フランスの政治はどこへ向かうか

メディアでは、サルコジ圧勝と言っていますが、得票率でみると、大統領選挙では約30%、総選挙でも約40%。しかし、フランスの国会(国民議会)議員選挙は、完全小選挙区・2回投票制なので、得票率の差以上に議席の差が大きく出ます。また、最終的な議席数は第2回投票にむけての各党の選挙協力によっても変わってきます。だから、実際の各政党の力量を比べるには、得票率をみるのが一番。

大統領選挙第1回投票の投票結果

投票総数  3726万0798票(投票率 83.78%)
有効投票  3672万4845票(有効投票率 98.56%)

順位 候補者名(党派) 得票 得票率
1 サルコジ(国民運動連合) 1145万0302票 31.18%
2 ロワイヤル(社会党) 950万1295票 25.87%
3 バイル(フランス民主連合) 682万0914票 18.57%
4 ルペン(国民戦線) 383万5029票 10.44%
5 ブザンスノー(革命的共産主義者同盟=LCR=トロツキスト) 149万8835票 4.08%
6 ドビリエ(「フランスのための運動」=右派) 81万8704票 2.23%
7 ビュフェ(共産党) 70万7327票 1.93%
8 ボワネ(緑の党) 57万6758票 1.57%
9 ラギエ(「労働者の闘争」=トロツキスト) 48万8119票 1.33%
10 ボベ(「ボベ・キャンペーン委員会」=反グローバリズム) 48万3076票 1.32%
11 ニウー(「狩猟・釣り・自然・伝統」=右派) 42万0775票 1.15%
12 シバルディ(ランベール派=トロツキスト) 12万3711票 0.34%

国民議会(下院)総選挙 第1回投票結果(6月10日投票)

主な党の得票率は、以下のとおり。

国民運動連合(UMP=サルコジ派) 39.54%
社会党 24.73%
民主運動(MODEM)* 7.61%
国民戦線 4.29%
共産党(PCF) 4.29%

*フランス民主連合は、大統領選挙後、バイル氏率いる「民主運動」とモラン元国防相の新党「新中道」とに分裂。

フランス国民議会(下院)選挙第1回投票の最終結果=内務省 | Reuters.co.jp

フランス国民議会(下院)選挙第1回投票の最終結果=内務省
[ロイター 2007年 06月 11日 月曜日 09:42 JST]

 [パリ 11日 ロイター] 仏内務省が発表した同国国民議会(下院)選挙の第1回投票の開票結果は以下の通り。

投票者数および投票率 26,524,983 60.24%
棄権者数および棄権率 17,363,796 39.56%
有効票 26,023,052 59.29%

政党 議席 得票率(%)
国民運動連合(UMP) 93 39.54
For a Presidential Majority 8 2.37
フランスのための運動 1 1.20
Affiliated Rightists 2 2.47
社会党 1 24.73
フランス民主連合(UDF) 7.61
国民戦線 4.29
フランス共産党 4.29
Extreme Left 3.41
緑の党 3.25
合計 105*

*第1回投票で獲得されなかった議席については6月17日の第2回投票で決定される。

<07仏大統領選挙>左派乱立と支持層喪失で苦戦する共産党候補 – フランス AFPBB News

<07仏大統領選挙>左派乱立と支持層喪失で苦戦する共産党候補 – フランス
[AFPBB News 2007年04月02日 16:39 発信地:フランス]

 【パリ/フランス 1日 AFP】大統領選挙の投票日を3週間後に控えた1日、フランス共産党(PCF)はパリのベルシー・スタジアム(Bercy)で選挙集会を開き、同党から出馬するマリジョルジュ・ビュフェ(Marie-George Buffet)議長(57)が演説した。集まった1万2000人の支持者らは、自由市場に歯止めをかけることを誓い気勢を上げた。
 だが世論調査では、ビュフェ議長の支持率は同党の過去の候補者と比べても最低で、選挙戦の見通しは今までになく厳しい。
 ビュフェ議長は、企業収益という「隠された財産」から数十億ドルを国家社会福祉に再配分する政策案を表明。「株主に権限を与えるのは、わたしの求める共和国のあり方ではない」と述べた。
 議長が「フランスにはまだ、戦いをあきらめていない左派の人々がいる」と宣言すると、真っ赤な旗を振り、革命家チェ・ゲバラ(Che Guevara)の横断幕を掲げた支持者らから、歓声が上がった。
 「わたしが愛するフランスは永久に、社会発展のために奮闘するのは時代遅れだという発想を受け入れない」
 しかし、労働者階級の多くは現在、極右政党「国民戦線(FN)」のジャンマリ・ルペン(Jean-Marie Le Pen)党首の支持に回っており、ビュフェ議長は苦戦を強いられている。

■左派候補乱立で共産党は苦しい立場に

 世論調査では、ビュフェ議長の予想得票率は、わずか2.0%で、2002年の大統領選でRobert Hue前PCF議長が獲得した3.37%を下回る。1981年に、ジョルジュ・マルシェ(George Marchais)議長(当時)が15%以上を獲得した時とは、天と地の差だ。
 ビュフェ議長にとってさらに不利なことに、彼女より若くエネルギッシュで雄弁な「革命的共産主義同盟(LCR)」のオリビエ・ブザンスノ(Olivier Besancenot)候補(32)が、左派有権者の支持を集めている。
 ブザンスノ候補の予想得票率は5%弱。同じく革命主義を掲げる「労働者の戦い(LO)」のアルレット・ラギエ(Arlette Laguiller)候補は2%未満、反グローバリゼーション活動家、 ジョゼ・ボベ(Jose Bove)候補は1%となっている。
 今回の大統領選挙は、フランス社会党(PS)のセゴレーヌ・ロワイヤル(Segolene Royal)氏を含め、左派候補7人が乱立し、1991年のソ連崩壊以来、左派政党が弱体化の一途をたどる欧州では異例の展開となっている。
 こうした中、ビュフェ議長にとっては、仏選挙法が選挙資金の全額返還の条件とする得票率5%を超えられるかどうかが、選挙戦の鍵となっている。
 写真は1日、パリのベルシー・スタジアムで、支持者らの声援に手を振って応えるビュフェ議長(中央)。(c)AFP/STEPHANE DE SAKUTIN

Related Articls:

フランスの政治はどこへ向かうか」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: 村野瀬玲奈の秘書課広報室

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください