参議院で守屋前防衛次官の証人喚問。そのなかで、山田洋行の宮崎元専務と宴席に同席した防衛庁長官経験者は久間章生、額賀福志郎の2氏であったことが明らかに。
これで久間、額賀両氏が追い込まれたことは事実だが、同時に、問題は、単に誰が宴席にいたかではなく、軍需疑惑の全貌を明らかにすること。今日の証言でも、自衛隊の制服組もゴルフを一緒にやっていたことなども明らかにされた。すでに、防衛産業に天下っている自衛隊員の数と、受注額との相関関係も明らかにされている。沖縄米軍基地のグアム移転にともなう米軍住宅などの建築コストがべらぼうに高いことも指摘された。「軍事」「国防」を理由に、税金の分けどり状態。この疑惑全体を解き明かさなければ、何も問題は解決しない。
宴席同席は「久間、額賀両氏」…守屋前次官が証言(読売新聞)
ゴルフ接待、陸自OBが現役時参加証言…防衛相が調査表明(読売新聞)
宴席同席は「久間、額賀両氏」…守屋前次官が証言
(2007年11月15日22時30分 読売新聞)参院外交防衛委員会(北沢俊美委員長)は15日午後、守屋武昌・前防衛次官(63)を証人喚問した。
守屋氏は航空・防衛分野の専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)と守屋氏の宴席に同席した防衛長官経験者について、「久間章生・元防衛相、額賀福志郎財務相」の2人だったことを明らかにした。
証人喚問などでの証言は、東京地検特捜部が進めている守屋氏をめぐる疑惑の捜査や、政府が今国会成立を目指す新テロ対策特別措置法案の審議の行方にも影響を与えると見られる。
守屋氏の証人喚問は、午後1時から約2時間半の予定で始まった。守屋氏の証人喚問は10月29日の衆院テロ防止特別委員会に続いて2度目。
守屋氏は、宴席の場所について、「額賀氏は(都内の)神田の料亭、久間氏は六本木の旧防衛庁のそばにあった料亭だったと思う」と述べた。
守屋氏はまた、衆院の証人喚問で、2003年8月の次期輸送機(CX)のエンジンの採用をめぐる証言で、偽証の疑いが指摘されていることについては「当時の認識としてそのような記憶は一切ない」と否定した。
03年のインド洋での海上自衛隊の給油量訂正問題で、海上幕僚監部の寺岡正善元防衛課長が、衆院テロ防止特別委員会での参考人質疑で、当時防衛局長だった守屋氏らに相談したと述べたことについては「会った記憶はない。直接私のところに来るのは考えにくい」と述べた。
一方、同委は午前中は、山田洋行の米津(よねづ)佳彦社長を参考人として招致、米津氏は、宮崎容疑者による守屋氏にかかわる接待ゴルフにかかった費用は、「8年間で300回以上、総額は1500万円以上」だったことなどを明らかにした。
米津氏は、守屋氏への接待ゴルフについて、「1998年4月から2006年3月までの約8年間に300回以上、一組の使用金額の合計は1500万円以上だ。00年4月から06年3月までの6年間で200回以上、額は1000万円以上で、費用は山田洋行が支払った」と述べた。
守屋氏は10月29日の衆院テロ防止特別委員会の証人喚問で、毎回1万円を支払ったとしたが、米津氏は「経理データを調べたが、入金処理は一切されていなかった」と語った。
米津氏はこうした接待について、「宮崎容疑者が自分の考えでやったことで、山田洋行が指示したことではない」と強調。宮崎容疑者が中心となった裏金作りについても、「事件が明るみに出るまで、全く知らなかった」と、組織的な関与を否定した。
守屋氏の二女が米国の大学に留学した際の協力については、山田洋行の現地法人役員が大学側に口頭で「よろしくお願いします」と口添えしたほか、宮崎容疑者の指示で社員が大学まで案内したり、日用品購入を手伝うなどの便宜を図ったことも明らかにした。
ゴルフ接待、陸自OBが現役時参加証言…防衛相が調査表明
[2007年11月15日22時27分 読売新聞]守屋氏が15日の証人喚問で、宮崎容疑者と地方でゴルフをした際、陸上自衛隊OBも現役時代に参加していたと証言したことについて、石破防衛相は同日、「在職中に何をしていたか、必要な聞き取りは行うべきだ」と、事実関係を調査する考えを示した。
守屋氏は、宮崎容疑者とのゴルフに防衛省の現職職員が参加したことがあるかどうかを問われ、陸自OBが現職時代に参加したと、実名を挙げて証言。このOBは、退官後に山田洋行に再就職している。
自衛隊員倫理規程は、費用負担の有無にかかわらず利害関係者とのゴルフを禁じている。
同省は、OBが規程に違反していた可能性があるとして、本人から事実関係を確認する方針。