昨日は、日フィルの定期演奏会でした。指揮は、このたび2008年9月から日フィルの首席指揮者に就任することが決まったアレクサンドル・ラザレフ。ということで、期待しつつサントリーホールへ。
- リャードフ:交響的絵画≪ヨハネの黙示録から≫ op.66/挽歌
- グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲 イ短調
- 休憩
- プロコフィエフ:カンタータ≪アレクサンドル・ネフスキー≫
ラザレフ氏は、ロシア出身の指揮者。日フィルを振ったのは2003年と2005年の2回のみ、日本のオケではむしろ読響との共演の方が多いのでは? それだけに、日フィルの首席指揮者に決まった時は、ちょっと意外な印象をもって受け止められたところもありました。この日のプログラムは、その前に決まっていたもので、首席指揮者就任記念というにはやや地味(とくに前半は)。
しかし、いざ演奏が始まってみると、びっくりしたのは、日フィルの弦が非常にきれいに仕上がっていること。肌理が細かいというか、細かいところまで配慮の行き届いた見事な演奏でした。日フィルというと、これまで“出たとこ勝負”“行け行けドンドン”的なところがあって、はまったときは大喝采ですが、リャドフのようなしっとりした曲では、うまくはまらないことが多かったのも事実。それがすっかり“化け”ました。(^_^;)
後半の「アレクサンドル・ネフスキー」は、エイゼンシュタインの映画音楽からつくられた作品で、盛り上がりもあるし、鐘やドラも登場する派手な曲です。弦も、わざとギャッギャと弾いてみたり、不協和音を響かせたりするところが出てきますが、その一方で、澄んだ音を響かせるところもあって、前半でみせた見違えるような弦の実力を遺憾なく発揮。最近とみに実力の増した管、それに小山由美さんの豊かな声とあいまって、見事な演奏でした。
ラザレフ氏を首席指揮者に迎えて、日フィルがどう変わっていくか、楽しみになってきました。う〜む、こんなことなら、同じくラザレフの振った14日のショスタコーヴィチを聴きに行っておけば良かった…。(^_^;)
来月は、沼尻竜典氏がマーラー交響曲第6番を振ります。これも相当に期待できそうです。
【演奏会情報】 日本フィルハーモニー交響楽団第594回東京定期演奏会
指揮:アレクサンドル・ラザレフ/ヴァイオリン:扇谷泰朋(日フィル・ソロコンサートマスター)/メゾ・ソプラノ:小山由美/合唱:東京音楽大学/会場:サントリーホール・大ホール/開演:2007年10月26日 午後19時
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