自民党はなぜ地方首長多選禁止をしたがるのか?

自民党が、知事・政令市長の多選禁止法案の検討を始めることに。

しかし、なぜ自民党は、地方首長の多選禁止をやりたがるのか? 理由は簡単。

多選禁止法案検討へ 知事・政令市長2期か3期まで 自民:政治(東京新聞)

自民党は、いま「地方分権」なるものをすすめようとしています。道州制の導入もやろうとしています。で、地方自治体では、いまでも自治体の長の権限が強いのに、さらに「分権」をすすめて、地方に権限をあたえていったら、地方の国会議員よりも知事・政令市長の方が政治的権力が強くなるかも知れない(というか、確実に強くなるでしょう)。

しかし、それは絶対に許されない。そこで、自治体の長を、あらかじめ2期もしくは3期までということに制限してしまえば、どんなに力が強くなっても、8年ないしは12年たてば引退せざるをえない――。そうすれば、首長への権力集中を避けることができる。

これが自民党が、知事などの多選禁止をやろうとしている理由です。だから、彼らは、絶対に国会議員の多選禁止はやろうとしないのです。こんな身勝手な「多選禁止」論議につきあったら、ぜったいにバカを見ます。

多選禁止法案検討へ 知事・政令市長2期か3期まで 自民
[東京新聞 2007年5月23日 朝刊]

 自民党は二十二日、首長の多選を禁止する法案の検討に着手する方針を固めた。二十三日に開く党改革実行本部の首長多選問題小委員会で議論を開始する。七月の参院選に向けて改革姿勢を打ち出すため、早急に結論をまとめて、今国会への法案提出を目指す。

 地方自治体の首長の多選を禁止する法案はこれまでに三回、議員立法で国会に提出された。しかし、憲法に定められた法の下の平等や、職業選択の自由などに抵触するとの疑義が指摘され、いずれも廃案となった。

 ただ、昨年十二月から、多選禁止が憲法上許されるかどうかを検討してきた菅義偉総務相の諮問機関「首長の多選問題に関する調査研究会」(座長・高橋和之明治大法科大学院教授)は今月十八日、「多選制限は必ずしも違憲とは言えない」とする方向で、今月中に報告書をまとめることで一致した。

 自民党は昨年十一月、前福島県知事が汚職事件で逮捕されるなど首長の不祥事が相次いだのを受けて、知事と政令市長が四選以上となる場合は、公認、推薦しない内規を定めたが、法制化は見送った。同党としては、総務省の研究会が見解をまとめるのにあわせて、独自に法制化に乗り出すことにした。

 具体的には、知事と政令市長は(1)二期八年までで三選禁止(2)三期十二年までで四選禁止?のいずれかとする方向。市町村長については、多選を制限できることを法律で定めた上で、具体的な内容は条例に委ねる案が浮上している。

 多選の知事は当選五回が高知県の橋本大二郎知事、四回が群馬県の小寺弘之知事ら六人。

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