あり方いろいろ(続き) existierenをどう訳すか

牧野広義『「資本論」から哲学を学ぶ』(学習の友社)

学習の友社から、こんな本が出ました。まだ読み始めたばかりですが、『資本論』第1部にそって、マルクスが弁証法的に論を展開している部分をとりあげて、弁証法的なものの見方、考え方、あるいは論述の展開の仕方について解説をくわえられています。

ということで、いま少しずつ読み始めているところですが、それはそれとして、「おっ」と思ったのは、「まえがき」に書かれた「凡例」の部分です。

続きを読む

日雇い派遣労働者の5割が「今のままでいい」と思っている?!

共産党の佐々木憲昭議員の衆議院予算委員会での質問を読んでいたら、厚生労働大臣が次のような答弁をしているのに気がつきました。

 厚労相 非正規の労働者にアンケートをやってみると、正社員になりたいというのは3割、今のままでいいというのが5割、今後も派遣労働者のままがいいというのも3割いて、なかなかニーズが一概に言えません。

非正規で働きながら、正社員になりたいという人が3割しかいない、「今のままでいい」という人が5割りもいるというのはどういうことだろう? と思って調べてみました。

続きを読む

『資本論』第10分冊を読了

時間がかかっているのは、途中、別な本を読んだりしたこともありますが、第3部第5編にはいって、マルクスの論述も込み入ってきたし、草稿からのエンゲルスの編集も輻輳して、すらすらとは行かなくなってきたため。

しかし、現代経済を考える上では、信用論が一番おもしろい部分の1つ。当時の信用制度の発達を理論的に解明し、イギリス経済の現実にせまってやろうというマルクスの意気込みみたいなものが感じられて、わくわくするところでもあります。

続きを読む