読売新聞によれば、柏崎・刈羽原発では、地震の影響とみられるトラブルが次々に見つかっているようです。主排気筒でのヨウ素の検出、排気ダクトの外れ、固定ボルトの折損、低レベル放射性廃棄物を入れたドラム缶の転倒、などなど。まだ全部が調査された訳でもなく、さらに見つかる可能性もあります。
耐震設計の想定の2倍以上の揺れ、というのは、そういうことなのです。
柏崎刈羽原発、全7基でトラブル50件…地震対策見直しへ(読売新聞)
柏崎刈羽原発、全7基でトラブル50件…地震対策見直しへ
[2007年7月17日23時53分 読売新聞]新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)の被災状況を調査している東京電力は17日、建屋と主排気筒をつなぐ排気ダクトがずれるなど、地震の影響とみられる50件のトラブルが全7基で確認されたと発表した。
7号機の主排気筒では、ヨウ素などの放射性物質が検出された。地震の影響で何らかの機器や設備が破損した可能性がある。地震によって原発でさまざまな異常が確認されたのは初めてで、原発の地震対策の大幅な見直しを迫られそうだ。
東電は地震後、全原子炉について、主排気筒の排気サンプリング装置の試料を分析。その結果、1?6号機では放射性物質は検出されなかったが、7号機では、放射性のヨウ素、クロム、コバルトが検出された。こうした放射性物質は主に原子炉の冷却水に含まれる。大気中に放出された放射性物質は微量で、保安規定の放出上限の1000分の1程度。東電は「地震との関連も含め、原因は調査中」としている。
また、1?5号機では、建屋の屋上などを通っている排気ダクトがずれているのが見つかった。ダクトの破損や、それに伴う放射能漏れの可能性については調査中。さらに全7基で、使用済み燃料プールの水が作業用の床にこぼれていることが確認された。
1、2号機の計5台の変圧器で、固定用ボルトの折損が見つかった。3号機の変圧器火災の原因は不明だが、ほかの変圧器でも火災が起きる可能性があったことになる。1、2号機は、建屋内外の計5か所で消火用水の配管の損傷が確認されており、火災が起きた場合には消火活動に影響があった可能性がある。
固体廃棄物貯蔵庫では、交換した配管や汚染した手袋などの低レベル放射性廃棄物を納めたドラム缶約100本が転倒し、数本はふたが開いていた。貯蔵庫内の床の汚染状況を調べた結果、17か所のうち1か所で微量の放射能が確認された。ドラム缶は全部で2万2000本あるが、そのうちの相当数の状況が未確認で、今後、転倒数は増える可能性がある。