ヒル米国務次官補が国務省で記者会見し、朝鮮半島の恒久的和平体制をめざす地域機構の創設を提案。同機構には、米、中、韓国、北朝鮮の4カ国が参加することに。
関係国が着々と地域的安全保障体制づくりで話を進めようとしているときに、日本は“強硬一本槍”で、平和の体制づくりのための用意なし。アメリカにほっぽらかされ、置いてけぼりになったかっこうです。
朝鮮半島和平、米・中・韓・北で4か国会合…ヒル次官補(読売新聞)
朝鮮半島和平、米・中・韓・北で4か国会合…ヒル次官補
[2007年6月26日13時53分 読売新聞]【ワシントン=坂元隆】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米首席代表、クリストファー・ヒル国務次官補は25日、国務省で記者会見し、7月末にも開催される見通しの6か国協議外相会議で、朝鮮戦争の休戦協定に代わる朝鮮半島の恒久的和平体制を目指す機構の創設を検討するよう求めた。
機構には、米国、中国、韓国、北朝鮮の4か国が参加し、戦争の直接当事者でなかった日本とロシアは加わらない。また、6か国すべてが参加する「北東アジア安全保障対話フォーラム」の設置も6か国協議外相会議で協議するよう提案した。
ヒル次官補は21?22日に訪朝した際に北朝鮮側に提案を説明し、原則的な支持を得たという。
6か国協議参加国は2005年9月、北東アジアの「恒久的な平和体制」について、朝鮮戦争を戦った南北朝鮮と米国、中国の「直接の当事者」が協議することで合意している。だが、4者のメカニズムが今後軌道に乗れば、6か国協議から事実上独立した形で動く可能性があり、朝鮮半島の和平問題で日本やロシアが置き去りにされる可能性も出てくる。
ヒル次官補は会見で、北朝鮮による寧辺の核施設の停止・封印など、核放棄に向けた初期段階措置の実施が始まれば、6か国協議の首席代表会合を7月10日ごろ、外相会議を8月2日にマニラで行われる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の前後に開催できるとの見通しを示した。そのうえで、「外相会議では、北東アジアの(安全保障の)枠組み作りが始められることを望む」と述べ、朝鮮半島の恒久的和平体制と北東アジア全体の安全保障に関する2協議体の創設が提案され、年内に発足できるよう期待感を表明した。
一方、ヒル次官補は、今後の6か国協議では初期段階措置の完了を前提に、核施設の無能力化やすべての核計画の申告などから成る「次の段階」の措置を議論すべきだと主張し、半島和平の協議機構の創設などと同様、年内に「次の段階」を終了させることを目指すと強調した。「次の段階」では、高濃縮ウランによる核開発計画を北朝鮮が認めるかどうかが焦点となるが、ヒル次官補によると、訪朝の際、北朝鮮は問題解決に前向きの姿勢を示したという。
これにたいし、安倍首相は、「強い不快感」を表わすだけ。
首相、米中韓朝会合に強い不快感を表明
[2007年6月27日14時18分 読売新聞]安倍首相は27日昼、都内のニッポン放送で行われたラジオ番組の収録で、演出家のテリー伊藤さんと対談した。
首相は、北朝鮮の核問題について、「日本が外れた6か国協議はありえない。(北朝鮮は)いろいろな策謀をめぐらして、日米、日中の分断を図ってくるが、彼らの策謀にはまってはいけない」と厳しく指摘した。
6か国協議参加国のうち米国、中国、韓国、北朝鮮の4か国が、朝鮮戦争の休戦協定に代わる朝鮮半島の恒久的和平体制を協議する会合を開こうとしていることに強い不快感を表明したものだ。会合開催の検討は、6か国協議の米首席代表、クリストファー・ヒル国務次官補が表明した。
そりゃまあそうで、ついこないだには、麻生さんはこんなこと言ってました。
米朝接近に警戒感 ヒル氏訪朝「時期尚早」
[熊本日日新聞 2007年6月23日 19:02]政府は23日、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補から北朝鮮高官との協議結果について説明を受けたが、北朝鮮への譲歩とも受け取られかねない米朝の接近ぶりに「北朝鮮ペースで交渉が進む恐れがある」(外務省幹部)と警戒感を強めている。
ヒル氏は日本側首席代表の佐々江賢一郎外務省アジア大洋州局長との会談後に記者会見し「北朝鮮の核施設の無能力化などに向け、良い議論ができた」と強調した。
だが、政府内には非核化に向けた具体的な行動が伴わないまま北朝鮮との対話を急いだ米国の対応を疑問視する見方も根強い。麻生太郎外相は22日の記者会見で「ヒル氏が北朝鮮に焦って行ったことで足元を見られかねない」と不快感を隠さず、外務省幹部は「北朝鮮が新たな条件を突き付けてくる可能性があり、訪朝は時期尚早だった」と批判的だ。