またも事務所費問題 赤城農相が実体のない事務所費を計上

「ナントカ還元水」で自殺した松岡農水相に代わって、農水相になったばかりの赤城徳彦大臣。

実家を後援会の事務所として届け出て、10年間で9000万円の家賃や光熱水費を計上しているが、事務所として使用した実体がないことが判明。実家に住む母親は、「家賃や光熱水費を受け取ったことはない」と証言しています。

赤城農相の政治団体、親族宅を事務所に経費計上・実体なく(日経新聞)
赤城農相の政治団体、実家を事務所と経費計上(読売新聞)
実体ない事務所経費計上 赤城農相関連の政治団体(中国新聞)
「家賃受け取ってない」=事務所費問題で農水相の母?茨城(時事通信)

赤城農相の政治団体、親族宅を事務所に経費計上・実体なく
[NIKKEI NET 2007/07/07 07:00]

 赤城徳彦農相(衆院茨城1区)の政治団体「赤城徳彦後援会」が親族宅を事務所の所在地として届け、毎年多額の経常経費を計上していたことが6日、分かった。人件費や事務所費、光熱水費などの合計は2005年までの10年間で約9000万円に上る。政治団体の代表者は「事務所として使っていなかった」と実体がなかったことを証言した。
 家賃などにあたる事務所費は計約1630万円を計上しているが、同農相の事務所は「家賃は発生していない」と親族宅の家賃を支払っていないことを認めている。

赤城農相の政治団体、実家を事務所と経費計上
[2007年7月7日13時48分 読売新聞]

 赤城徳彦農相(衆院茨城1区)の政治団体「赤城徳彦後援会」が茨城県内の両親の住む実家を、事務所としての実態がないのに「主たる事務所」として、県選管に届けていたことが7日、分かった。
 同後援会はこうした届け出を少なくとも2003年から続けているが、実家に住む母親は、「家賃や光熱費などは受け取っていなかった。私設秘書や事務員は選挙前には来るが、常駐はしていない」と話している。また、同後援会は03年から3年間に計約1227万円の経常経費を計上していた。
 後援会の政治資金収支報告書によると、主たる事務所の住所は茨城県筑西市赤浜となっており、実家の2階建て住宅がある。後援会の連絡先として水戸市内の住所の記載もあるが、赤城農相が代表を務める自民党茨城県第1選挙区支部と同じになっている。収支報告書によると、後援会の経常経費のうち、家賃などを含む事務所費は3年間で計約526万円に上る。
 経常経費はこのほか、人件費約223万円、光熱水費約106万円、備品消耗品費約373万円。経常経費は3年間で大きく変動していた。
 同後援会は1996?2005年の10年間では計約9000万円の経常経費を計上している。
 赤城農相の祖父は元農相の赤城宗徳氏で、報告書で同後援会の代表者として記載されている元茨城県議の男性は、「今の徳彦氏の代になってからは事務所として使われてはいない」と話した。
 赤城農相は1990年の衆院選で初当選し、当選6回。自殺した松岡利勝・前農相の後任として6月に就任した。
 赤城農相は7日午前、報道陣の質問には一切答えず、東京の衆院第1議員会館にある事務所は、会館職員を通じた取材の申し込みに「忙しいので対応できない」と答えた。

実体ない事務所経費計上 赤城農相関連の政治団体
[中国新聞 2007/7/7]

 赤城徳彦農相(衆院茨城1区)に関係する政治団体「赤城徳彦後援会」が、茨城県筑西市の両親が住んでいる実家を主たる事務所として県選挙管理委員会に届け、一九九八年―二〇〇五年の八年間に計約七千六百万円の経常経費を計上していたことが七日、分かった。
 赤城農相の父親は同日、共同通信の取材に「家賃をもらっておらず、事務所として使ったことはない」と話した。
 事務所費をめぐっては、佐田玄一郎前行政改革担当相の政治団体が架空事務所費を計上していたことが発覚し、昨年十二月に辞任。松岡利勝前農相も不透明な光熱水費について国会で追及されていた。赤城農相は自殺した松岡前農相の後任として六月に就任した。
 久間章生前防衛相が原爆投下をめぐる失言で引責辞任したばかりで、赤城農相の事務所費問題は参院選にも影響を与える可能性がある。
 県選管に提出された政治資金収支報告書によると、後援会事務所は茨城県筑西市赤浜の住宅。判明している経常経費の内訳は、〇三年から三年間では、家賃に当たる事務所費が計約五百三十万円、人件費が同二百二十万円、光熱水費が同百十万円、備品・消耗品費が同三百七十万円だった。
 父親は「事務所として登録されていたことは全く知らなかった。常駐のスタッフはおらず、選挙中も活動はない」と語った。
 後援会の代表として報告書に記載されている元県議も「(事務所としての使用は)聞いたことがなく、実体はない」と話している。
 赤城農相は六月にも、林業団体からの寄付金などが報告書に記載されていなかったことが発覚している。一九九〇年に初当選。当選六回。

