大臣の自民党復党には「反対」が63.3%と、「賛成」の17.4%を大きく上回った。反対理由として「郵政民営化の賛否を争点にした前回衆院選の意味がなくなる」や「首相の考えに近い一部の人を優遇」が多かった。
憲法改正手続きを定める国民投票法案に関しては、「賛成」が56.2%あったものの、賛成した人のうち67.5%が「今国会成立にこだわる必要がない」と回答した。
支持率は二月の前回調査から0.4ポイントの微減だったが、安倍晋三首相が独自色を打ち出した方針には強い反対が示された形だ。
落選した造反組の復党は衛藤氏が初めて。首相の「盟友」とされる衛藤氏だけの復党には党内からも不満や批判が出たが、首相が押し切った。
国民投票法案は、在任中の憲法改正を目指す安倍政権の象徴でもある。目標にしていた五月三日の憲法記念日までの成立には必ずしもこだわらない姿勢を見せているが、今国会での早期成立を図る考えは変わらない。
首相には最近、こうした安倍カラーを強める意向がうかがえる。参院予算委員会では「支持率のために政治をしているわけではなく結果を出すことのみに専心したい」と述べた。「指導力不足」との批判をはね返す思惑もあろう。
だが、安倍カラーへの反発を示す調査結果が出たことも強く意識しなければならない。国民投票法案などは国家の根幹にかかわる問題だ。強引に進めるべきではない。