昨日(6/3付)の「朝日新聞」に、「教育再生を考える 先生ヘトヘトどう解消」という記事が出ていました。そこには、とても厳しい仕事の現実が紹介されていました。
まず、文部科学省の調査から明らかになった小・中学校の先生の平均的な勤務時間。
子どもと直接的にかかわる業務 6時間44分
授業 3時間34分
生徒指導 1時間23分
部活動・クラブ活動 26分
その他(学校行事など) 1時間21分
子どもと間接的にかかわる業務 2時間10分
授業の準備 1時間1分
成績つけ 47分
学年・学級運営 22分
学校運営にかかわる業務 1時間39分
会議 36分
事務・報告書作成 17分
研修 14分
その他(学校経営など) 32分
保護者・PTAなどへの対応 12分
ということで、1日の勤務時間の合計は10時間45分。休憩・休息は8分だけ、という結果が出ています。くり返しになりますが、これは、文科省の調査結果です。これだけでもビックリですが、さらに、国際的な比較を見ると、もっと驚くべき結果が出てきます。
年間勤務時間数 | うち授業時間数 | |
---|---|---|
日本 | 1960時間 | 591時間 |
ドイツ | 1736時間 | 772時間 |
オランダ | 1659時間 | 840時間 |
韓国 | 1613時間 | 697時間 |
スコットランド | 1365時間 | 922時間 |
OECD平均 | 1695時間 | 755時間 |
こうやって比べてみると、日本の先生は、<1>年間勤務時間が非常に長い。それは、年間1800労働時間という政府の労働時間目標よりも長いほど。<2>にもかかわらず、年間の授業時間は非常に短い。
つまり、学校には長時間拘束されているが、授業で子どもたちに十分教える余裕はない、ということです。これじゃあ、「学力低下」や子どもの「荒れ」などが起こるのも当たり前かも…。「教育再生」というならば、年間勤務時間を、せめてOECD並に短くし、そのかわりエネルギーをたっぷり授業に注げるようにするのが一番ではないでしょうか。そのためには、まず先生の人員を増やすのが一番の早道だと思うのですが。