記者会見の頭で、いちおう被爆者などに謝っているようにも読めるけれども、要は、参院選を前に「不用意な発言をした」ことを反省しているというだけ。原爆投下は「しょうがなかった」かどうかについては、何も反省していません。こんな辞め方をしても「しょうがない」です。
久間防衛相が辞任 原爆発言で引責 参院選影響に配慮(東京新聞)
久間氏、一問一答 辞任記者会見(北海道新聞)
ところで、後任の防衛大臣には小池百合子氏が!! 「初の女性防衛大臣」などと言われていますが、それよりも、小池百合子氏は、「歴史教科書問題を考える会」役員、「日本会議国会議員懇談会」副幹事長というバリバリの「靖国派」です。
結局、非「靖国派」の久間氏をうまい具合に辞めさせて、まんまと「靖国派」で防衛大臣も独占した訳です。
新防衛相に小池氏 久間氏辞任、野党は任命責任追及(東京新聞)
久間防衛相が辞任 原爆発言で引責 参院選影響に配慮
[東京新聞 2007年7月3日 夕刊]久間章生防衛相は3日午後、首相官邸に安倍晋三首相を訪ね、広島、長崎への原爆投下について「しょうがない」と発言した責任をとり、辞意を表明した。首相も了承した。安倍政権の閣僚が辞任するのは、昨年末の佐田玄一郎行革担当相に次いで2人目。29日投票の参院選を目前に、安倍政権には大きな打撃になった。
久間氏は首相との会談後、記者団に「なかなか理解を得られていないようだから、『けじめをつけないといけない』と申し上げ、了承された。首相は『残念だ』と言っていたが、慰留はされなかった」と述べた。
首相は当初、久間氏を更迭しない考えだったが、参院選への影響を懸念する与党からも辞任論が高まったことから、辞意を受け入れることにした。
これに先立ち、公明党の浜四津敏子代表代行は3日、「久間氏は自覚して、自身の身の処し方を決めてほしい」と述べ、自発的辞任が必要との考えを示していた。
一方、長崎市の田上富久市長は3日午前、防衛省に久間氏を訪ね、抗議した。田上氏は「原爆投下の正当化とも受け取れる発言は、被爆者の心情を踏みにじるもので、被爆地長崎としては看過できない。被爆者への配慮を欠いた発言であり、(久間氏は)長崎県選出議員であるだけに誠に遺憾だ」という内容の抗議文を久間氏に手渡した。
これに対し、久間氏は「長崎市民、県民だけでなく全国の被爆者の方に今回の発言で本当にご迷惑をかけた。今後は発言に注意したい」と陳謝。長崎で8月9日に行われる平和祈念式典に久間氏が出席することに被爆者団体が反対していることについて、久間氏は「混乱が生じるようなら出席を辞退したい」と述べた。
安倍首相は午前の閣僚懇談会で「各閣僚はいろんな言動に気を付けて、緊張感を持って対処してもらいたい」と全閣僚に注意した。
久間氏、一問一答 辞任記者会見
[北海道新聞 07/03 20:27]久間章生防衛相の辞任記者会見の一問一答は次の通り。
「不用意な発言をして反省している。全国の被爆者、後遺症で苦しんでいる方々を軽んじたようにとられた節もあり、そういう人たちの心情を思うと申し訳ない」
「今度の選挙で私が足を引っ張るようなことになっては申し訳ない。安倍晋三首相にマイナスにならないように、既にマイナスになったかもしれないが、身を引く決意をした」
?決断した時期は。
「午前中あたりから与党として困っていると感じ始めた」
?長崎市の田上富久市長と会談した時には辞任を決めていたのか。
「その段階では決断していなかった」
?市長との会談がきっかけになったのか。
「そうでもないが、長崎県内での参院選の状況を質問し、プラスではないという感じは受けた」
?今回の発言は説明しきる自信があったのか。
「説明すれば分かってもらえるという自信があったが、新聞報道をみて言い方がまずかったと思った」
?これまでにも問題発言があったが。
「私は語彙が少ないし、脇が甘いのかもしれない。言葉を選びながら言う責務があった」
?辞任後の心境は。
「ある意味ではほっとしている。これで選挙が戦えるという気持ちがある」
新防衛相に小池氏 久間氏辞任、野党は任命責任追及
[東京新聞 2007年7月3日 20時15分]安倍晋三首相は3日午後、先の大戦での原爆投下をめぐる発言の責任を取り辞任した久間章生防衛相(66)の後任に小池百合子首相補佐官(54)を充てることを決めた。塩崎恭久官房長官が記者会見で発表した。小池新防衛相の認証式は皇居で4日午後2時から行われる。女性の防衛相就任は防衛庁時代も含めて初めて。
首相は、速やかに後任人事を決めたことで、29日投開票の参院選への影響や政権への打撃を最小限に抑えたい考え。これに対し野党各党は引き続き首相の任命責任や、久間氏をかばい罷免しなかった責任を追及する方針。民主、社民、国民新の3党は3日午後の幹事長会談で予算委員会など衆参両院の関係委員会を開くよう求めていくことで一致した。
塩崎氏は会見で小池氏起用の理由について「安全保障問題に精通し、担当補佐官として世界各国の安保関係者と人脈を広げ、首相を補佐する責務を果たしてきた」と、実績を強調した。小池氏の後任の首相補佐官は当面置かないことを明らかにした。
一方、久間氏の辞任については「本人の決断だ。今回は本人の希望に応じた」と述べ、久間氏の自発的な判断を首相が尊重した結果との認識を示した。
小池氏は衆院東京10区選出。2003年9月、小泉再改造内閣で環境相に就任し、04年9月の第2次小泉改造内閣から沖縄北方担当相を兼務。昨年9月の安倍政権発足で国家安全保障問題担当の首相補佐官に就任した。衆院当選5回、参院1回。自民党町村派。(共同)
↓教科書ネット21の俵義文さんの調査によると、小池百合子氏は、「日本会議国会議員懇談会」副幹事長、「歴史教科書問題を考える会」、「憲法調査推進議員連盟」、「みんなで靖国神社に参拝する会」、「拉致議連」のメンバーです。
久間氏が、松岡農水大臣と違って、さっさと辞任に追い込まれたのは、久間氏が非「靖国派」だったからだとしか考えられません。
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