昨日は、読響の演奏会を聞いてきました。今月から常任指揮者として、ミスターSことスクロヴァチェフスキ氏が登場。ほんとは17日の定期演奏会でブルックナーの4番“ロマンティック”を聞きたかったのですが、仕事の関係で、やむなくこの日に変更。しかし、プログラムはなかなか魅力的でした。
オネゲル:交響曲第2番
メシアン:われら死者の復活を待ち望む
(休憩)
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 作品73
オネゲルの交響曲第2番は1941年の作曲。弦楽器ばかりの作品です。プログラムノーツによれば、この作品はスイスのバーゼル室内管弦楽団の創立10周年記念としてつくられたものですが、時代を反映して「全体的に、暗く重苦しい雰囲気が立ちこめています」。しかし、最終楽章では、最後にトランペットが登場し、弦楽と重なり合うように「勝利の響き」がかなでられます。
始めて聴いた曲ですが、読響の弦の美しさがよくでていた演奏だと思いました。また、トランペットの「勝利の響き」というので、なにか華々しいファンファーレを想像していたのですが、実際には、弦楽と重なり合うように解け合いながら、分かりやすく、しかも明るい旋律で、とても気に入りました。
2曲目は、メシアンが、1964年にフランス文化相の依頼で、第2次世界大戦の犠牲者を悼む記念式典のために書かれた作品です。僕の知り合いは、この曲が聴きものだと言っていましたが、確かに、管楽器と打楽器だけという、珍しい作品です。ドラなどの響きのなかに、どこかオリエンタリズムの雰囲気もあります。
後半は、うってかわってブラームスの交響曲第2番。これまでS氏のブルックナーしか聞いたことがなかったので、ブラームスをどんなふうに振るんだろうと思いましたが、意外に?堅実。でも、ところどころ、ふだんの演奏だと他の楽器に埋没してしまうような管や弦の旋律がふっと浮かび上がってくるところがあって、やっぱりS氏、と納得しながら聴きました。
しかし、僕にとっては、この日の一番の収穫は、1曲目のオネゲルの作品。これまであまりフランスものは聴いたことがなかったので、興味を持ちました。ということで、コンサートのあと、新宿のHMVでCDを買って帰りました。
【演奏会情報】
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ/コンサートマスター:デヴィッド・ノーラン/演奏:読売日本交響楽団/会場:東京芸術劇場/開演:2007年4月29日 18:00
【CD情報】
Honegger:Symphonies 1-5, Pacific 231, Rugby
Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks
Charles Dutoit:conductor
Warner Classics 2564 62687-2
Recorded:1982,1985
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