秋山直紀氏が専務理事を務める「日米平和・文化交流協会」が、山田洋行をめぐる事件で、東京地検特捜部の捜索を受けていたことが明らかに。
山田洋行関連で社団法人捜索(NHKニュース)
「防衛族」団体から資料入手 東京地検(朝日新聞)
「防衛族」団体、東京地検が捜索…宮崎容疑者も以前に理事(読売新聞)
山田洋行関連で社団法人捜索
[NHKニュース 11月18日 12時10分]防衛商社の「山田洋行」をめぐる事件で、防衛分野に詳しい国会議員が会長や理事を務め、逮捕された元専務も以前理事に就任していた外務省所管の社団法人「日米平和・文化交流協会」が、関係先として東京地検特捜部の捜索を受けていたことがわかりました。
捜索を受けたのは、東京・千代田区にある外務省所管の社団法人「日米平和・文化交流協会」です。この協会は、瓦力元防衛庁長官が会長を務め、防衛分野に詳しい国会議員や元防衛庁幹部、それに防衛関連企業の経営者らが理事を務めているほか、逮捕された山田洋行の元専務の宮崎元伸容疑者(69)も、去年12月まで理事に就任していました。東京地検特捜部は、宮崎元専務の交際費や裏金の使いみちを調べるため、18日までに関係先として協会の事務所を捜索しました。
協会の秋山直紀専務理事は宮崎元専務と交流があり、守屋前防衛事務次官は、国会の証人喚問で「秋山氏の誘いで2、3年前に久間元防衛大臣と宮崎元専務との宴席に出た」と証言しています。秋山氏は、この宴席は否定していますが、去年12月に行われた久間元大臣と宮崎元専務との別の宴席には同席していました。この協会は、海外のメーカーによる防衛装備品の展示会を開いたり、日米の国会議員や元政府高官によるシンポジウムを企画したりしています。
特捜部は、押収した資料を分析するなどして宮崎元専務の資金の流れを調べています。
「防衛族」団体から資料入手 東京地検
[asahi.com 2007年11月19日07時15分]東京地検特捜部が、業務上横領容疑などで逮捕した軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)が昨年まで理事を務めていた外務省所管の社団法人「日米平和・文化交流協会」(東京都千代田区)の事務所から資料を入手していたことが、関係者の話で分かった。同協会は日米の国防族議員と軍需産業などを結ぶパイプ役とされている。
同協会のホームページによると、協会会長は元防衛庁長官の瓦力氏で、理事にも日米の防衛分野の幅広い関係者が名を連ねている。政治家では久間章生・元防衛相、前原誠司・前民主党代表ら与野党の国防族のほか、佐藤謙・元防衛事務次官などの元官僚、米津佳彦・山田洋行社長など軍需産業幹部、コーエン元米国防長官らも理事に就いている。元防衛庁長官の額賀財務相、石破防衛相も入閣するまでは理事を務めていた。
関係者によると、協会の運営は、実質的に秋山直紀・常勤理事が担っているとされる。秋山氏は自民党の旧経世会人脈に強く、日米の政財界に幅広い人脈を持っているといわれている。宮崎元専務から過剰な接待を受け続けて問題となっている守屋武昌・前防衛事務次官(63)は15日の参院での証人喚問で、秋山氏の呼びかけで久間元防衛相、宮崎元専務との会合に出席したと証言した。
同協会は、日米間の安全保障政策などの調査や研究を主な目的とし、日米の国防族議員らによる年2回のシンポジウムを開催している。
特捜部は守屋前次官と宮崎元専務について、贈収賄容疑を視野に入れた捜査を進めている。
「防衛族」団体、東京地検が捜索…宮崎容疑者も以前に理事
[2007年11月18日3時2分 読売新聞]航空・防衛分野の専門商社「山田洋行」を舞台にした業務上横領事件に絡み、外務省所管の社団法人「日米平和・文化交流協会」(東京都千代田区)が東京地検特捜部の捜索を受けていたことが、関係者の話で分かった。
協会の理事には、与野党の防衛族議員、防衛関連企業の幹部らが名を連ね、山田洋行元専務の宮崎元伸容疑者(69)も昨年12月まで理事を務めていた。特捜部は、宮崎容疑者らから協会側に資金が流れた可能性もあるとみて、政界との関係についても解明を目指すとみられる。
同協会は2003年から毎年、日米の防衛・国防関係者を集めて「日米安全保障戦略会議」を主催するなど、国防・軍事問題を中心に活動。今年も今月7?9日に都内で同会議を開き、米軍需企業などの防衛装備品の展示会が催された。
守屋武昌・前防衛次官(63)が15日の参院での証人喚問で、宮崎容疑者との宴席に同席していたと証言した額賀財務相は、今年8月の入閣まで理事を務め、久間章生・元防衛相は今も理事に就いている。
ほかに、会長を務める瓦力・元防衛長官をはじめ、防衛長官や防衛次官、防衛施設庁長官の各経験者、民主党の前原誠司前代表ら与野党の国会議員、コーエン元米国防長官、山田洋行の米津佳彦社長(60)らも理事に名を連ねる。福田首相や安倍晋三前首相、石破防衛相も過去に理事を務めた。
関係者によると、協会の秋山直紀専務理事は、防衛族議員らによる「安全保障議員協議会」の事務局長も務め、日米の政財界に幅広い人脈を持ち、日米の政界と防衛関連企業を結ぶ「パイプ役」などと呼ばれる。
守屋氏は喚問で、2?3年前、秋山氏から「(久間氏と)飲むから来ないか」と誘われ、東京・六本木での久間氏と宮崎容疑者の宴席に同席したと証言。秋山氏は取材に対し、守屋氏の同席は否定した上で、昨年12月、宮崎容疑者の依頼で久間氏との会談を都内の料亭でセットしたことを明かし、「宮崎さんが『久間さんにあいさつしたい』と言うので会わせた」などと話している。
特捜部は、守屋氏の収賄容疑の立件に向け捜査を進める一方、協会を巡る資金の流れなども調べている。