キャンプ座間で、地元の意向を無視して、米陸軍第1軍団前方司令部移転の動きがすすんでいます。今回確認されたのは、軍用車両18台ですが、車両だけで240台の配備が予定されています。
軍用車両18台陸揚げ(朝日新聞)
キャンプ座間・前方司令部設立(朝日新聞)
ハンビー含む車両約240台を搬入予定/キャンプ座間(神奈川新聞)
新司令部設置のキャンプ座間、「住民負担は、それほど大きくない」/高村防衛相(神奈川新聞)
新司令部年内設置へ/キャンプ座間(神奈川新聞)
軍用車両18台陸揚げ
[asahi.com:マイタウン神奈川 2007年10月14日]在日米軍の監視活動を続ける基地監視議員グループ「リムピース」は13日、横浜市神奈川区の横浜ノースドックにキャンプ座間(座間市、相模原市)に配備される米陸軍第1軍団前方司令部用とみられる軍用車両計18台が12日に陸揚げされたとみられる、と発表した。在日米陸軍司令部は12日、朝日新聞社の取材に対し、有事の際に機材の輸送などにハンビー(高機動多目的装輪車)約200台を新たにキャンプ座間などに配備する計画を表明していた。リムピースでは米陸軍側が「なし崩しに同司令部の配備を進めるもの」として、両市に米軍側に事実確認するよう申し入れた。
リムピースによると、ハンビー14台とトラック4台が12日昼ごろ入港した自動車運搬船に積まれてきた。積載地は米国西海岸と見られる。米軍側は相模原市議会特別委のキャンプ座間視察(3日)の際に、9月26日にハンビー3台などを搬入したことを認めており、今回はその第2弾とみられるという。
キャンプ座間・前方司令部設立
[asahi.com:マイタウン神奈川 2007年10月13日]キャンプ座間内に近く置かれる米陸軍第1軍団の前方司令部は在日米軍再編の過程の一つで、米ワシントン州のフォートルイス基地にある司令部本体機能の座間移転を米側が今も検討していることが分かった。在日米陸軍司令部日米防衛政策調整部長のクレッグ・アゲナ(安慶名)大佐が12日、朝日新聞の取材に対して明らかにした。(渡辺丘)
大佐によると、数カ月以内に発足する前方司令部のため、現在約20人の移行チームが準備にあたっている。前方司令部の役割は極東地域の有事対応で、作戦を担う地域は極東地域に限るという。
具体的な設立時期については明言しなかったが、要員は08年10月ごろの段階で約90人にとどまり、指揮は在日米陸軍司令官のパーキンス少将が第1軍団副司令官を兼務して行う見通しという。
大佐は、2014年までに第1軍団司令部本体の機能をキャンプ座間に移すことを「将来の目標」と語り、「司令部本体が来れば、前方司令部は吸収される」とした。しかし、この計画は「世界情勢の動きに大きく左右される」といい、具体的なスケジュールはなお流動的という。
指揮官についても「第1軍団司令官(中将)が座間に移ってくるか、米本土と座間を行き来するか、二つの可能性がある」などと述べた。
また、大佐は、日本周辺の有事の際に機材の輸送などに使うハンビー(高機動多目的装輪車)約200台を新たにキャンプ座間などに配備する計画も明かした。
基地地元の座間市が今も前方司令部の設置に反対姿勢を貫いていることについて、大佐は「こちらはいつでも説明する用意がある」と語った。
ハンビー含む車両約240台を搬入予定/キャンプ座間
[神奈川新聞 2007/10/14]キャンプ座間に搬入されるハンビーについて、今年七月に着任した在日米陸軍司令部日米防衛政策調整部長のクレッグ・安慶名(あげな)大佐は十三日までに、約二百台になるとの見通しを示した。
安慶名大佐によると、搬入予定の軍用車両は全部で二百三十台?二百四十台で、うちハンビーは約二百台、それ以外の数十台は小型トラックなどとしている。
同大佐は神奈川新聞社のインタビューに対して、車両の用途について「ハンビーは司令部要員が使うためにある。前方司令部がどこかに展開した際の輸送手段。ハンビーは多目的な車両で、患者輸送の車両になることもあるし、通信機材を載せる車両やトラックにもなる」と話している。