「家賃受け取ってない」=事務所費問題で農水相の母?茨城
[時事通信 2007/07/07-16:13]

 赤城徳彦農水相の政治団体が、茨城県筑西市の同相の実家を事務所の所在地として届け出ていたことについて、同相の母親は7日午後、取材に対し、「家賃や光熱費は受け取っていない。秘書などはおらず、わたしたち(夫婦)が住んでいるだけ」と話し、事務所としての実体がないことを明らかにした。
 母親は、農水相が農水省を辞め、選挙に出馬する際に、実家を事務所としたと説明。しかし、「選挙の際には水戸の事務所が中心で、ここを使って活動はしていなかった。ここが(政治資金収支)報告書に記載されていることも知らなかった」と語った。

以下、追加。

赤城農相:事務所費問題 不透明な「四つの財布」(毎日新聞)
赤城農相:事務所費問題 会見の一問一答(毎日新聞)
赤城農相:事務所費 首相は問題ないとの認識、野党反発(毎日新聞)

↓毎日新聞によると、赤城農水相関連の政治団体は<1>「徳友会」<2>「徳政会」<3>「赤城徳彦後援会」<4>「自民党茨城県第1選挙区支部」の4つ。

で、<1>は所在地は議員事務所。で、なぜか事務所費が年間19万円?1017万円まで大幅に変動。他方で、備品・消耗品費がゼロの年もあって、本当に活動しているかどうか不明。<2>は、奥さんの実家にあるはずなのだが、活動実態なし。にもかかわらず毎年130万円ほどの経常経費の支出がある。<3>が、両親がすむ実家におかれている後援会。すでに報道の通り、まったく実態なし。にもかかわらず、10年間で9000万円の事務所経費。<4>だけが、ちゃんと公表されているらしい。

ということで、4つのうち3つは失格ですな、こりゃ。

赤城農相:事務所費問題 不透明な「四つの財布」
[毎日新聞 2007年7月7日 22時15分]

 政治団体の事務所経費の不透明さが発覚した赤城徳彦農相。「徳友会」「徳政会」「赤城徳彦後援会」「自民党茨城県第1選挙区支部」の四つの政治団体があり財布を四つ持つ形だが、そのうち三つの団体で不自然な政治資金の支出が指摘された。農相の説明責任が問われている。
 まず資金管理団体の「徳友会」。永田町の議員会館を所在地とし、家賃や水道代は無料のはずなのに、19万?1017万円と事務所費が激しく変動。一方で備品・消耗品費がゼロの年もある。「備品・消耗品がゼロなら、事実上の休眠団体」(国会議員秘書)とされるが、徳友会はその間も政治資金パーティーを開くなど活動していた。
 徳政会の事務所所在地は赤城農相の妻の実家だが、代表者は「ここ10年くらいはほとんど活動していない」と話す。しかしその間、毎年130万円前後の経常経費を支出。財源は代表者による年間120万円の寄付となっている。03年には赤城徳彦後援会に150万円を寄付している。
 赤城徳彦後援会は両親の家が事務所となっているが、この10年間、事務所費だけで約1631万円を計上した。だが、父親は「私は全く知らない」。代表者も「名前を使われていることは一切知らなかった」と証言する。
 自民党茨城県第1選挙区支部は水戸市のビルにあり、赤城農相の地元事務所という位置付けだ。政党交付金が支給されているため、交付金分の収支は「家賃15万7500円」など、比較的詳細に公表されている。

 ◇農相釈明「いろんな形態が」

 国会議員の「事務所費」を巡る疑惑が次々と明らかになる。赤城徳彦農相は7日に緊急会見し、「事務所と言ってもいろんな形態がある」「どうしてああいう報道になるのか分からない」と述べ、疑惑を否定した。繰り返される政治家の釈明。安倍晋三首相は国会の会期を延長して政治資金規正法を改正したが、「ザル法」との指摘も強い。「政治とカネ」の闇は深まるばかりだ。
 赤城農相はこの日午前中から地元の茨城県に戻り、支持者らと会った。事務所費などの不透明な支出を指摘する報道が相次いで、夕方になって農水省で緊急会見、釈明した。
 これまで党首クラスを含めて、与野党を問わず、多くの国会議員たちが事務所費の実態を疑問視されてきた。
 疑惑を報道などで指摘されると、多くの議員が「法律に従って処理している」などと正当性を主張してきた。しつこく追及されて、記者会見に応じたケースでも、詳細を積極的に明らかにすることはほとんどない。
 「秘書が処理している」と秘書を盾にして追及をかわし続けることも多い。また、伊吹文明文部科学相や小沢一郎民主党代表らは、政治資金規正法の問題点や解釈の不統一さを指摘している。

