オールR・シュトラウス 都響第650回定期演奏会

都響定期は、いつもはBシリーズなのですが、30日に重要な研究講座が予定されているため、今月はAシリーズに振り替え。

オールR・シュトラウスのプログラムです。金聖響氏を聞くのは初めてだったので、期待して上野の文化会館に出かけてきました。

  • 歌劇「サロメ」op.54より 〈7つのヴェールの踊り〉
  • メタモルフォーゼン TrV290
  •   休憩
  • 交響詩「ドン・キホーテ」 op.35

金聖響氏は、1970年生まれ。37歳では、クラシック界ではばりばりの若手でしょう。(^_^;) しかし(失礼!)、演奏はしっかり確かなもの。とくに、2曲目のメタモルフォーゼンは、うんと渋い作品ですが、ベートーヴェンの「英雄」葬送曲から主題をとったという作品の成り立ちをじっくり聞き取ることができました。プログラム・ノーツによれば、作曲されたのは1945年春。ナチス・ドイツの時代にもドイツにとどまり続けたシュトラウスの、運命的な作品なんだなぁと思って聴きました。

最後の「ドン・キホーテ」は、初めて聴く作品(個人的には、R・シュトラウスはあまり好みでないので)。しかし、これがなかなか楽しめます。とくに、チェロ独奏で奏でられるドン・キホーテの主題と、ヴィオラ独奏で示されるサンチョ・パンサの主題のかけあいが面白く、それに、オーボエによるドルネシア姫の主題も美しい。

ドイツ・ロマン派の最後の作曲家リヒャルト・シュトラウス、まだまだ挑戦してみる楽しみがありそうです。

都響定期、来月は、プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」です。こんな珍しい曲なのに、日本フィルの10月定演でも取り上げられます。ちょっと聞き比べも楽しみです。

【演奏会情報】 東京都交響楽団第650回定期演奏会 Aシリーズ
指揮:金聖響/ヴィオラ:鈴木学/チェロ:アルト・ノラス/ソロ・コンサートマスター:矢部達哉/会場:東京文化会館/開演:2007年10月22日 19:00

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