今年三月、前任の同司令部日本国業務部長のデーヴィッド・ハンターチェスター大佐は本紙取材に対し、新司令部設置に伴う搬入機材の一部として「(ハンビーは)三百台を搬入する予定」と説明していた。
新司令部設置のキャンプ座間、「住民負担は、それほど大きくない」/高村防衛相
[神奈川新聞 2007/09/05]高村正彦防衛相は四日、神奈川新聞などのインタビューに応じ、米軍再編に伴うキャンプ座間(座間、相模原市)への米陸軍第一軍団の新司令部移設計画について、「住民負担は、それほど大きいものではない」との認識を示し、移設に反対している座間市などに対し、引き続き理解を求めていく考えを強調した。
さらに、キャンプ座間への新司令部設置について、「日本全体で言えば住民負担を下げることができ、抑止力も維持することにつながる」と説明。再編計画全体からみても大きな意義があるとの見方を示した。
キャンプ座間をめぐっては、米陸軍が年内に司令部を新設する意向を正式表明したばかりで、地元自治体からはなし崩し的な手法に不満の声も上がる。今後の焦点となる地元自治体との交渉の展望については「座間市の意見もよく聞きながら、なんとか理解してもらいたいと思っている」と、これまでの防衛省の見解を繰り返すにとどまった。
また、「日米が共同して防衛体制を築いていくため、適当であるとの判断に至っている」と述べ、同じくキャンプ内に陸上自衛隊中央即応集団司令部が移設することも踏まえ、日米の連携強化に期待感を表明した。
新司令部年内設置へ/キャンプ座間
[神奈川新聞 2007/09/01]在日米軍再編をめぐり、在日米陸軍キャンプ座間(座間、相模原市)の在日米陸軍司令部は三十一日、米陸軍第一軍団司令部(米ワシントン州)の改編新司令部「第一軍団前方司令部」設置の「移行チーム」を同日発足させたと発表した。年内にも同司令部設置を完了させたい考え。また防衛省は三十一日に決定した二〇〇八年度の概算要求で、キャンプ座間への陸上自衛隊中央即応集団の司令部移設に向けた関連予算計約十五億円を盛り込んだ。
「日米の連携強化」を目的とした双方の組織改編が本格化する。昨年五月の最終報告では、米陸軍第一軍団前方司令部は〇八年九月末までに設置する計画だったが、大幅に前倒しされる形だ。
在日米陸軍司令部によると、三十一日に発足した移行チームの要員は三十人。第九戦域支援コマンド司令部の要員十五人が任に就いたといい、残り十五人は今後、キャンプ外の部隊から補充される。
移行チームの任務は、前方司令部の組織編成や人員の配置計画などで、輸送用車両など必要な資機材の調査とその調達方法などの調整も行う。現段階では、新司令部設置に伴って第一軍団司令部がある米ワシントン州フォートルイスからの人員や機材を移動させる考えはないという。
司令部設置に伴い、在日米陸軍司令部が兼務していたアジア太平洋地域での後方支援指揮を任務とする第九戦域支援コマンド司令部については、九月十五日で解散し、ハワイ州の第八戦域支援コマンド司令部に任務を引き継ぐ。
一方、陸自中央即応集団司令部移設に向けた関連予算では、調査費のみを計上した前年度の七百万円から大幅増の計約十五億円を盛り込んだ。防衛省防衛計画課によると、庁舎と家族宿舎の施設整備が目的で、内訳は庁舎の調査設計と工事に計十億八千万円、家族宿舎に四億六千万円。
在日米軍再編では、米陸軍第一軍団司令部を改編した新司令部を〇八年米会計年度末(〇八年九月)までにキャンプ座間内に移駐させるとともに、国際貢献やテロ・ゲリラ攻撃への対応のために〇七年三月に新設された陸自中央即応集団司令部を一二年度までに現在の朝霞(埼玉県)からキャンプ座間に移設することが日米間で合意されている。両司令部併設による日米のさらなる連携強化が目的で、米側は移行チーム発足を「合意されたロードマップ履行の第一歩」と位置付けている。