厚生労働省が、昨年度の過労による「脳・心臓疾患および精神障害等にかかわる労災補償状況」について発表。
- いわゆる「過労自殺」(未遂をふくむ)として認定された人は66人で、昨年の42人から1.5倍以上に増加したこと。
- それをふくむ「精神障害」(うつ病など)での労災申請は819人で、前年度比25%も増えていること。そして、そのうち認定された人は205人で、前年度比61%増にもなっていること。
- 過労による脳・心臓疾患(脳出血、心筋梗塞など)は、申請が938人にたいし、認定された人は355人。そのうち死亡に至ったケース(いわゆる「過労死」)は147人。「過労死」は前年度より10人減ったとはいえ、脳・心臓疾患の労災認定も過去最多となったこと。
依然として日本の労働者の「働かされ過ぎ」状態はひどくなるばかりです。
過労自殺、過去最多の66人
[日刊スポーツ 2007年5月16日20時19分]過労が原因でうつ病などの精神障害になって自殺した(未遂を含む)として2006年度に労災認定された人が、前年度比約6割増の66人と過去最多だったことが16日、厚生労働省のまとめで分かった。過労自殺を含む精神障害の認定者数も大幅に増加。年代別では働き盛りの30代が40%を占め突出して多かった。
過労によって脳出血、心筋梗塞(こうそく)などの脳・心臓疾患になり、労災認定された人も355人で過去最多。うち死亡に至った過労死は147人だった。
リストラなどで個々の仕事や精神面での負担が重くなっていることが背景にあるとみられる。厚労省は「労働環境が厳しい。ノルマ達成を求められるなど過大な仕事量があり、職場のサポートも十分でなく過労自殺につながるケースが多い」としている。
集計によると、精神障害の労災申請は819人で前年度比25%増。認定は205人で前年度より61%増えた。いずれも過去最多。うち未遂を含む自殺の認定は前年度の42人から66人に増え、うち65人は男性が占めた。
精神障害での認定者の職種は専門技術職が29%で最多。男女別では女性が31%に上った。年代別で30代の40%に次いで多かったのは20代の19%、40代の18%。自殺に限ると50代が32%で、30代が29%だった。
脳・心臓疾患の申請は938人、認定件数は355人と、いずれも8%増で過去最多。認定者の職種別では運輸・通信従事が25%で最も多く、厚労省は「労働時間が最も長い職種であることが影響しているのではないか」とみている。
男性が94%を占め、年代別では50代40%、40代29%の順だった。
認定された人の直前数カ月の平均残業時間は80?100時間が最多で116人。160時間以上も26人いた。過労死は147人で前年度より10人減った。
↓厚生労働省の発表はこちら。
厚生労働省:脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況(平成18年度)について
厚生労働省の発表を見ると、
- 「脳・心臓疾患」では、業種別で「運輸業」が27%で最多。トラック運転手など、長時間連続運転が常態化している、ということか。
- 年齢別では、「脳・心臓疾患」では50代がトップ、「精神障害」では30代がトップ。同じように「働かされ過ぎ」でも、30代は体が若い分、「うつ」になるまで働き過ぎてしまう、それにたいして、50代は「うつ」になる前に心筋梗塞、脳梗塞などを起こしてしまう、ということか。
なんにせよ、悲惨…。