OECDが、日本の公的年金の給付水準は現役時代の39%との試算結果を発表。この数字は、OECD主要7カ国で最低、加盟30カ国でも下位であることが明らかに。
公的年金給付水準、日本は主要7カ国中最低・OECD試算(NIKKEI NET)
公的年金給付水準、日本は主要7カ国中最低・OECD試算
[NIKKEI NET 2007/6/11 22:22]現役時代の収入と比べた公的年金の給付水準は、日本の単身男性は4割と主要国で最低であることが経済協力開発機構(OECD)の試算で分かった。高齢化を映して公的年金の伸びは今後も抑えられる。OECDは私的年金の拡充などで老後所得を補う必要性を強調している。
OECDは各国の年金の給付水準を比較しやすくするため、平均収入のある男性を例にとり、老後に現役時収入の何%の年金を受け取るかを試算した。日本の比率は39%で主要7カ国では最低。全加盟国の中で日本を下回るのはアイルランドなどしかない。
日本の比率を平均並みに高めるには計算上、2004年で13.9%の保険料率をすぐに20%に上げる必要がある。OECDは給付開始年齢の引き上げなど制度を柔軟に見直すべきだと指摘している。(パリ=野見山祐史)
保険料率を20%にあげる必要があるというのは、たんなる計算の問題。フランスなどは、企業負担の割合がもっと大きくなっているし、税金などによる負担部分をどうするかという問題もある。
それにしてもNIKKEI NET上の記事が入れ替わっていますねぇ。(時間はどちらも22:22で同じなんですが)。古い記事はこうなっていました。
公的年金給付水準、日本は主要7カ国中最低・OECD試算
[NIKKEI NET 2007/6/11 22:22]現役時代の収入と比べた公的年金の給付水準は、日本の単身男性は4割と主要国で最低であることが経済協力開発機構(OECD)の試算で分かった。高齢化を映して公的年金の伸びは今後も抑えられる。OECDは個人年金保険など私的年金の拡充で老後所得を補う選択肢を増やすべきだと強調している。
OECDは各国の公的年金制度を元に、平均収入のある男性が老後に現役時収入の何%の年金を受け取るかを試算した。日本の比率は39%で主要7カ国では最低。OECD加盟全30カ国でみても、日本を下回るのはメキシコとトルコだけしかない。
フランス、イタリアなど欧州諸国の比率は高く、英米など民間保険への依存が高い国は低い傾向が現れた。若年層が多いギリシャなど100%を超す国もあり、OECD加盟国の平均は70%だった。(パリ=野見山祐史)
日本を下回る国がメキシコとトルコしかないとなっていたのが、アイルランドも入ってきて、混乱している様子。
また、OECD加盟国の平均では、給付水準が現役世代の70%となっていて、まあ、だいたいこのあたりが世界的な標準というところでしょうか。
↓これが、OECDのその資料らしい。タイトル部分をクリックするとExcelの表が表示されます(ダウンロードしてから見た方が見やすいと思いますが)。
Pensions at a Glance 2007: how does your country compare? A selection of indicators
で、↓こっちが日経の記事がもとにしたデータ。
国名 | 公的年金の純給付水準*(%) |
ギリシャ | 110.1 |
トルコ | 104.0 |
ハンガリー | 102.2 |
オランダ | 96.8 |
ルクセンブルク | 96.2 |
オーストリア | 90.9 |
デンマーク | 86.7 |
スペイン | 84.5 |
アイスランド | 84.2 |
イタリア | 77.9 |
ポーランド | 74.9 |
スロヴァキア | 72.9 |
韓国 | 71.8 |
ノルウェー | 69.3 |
ポルトガル | 69.2 |
フィンランド | 68.8 |
チェコ | 64.4 |
スイス | 64.3 |
スウェーデン | 64.0 |
フランス | 63.1 |
ベルギー | 63.0 |
ドイツ | 58.0 |
カナダ | 57.4 |
オーストラリア | 56.4 |
アメリカ | 52.4 |
ニュージーランド | 41.7 |
イギリス | 41.1 |
日本 | 39.2 |
アイルランド | 38.5 |
メキシコ | 38.3 |
*公的年金の給付水準は、年金受取額が退職前の収入の何%になるかという割合(いずれも税・社会保険料負担を差し引いたあとの手取り額で比較)。