岩波書店の発行するPR誌『図書』の臨時号で、「岩波文庫 私の三冊」という特集を組んでいます。岩波文庫の中で、これはという3冊を紹介してほしいというアンケートに232人の方が回答を寄せています。
いろいろな人がマルクス、エンゲルスの本を上げていますが、そんななかでちょっと異色だったのは、ソフトイーサ株式会社社長の原哲哉氏。「私の三冊」の1つに、『資本論』をあげて、こんなふうに書かれています。
社会科学とは何かを、その時々の問題意識に合わせて教えてくれる科学的体系。これが「古典」です! 日本マルクス主義の解体を予兆した訳本 ((岩波文庫は向坂逸郎訳))などと呼ばれているが、まずは第1分冊を手に取ると、自分の「革命」が始まります。
ソフトイーサの原哲哉社長って誰? と思って、インターネットをググってみたら、元ASCII24編集長らしい。う〜む、そういう人が資本論をねぇ。
一番たくさんの人が上げた本は、『きけ わだつみのこえ』。「はじめに」にも書かれているように、時代の反映なのでしょう。あと、『コーラン』も、けっこうたくさん上がっていました。これも時代のなせることでしょうか。
【追記】
その他に、こんな人がこんなことを書いています。
朴慶南さん(作家)
『空想から科学へ』(エンゲルス)
大学に入学したとき、最初に購入した岩波文庫だった。新しい世界が開けたような胸の高まりが記憶に刻まれている。他の社会科学書も次々と手にしたが、この本のインパクトが一番強かった。