日本共産党の志位和夫委員長が公表した自衛隊の内部資料。イラク派兵に反対する市民、団体、ジャーナリストの活動を克明に調査・記録していたもので、集会、デモ行進の写真もあり、こうした集会・デモなどに身分を隠して潜入し情報収集していたことが明らかに。
ということで、志位委員長の記者会見全文はこちら↓
自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する/2007年6月6日 日本共産党幹部会委員長 志位 和夫
で、自衛隊の内部資料そのものも、共産党のホームページで公開されている。全部で166ページもあるので印刷するのも大変だけれども、集会やデモ行進だけでなく、わずか数名程度の宣伝、署名、ビラ配りまでチェックしている。さらに、どんな演説をしていたか、どんなビラをまいていたか、横断幕のスローガンやシュプレヒコールの内容まで、克明に記録されていて、驚きます。こんなのは、新聞記事などから集めることは不可能。つまり、宣伝や集会などの場所に、実際に自衛隊員が出かけていって、何をしゃべっているか、どんなビラをまいているか、しっかりチェックしているということです。これを世間では「監視」といいます。
自衛隊は「法令範囲内の任務」と言っているが、行政機関が、本人に無断で、個人の名前まで記載して、勝手に政治的傾向のレッテル貼りをして情報を収集・集積するのは、明らかに個人情報保護法に違反する。
共産党が公表した自衛隊内部資料を見たい人は、こちらから↓。
入手資料一覧(PDF形式)
自衛隊が「市民」監視 批判的289団体・個人 内部文書を共産党入手(東京新聞)
↓自衛隊の「情報保全隊」って何、というのはこちら。
ワードBOX 情報保全隊(西日本新聞)
自衛隊が「市民」監視 批判的289団体・個人 内部文書を共産党入手
[東京新聞 2007年6月7日 09時00分]共産党の志位和夫委員長は6日、記者会見を開き、イラクへの自衛隊派遣に反対する団体や個人について、陸上自衛隊情報保全隊が収集した情報をまとめた「内部文書」を自衛隊関係者から入手した、と発表した。対象となっていたのは、市民運動や労組、政党、宗教団体、地方議会の動き、派遣をめぐる取材活動などで、全国41都道府県の計289団体・個人の活動状況が記録されており、高校生のグループも含まれていた。
志位委員長は「自衛隊という軍隊が、市民団体やジャーナリストなどの動向を監視するのは、表現の自由やプライバシーの侵害で違憲。自衛隊法にも根拠を持たない活動。戦前・戦中の『憲兵政治』を復活させようとする許し難いものだ」と批判。鈴木政二官房副長官に中止を要求した。
文書は「情報資料について(通知)」と「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」の2種類で、A4判で計166ページ。イラク派遣の基本計画閣議決定を直前に控えた2003年11月から、陸上自衛隊本隊の主力部隊がイラク・サマワに到着した04年2月にかけ、1週間ごとに調査されたもの。市民運動や労働運動を「民主党系」「共産党系」「社民党系」「新左翼等」などに分類し、集会やデモ、ビラ配りなどの日時・場所、状況、参加者の写真のほか個人が送ったはがきの内容なども記録されている。
「情報資料について」は東北方面情報保全隊長が作成し、中央の情報保全隊長や他の四方面の情報保全隊長などに配布。イラク派遣反対運動や平和運動だけでなく「医療費負担増の凍結・見直し」「年金改悪反対」「消費税増税反対」などの運動も記録。民主党の増子輝彦衆院議員(当時、現参院議員)が自衛隊の後援団体の新年会で「派遣に反対」とあいさつしたことが「反自衛隊活動」と記載されていた。
報道関係では、駐屯地司令らと報道各社支局長との懇親会で、自衛隊の情報収集能力や訓練内容、兵器の性能などの質問が出たことを質問者の実名入りで記載。また、岩手駐屯地からの派遣人数や時期についての電話確認や、青森駐屯地正門前で退庁する隊員に対し行われた取材を「反自衛隊活動」と記していた。
情報保全隊
[西日本新聞 ワードBOX]自衛隊が持つ秘密情報を守るため、陸海空3自衛隊にそれぞれ編成されている部隊。いずれも防衛相直轄で要員は計約9百人。任務は自衛隊法施行令に基づく各自衛隊の訓令で規定されており、隊員と外部の不審者との接触などを監視する。自衛隊施設に対する襲撃などを防ぐための情報収集も含まれるが、民間の情報収集対象については、防衛庁長官(当時)が「防衛秘密を取り扱う者として指定をした関係者に限定」と明言した国会答弁がある。海自幹部によるロシアへの機密漏えい事件などを受け、それまでの調査隊を再編・強化し2003年3月に発足した。
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