木曜日、金曜日と2晩続けてコンサートを楽しんできました。
木曜日は、日フィルの定期演奏会。プログラムは、以下のとおり。
モーツァルト:歌劇《魔笛》より「序曲」
モーツァルト:交響曲第36番《リンツ》
<休憩>
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:幻想曲《フランチェスカ・ダ・リミニ》
指揮は、アレクサンドル・ドミトリエフ、ピアノ・ソリストは御年70歳を越えたエリック・ハイドシェックでした。
前半のモーツァルトは、70年代に流行ったようなどっしり重厚な演奏。こんなモーツァルトは、久しぶりでした。で、後半1曲目は、ハイドシェックが自由気ままに変化させるものだから、オケと合わないというかなんというか…。正直、指揮者とオケに同情しました。
うって変わって最後のチャイコは、非常にロマンチックで、管、弦自由自在、というところ。初めて聴いた曲でしたが、そこここにチャイコフスキーらしいメロディやオーケストレーションが登場し、しかもダンテの「神曲」第5章を題材とした作品のストーリーのわかりやすさもあって、気持ちよく楽しめました。今季、日フィル定期は毎回、モーツァルトの交響曲を1曲やるということになっていて、さらにハイドシェックとの共演ということで、プログラムの大半にあらかじめ枠がはまっていたようなもので、指揮者にとっては、まったく残念でした。むしろ、オール・ロシアン・プログラムで聴いてみたかった感じです。
金曜日は、読響の定期演奏会。こちらも、指揮はロシア出身のユーリ・テミルカーノフ。プログラムはプロコフィエフ&ラフマニノフでした。ヴァイオリン・ソロは庄司紗矢香さん。
プロコフィエフ:組曲〈キージェ中尉〉
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番
<休憩>
ラフマニノフ:交響的舞曲
この日の山場は、やっぱり庄司紗矢香さんの登場した2曲目。プロコフィエフのVn協第1番は、ナマで聴くのは初めて。ヴァイオリンの技巧的な見せ場もあるし、ロシア風のロマンチックでメロディアスな部分もありという欲張りな作品でした。アンコールは、プロコフィエフの無伴奏ヴァイオリンソナタの第2楽章で、たっぷり楽しませていただきました。(^_^;)
1曲目は、帝政ロシアの貴族社会を風刺した喜劇「キージェ中尉」からの5曲による組曲。非常に分かりやすい作品でした。後半のラフマニノフの交響曲幻想曲はアメリカに亡命したラフマニノフの最後の作品。ということで、ロシアへの慕情にあふれていました。