1つ1つの文や言葉、言い回しに拘って、マルクスはここで何を言いたいのかを考えながらを考えながら、『資本論』第2部を頭から読み直すことを始め、とりあえず第1篇を読み終わりました。(読んでいるのは、新日本出版社の新書版『資本論』第5分冊)
このまえの「余分な剰余労働」と「労働力の価格の再生産」という、ちょっと疑問な表現にぶつかったのも、この作業の中でです。
でもそうやって、一文、一語に拘って読んでみると、いままで気がつかなかったマルクスの“論の運び”が見えてきたりして、なかなか面白いのです。引き続き、第6分冊を精読することにします。(^_^;)
『資本論』第2部、第3部は、マルクスの草稿からつくられたものなので、ある意味、文章が最後まで推敲され、完成されてはいません。「しかし」「しかし」と、逆接を重ねて文章がつながっていたり、話の本筋と関係のない覚え書みたいなものが延々と書かれていたり。それだけに、“いま、マルクスは何を問題にしているのか”に意識を集中していないと、ほんとにすぐ訳が分からなくなってしまいます。
で、あらためてこうやって読んでみると、新日本訳は、いろいろ翻訳に工夫はしているのだろうけれども、ちょっと意味がとりにくいところもあると思いました。そういうところは、独文をみると実はそんなに難しくなかったりします。といっても、僕の独語力では理解不能な独文もあるので、そういうときは他の邦訳や英語版を参照しています。