トヨタ創業家親子 株配当の減税だけで5億円

共産党の「しんぶん赤旗」日曜版9月16日号に、面白い記事が載っていました。

トヨタ自動車の豊田章一郎・名誉会長と章男・副社長の親子が、同社の株をどれぐらい持っていて、どれぐらいの配当をもらっているかというデータです。それによると、章一郎氏の持ち株は1117万株で配当は13.4億円、章男氏は456万株で5.5億円だそうです(2006年度)。最近、株主への配当が重視されるようになって、1株当たりの配当額が増えている(03年は1株当たり45円→06年、1株120円)ため、2人の受け取る配当金も急増しています。

ところが、2003年に政府が導入した証券優遇税制のため、上場企業の株式の配当および譲渡益にたいする税率は20%から10%に。そのため、豊田親子がトヨタから受け取った配当だけで、この4年分の減税額は合計5億円になるというのです。住民税が2倍になったと言って、あわてている庶民とは、あまりにケタ違いの扱い!! 税金のとるところを間違えていると思いませんか?!

同紙がかかげた数字は、以下のとおり。

年度 1株あたりの配当額(円) 豊田章一郎名誉会長 豊田章男副社長
持ち株数(万株) 配当金(億円) 持ち株数(万株) 配当金(億円)
02 36 1514 53
03 45 1314 5.9 253 1.1
04 65 1314 8.5 253 1.6
05 90 1114 10 454 4.1
06 120 1117 13.4 456 5.5

03〜06年度合計
配当金:章一郎氏37.8億円   章男氏12.3億円
減税額:       3.8億円        1.2億円  合計5億円

で、トヨタ自動車自身はどうかというと、経常利益はバブル時代のピーク(1989年)の7,338億円から2006年は1兆5,552億円に(約2倍)なったのにたいし、納税額の方はというと、4,782億円(89年)から4,746億円(06年)と、ほとんど同じ。これだけ企業は、法人税の引き下げや研究開発減税などの恩恵をこうむっているのです。

それが配当金に回されて、上述の豊田親子の5億円減税につながっている訳で、いってみれば、個人大株主は、大企業減税の恩恵と証券優遇減税の恩恵を二重にこうむっているわけです。

こんなことが、あっちこっちの大企業にやられ、その結果、大企業・大資産家の減税額は年間4兆円にものぼる一方で、多くの国民にとっては定率減税や配偶者特別控除の廃止などで年間5兆円の増税。「小泉改革」の影の部分に光をあてるというのなら、まずここから手をつけてもらいたいものです。

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