JR東日本で、赤字だといって販売員をリストラしてしまった結果、3分の1のキオスクが臨時休業する事態になっているそうです。
キオスクのおばちゃんって、まず100品目を超えるような商品の値段が全部頭の中に入っていて、しかも何を買っても暗算ですぐ「○○円です」と言ってくれる――ある意味、超スーパー・セールスウーマン。そういう貴重な人材を「赤字だ!」といって簡単にリストラするような会社はアホです。
首都圏のキヨスク、3分の1が臨時休業…リストラ補充失敗(読売新聞)
首都圏のキヨスク、3分の1が臨時休業…リストラ補充失敗
[2007年4月13日15時33分 読売新聞]電車に乗る前に雑誌を買おうとしたら、売店のシャッターが閉じていた――。最近そんな経験をした人が少なくないはずだ。首都圏のJR駅で、スタンド型売店「キヨスク」の3分の1が臨時休業するという異常事態が続いている。
店舗を運営するJR東日本の子会社が人員整理を進めた結果、販売員が十分に確保できなくなったという。休業店再開のメドは立っておらず、駅利用者の不満は高まる一方だ。
JR東管内でキヨスクを運営する「東日本キヨスク」によると、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の約560店舗のうち、現在185店舗が臨時休業中。閉鎖は昨秋から都心の主要駅で始まり、今では近郊の駅にも拡大している。
31店舗中8店舗が休業中の東京駅。通勤・通学客が多く利用する山手線と京浜東北線のホームは、2店舗のうち1店舗でシャッターが下りている。〈しばらくの間、閉店させて頂きます〉。そう書かれた張り紙と最寄り店の地図が掲示されているだけで、休業の理由に関する説明は一切ない。
東日本キヨスクでは、100品目を超す商品の値段を記憶していて料金の暗算もできるという“職人技”を持つ正社員に販売を担当させてきた。しかし、採算が取れない店舗が増えてきたため、人件費を削減しようと、2004年からレジの導入などを進めるとともに、契約社員やアルバイトへの切り替えを始めた。
さらに、昨年8月には正社員の早期退職を募り、今年3月までに販売員だった約400人が退職。今月からはキヨスクの店舗から正社員が姿を消している。
同社によると、全店舗を維持するためには500人以上の契約社員が必要。このため500人の確保を目標に契約社員を募集し、不足分はアルバイトで補う予定だったが、契約社員は130人しか集まらず、アルバイトの応募もほとんどなかったという。同社は「ポスターや求人雑誌などで募集したが期待通りの反応がなかった。周知が不十分だったのかもしれない」と話している。
同社は、現在休業中の店舗について、販売員が確保できれば再開する方針。一方で、主要駅にある「NEWDAYS(ニューデイズ)」を中心に、駅構内のコンビニ店を増やしてきており、「再開までの間は他のキヨスクやコンビニを利用してほしい」としている。
しかし、キヨスクが少ない駅やコンビニのない駅もあり、横浜線、南武線などの10駅では、駅構内から売店が完全に消えた。東京駅のキヨスクで新聞や雑誌をよく買うという男性会社員(68)は、「レジに行列ができるコンビニよりキヨスクの方が便利。早く再開してほしい」と話していた。