東京新聞、「2大政党」中心の選挙テレビ報道に物申す!

選挙を前に、安倍首相と小沢一郎・民主党代表だけしか出席しない党首討論…。これって、おかしいと思いませんか? 今日の「東京新聞」の「放送芸能」欄に、こんなテレビ報道のあり方にたいして、「これって公平?」と疑問を突きつける記事を大きく掲載しました。

とくに注目されるのは、メディア総合研究所所長の須藤春夫・法政大教授のコメント。「単独出演や二大政党に限るのは問題がある。公平性を問題にしないで、二大政党制論が暗黙の合意になってしまっている」と指摘し、2大政党に限るような報道は問題ありと指摘しています。

「二大政党中心」「安倍首相の単独出演」 これって公平?参院選報道(東京新聞)

「二大政党中心」「安倍首相の単独出演」 これって公平?参院選報道
[東京新聞 2007年7月12日 朝刊]

 12日公示の参議院選挙のテレビ報道をめぐり、二大政党中心の内容や安倍晋三首相の単独出演に対し、政治的公平性を定めた放送法の趣旨に反するとして、少数政党から反発の声があがっている。有権者の判断に大きな影響を及ぼすテレビだが、選挙報道における公平性はどう担保されるのか。(近藤晶)

 共産党は今月2日、放送法が定める「不偏不党」「政治的公平」の原則から逸脱しているとして、各党応分の出演時間を設けるよう、NHKに是正措置の検討を申し入れた。先月29日の段階で、すでに事実上の選挙戦に突入した状況にあるとして、NHKと民放各局、在京ラジオ3局に対して公平な報道を求めたにもかかわらず、NHKが今月1日夜、21世紀臨調主催の自民・民主の党首会談を放送したためだ。
 NHK広報局は同番組について「今国会での党首討論は2回しかなく、両党首の直接対決を報道することは国民の知る権利に応えるもの」と説明、公平性に問題はないとの認識を示しているが、共産党の植木俊雄広報部長は「自民か民主かといった政権選択の選挙という枠組みでの報道が少なくない。時間的に極めて不公平な状況は否めない。少数政党を切り捨てる報道は選挙をゆがめることになる」と不満をあらわにする。
 11日には社民党も、「少数政党は放送時間や回数などが公平に担保されているか疑問」などとして、NHKと民放でつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)に対し、選挙報道について各局に自主的な検証を促すとともに、BPOでも検証を行うよう申し入れた。
 公示前最後の日曜日となった八日、「報道2001」(フジテレビ)、「日曜討論」(NHK)、「サンデープロジェクト」(テレビ朝日)の3つの討論番組に7党首全員が顔をそろえた。先月24日の「日曜討論」でインタビューVTRが途中で切れ、翌週に再放送された新党日本の田中康夫代表も、この日は生での出演だった。
 一方、安倍首相はこれらとは別に、27日に「テリー伊藤ののってけラジオ」(ニッポン放送)、5日に「NEWS ZERO」(日本テレビ)、6日は「ザ・ワイド」(同)と「ワールドビジネスサテライト(WBS)」(テレビ東京)、10日「報道ステーション」(テレ朝)などに相次いで単独で出演している。
 局側は、公平性をどう判断したのか。日テレは「両番組とも安倍首相の“単独出演”ではない。ZEROは、他党首の収録インタビューや会見などを放送し、各党の主張を反映させた。ザ・ワイドも後日、他党首のインタビューを放送し、3日間のシリーズで公平性が確保される構成にしている」と説明する。
 テレ東は「公示前という判断。WBSには九日に民主党の小沢一郎代表がVTR出演し、他党はVTRの中で年金問題に対する考え方を紹介した」と説明。テレ朝は「順次、党首全員から話を聞く予定で、出演の了解を得ている」としている。
 メディア総合研究所所長の須藤春夫・法政大教授は「シリーズで順次扱い、同じような時間で発言機会を与えるのならば、公平性の確保について妥当性はある。しかし、単独出演や二大政党に限るのは問題がある。公平性を問題にしないで、二大政党制論が暗黙の合意になってしまっている」と指摘したうえで、こう苦言を呈する。
 「年金や政治資金の問題について各党がどう考えているのか、テレビはまだまだ提示できていない。少数意見をすくい上げ、多角的な視点で視聴者に提供することが公平性につながるのだが」

で、それを貫いているのかどうか分かりませんが、「東京新聞」の夕刊1面の選挙報道では、候補者の演説を聞く有権者の写真をつかっています。それに対して、「読売新聞」は安倍首相と小沢民党代表の大きな写真を対置。その他の党首は小さな写真です。「朝日新聞」にいたっては、写真は安倍首相と小沢代表のみ。客観報道を装いながら、意図的な「二大政党」の対決ムードづくりです。

↑と誉めてみたら、13日朝刊は、安倍と小沢の写真のみでした。

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