いま、NHKのデジタル教育3で「オーケストラは人をつくる?ベネズエラのユース・オーケストラ?」という番組を見ました。9月2日深夜にNHK-BS2で放送されたものの再放送のようですが、圧倒されました。
ベネズエラには、全国で130のユース・オーケストラ、60の子どもオーケストラがあり、全部で25万人の子どもたちが音楽に参加しているそうです。そして、これは約30年前に始まった、一種の音楽運動だということも紹介されていました。
僕のうちのテレビは、いまどき珍しい14インチのモノラルなので、音楽的にどれだけの水準にあるのかはよく分かりませんでしたが、しかし、訴えてくるもののエネルギーは圧倒的。舞台に通常のオケの何倍もの楽団員がのっかっているというのも凄かったですが、そういう量的な話ではありません。地域の、それこそ4歳か、5歳くらいの子どもから始まって、小学生や中学生ぐらいの子どもの弾く楽器でも、しっかりとした“主張”があるのです。
小学生ぐらいの子どもが、“神様というのは、きっと音楽みたいなものだ。だって、音楽ほどすばらしいものは神様でないと作れないから”と言っていましたが、これはもう、その子なりに、音楽的な創造活動の“何か”をつかんでいる発言でしょう。貧困地域の子どもたちにたいして、経済的な援助は必要だが、同時に精神的な援助が必要だ、自分で何かを創造する、そういう能力を身につけるチャンスを与えなければならない、そうすれば子どもは自分でそれをつかんで成長していく。そういう考え方にたったこの音楽運動が、この音楽的なすばらしさを生み出していると思いました。
あらためて、音楽でなければ表現できないものというものがあるのだと思ったし、そういうものがなければ僕は生きてゆけない(大げさですが)と思いました。サイモン・ラトルがこのベネズエラのユース・オーケストラ(シモン・ボリーバル・ユース・オーケストラ)を振ったマーラーの交響曲第2番「復活」、CDになってないんでしょうかねぇ…。ぜひ聴いてみたいと思いました。
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