赤城農相:事務所費問題 会見の一問一答
[毎日新聞 2007年7月7日 20時58分 (最終更新時間 7月7日 21時43分)]

 赤城農相が7日、記者会見で語った内容の要旨は次の通り。

 ――(政治団体の)経費として支出が多すぎるのでは。
 ◆電話代とか切手代とか、いろいろと積み上げた結果。後援会活動をしっかりやっています。まさに活動の拠点で、象徴的な場所。
 ――代表者が、自分が代表と知らなかったと話しているが。
 ◆代表になってもらう時に了解を得ているし、後援会活動の中心になってもらっている。
 ――進退問題に発展しないか。
 ◆今の報告通りで、架空のものを付け替えたりとかはなく、間違いなくやっていると思います。どうしてああいう報道になるか分からない。
 ――「徳政会」という政治団体を妻の実家に置いているが。
 ◆親族や友人からの寄付の受け皿として、活動の実態がある。
 ――今後改めて説明する考えはあるか。
 ◆活動を実際してきているので、これからも後援会の主たる事務所で良いのかなと思っている。

問題は、安倍首相のこの発言↓。1つは、赤城農水相から「詳しく説明された」として、是認・了解したこと。もう1つは、任命するときに「ちゃんと見ています」と答えていること。

ということは、任命するときにちゃんと見たにもかかわらず、こういう問題が起こった訳で、ますます任命責任重大です。

赤城農相:事務所費 首相は問題ないとの認識、野党反発
[毎日新聞 2007年7月7日 21時14分 (最終更新時間 7月7日 21時20分)]

 赤城徳彦農相の事務所費問題について、安倍晋三首相は7日、「農相はしっかり説明した」と述べ、問題はないとの認識を示した。一方、野党各党は「自らの犯したことをしっかり反省するならば職を辞するべきだ」(鳩山由紀夫民主党幹事長)などと一斉に辞任を要求。野党側は、赤城農相が不明朗な事務所費問題を指摘された松岡利勝前農相の後任であることを重視し、首相の任命責任を厳しく追及する方針だ。
 野党側が農相の辞任を求めていることに関し、首相は「そういう問題ではない」と拒否。政治団体の不正経理疑惑で辞任した佐田玄一郎前行政改革担当相との比較については「(佐田氏のケースとは)違う」と明言した。首相公邸前で記者団の質問に答えた。
 ただ、与党内からは久間章生前防衛相が原爆投下に関する発言で4日引責辞任したのに続き、閣僚の新たな「政治とカネ」の問題について不満の声が相次いだ。公明党幹部は7日、毎日新聞の取材に「事実なら赤城氏も農相を辞めなければならない。与党として(農相を)守れるかどうか分からない」と強調した。
 与党は、通常国会で資金管理団体の5万円以上の経常経費(人件費を除く)に領収書添付を義務付ける改正政治資金規正法を成立させた直後だけに、再び同様の問題が起きれば「ザル法」との批判も強まりそうだ。現職閣僚の一人も「金額が大きすぎる。謝罪するしかない」と述べ、早期決着を求めた。
 これに対し、民主党の小沢一郎代表は7日、名古屋市内で記者団に「松岡前農相が何も語らず自殺の道を選ばざるを得なかったが、後任の方も政治資金について全く説明ができない状況。これでは国民の皆さんの信頼を得ることはできない」と批判。共産党の市田忠義書記局長も記者団に「(辞任した)佐田氏と同じ問題。首相は罷免すべきだ」と強調した。【竹島一登、山田夢留】

 ◇赤城農相問題について、安倍首相が7日、記者団に語った内容の要旨は次の通り。

 ――首相の認識は。
 ◆秘書を通じしっかり説明するよう指示した。赤城さんから詳しく説明されたと聞いている。
 ――野党は農相の辞任を求めているが。
 ◆まあ、そういう問題じゃないでしょう。
 ――問題はないと。
 ◆しっかりと説明されたと聞いている。
 ――(事務所費問題で引責辞任した)佐田前行革担当相のケースとは違うか。
 ◆違いますね。
 ――任命するにあたり、注意しなかったのか。
 ◆もちろんちゃんと見ていますよ。
 ――危機管理として問題はなかったか。
 ◆3年間保存を義務づけられた分はしっかりと説明したとみている。

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