政府税調が消費税増税の必要性を指摘

政府税調が、2008年度税制改正の答申で、消費税の税率引き上げの「姿勢を明らかにすること」が必要だと指摘。

すでに福田首相は、2008年度税制改正での消費税増税の見送りを表明しているが、それだけに、堂々と将来の消費税引き上げの「姿勢を明確にすべきだ」と主張できる訳だ。「上げない、上げない」と言いながら、その間に上げる準備だけはしっかりすませてしまおうという魂胆。

政府税調答申、3年ぶりに消費税率引き上げの必要性指摘(読売新聞)
「消費税率引き上げ」明記 政府税調が答申(MSN産経ニュース)

政府税調答申、3年ぶりに消費税率引き上げの必要性指摘
(2007年11月20日20時23分 読売新聞)

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は20日、総会を開き、2008年度税制改正の答申をまとめた。
 高齢化社会の進展で増え続ける社会保障費の財源について、「消費税率を引き上げていくことによって賄う姿勢を明らかにすること(消費税の社会保障財源化)」が必要だと明記し、政府税調として、3年ぶりに消費税率引き上げの必要性を指摘した。
 ただ、福田首相が2008年度税制改正での消費税率引き上げを見送ることを表明していることもあり、引き上げの時期や幅には言及しなかった。
 政府税調は今週中にも、答申を福田首相に提出する。
 専業主婦のいる世帯の所得税などを軽減する配偶者控除については、女性の社会進出が進んでいる現状などを考慮して、見直すよう求めた。相続税については、格差を是正する考え方から、死亡者のうち4%程度にとどまっている課税対象を広げることなどを提言した。
 企業の税負担(法人実効税率)については、政府税調内では「国際的動向に照らして引き下げが必要だ」という意見が多数を占めたことを明記した。ただ、財政難の状況も考慮し、答申は、課税対象となる企業を増やすことを含めた検討が必要だと指摘した。
 上場株式などの売却益や、配当益にかかる税金を本来の20%から10%に軽減している証券優遇税制は、08年度中に迎える期限で廃止することを求めた。期限が切れた後は、様々な金融商品で生じた損失や利益を合算して課税できる仕組みをつくる必要性も示した。
 しかし、税制改正に大きな影響力をもつ自民党税制調査会は、最近の株式市場の低迷を受けて期限を延長する方針を固めており、政府税調の意見が反映される可能性は小さくなっている。

「消費税率引き上げ」明記 政府税調が答申
[MSN産経ニュース 2007/11/20 20:08]

 政府税制調査会(首相の諮問機関)は20日の総会で平成20年度税制改正の答申を決定した。3年ぶりに「消費税率引き上げ」を明記したほか、配偶者控除、扶養控除の見直しにも言及。増税色の強い内容となった。消費税では増税時期や上げ幅を盛り込めず今後の与党での議論に委ねられた。与党は12月中に大綱を決めるが、抜本改正ができるかは不透明だ。
 表題は「抜本的な税制改正に向けた基本的な考え方」とし、年度改正だけでなく中長期的な視点からの税制の全体像を盛り込み、従来の「平成20年度税制改正」という直接的なタイトルを避けた異例の答申となった。
 焦点となっていた消費税では「消費税の社会保障財源化」を選択肢の一つとし、福祉目的税化に前向きな姿勢を示した。増税色が強い答申との指摘に、政府税調の香西泰会長は「社会保障制度を持続させる上で、このままでいいのか。増税路線というよりも社会保障継続路線だ」と強調した。
 このほか格差問題への対応として、低所得者に対し税額控除できない部分を給付する「給付付き税額控除」の議論の必要性を指摘。都市と地方の財政格差の是正に対し、居住地以外の地域への寄付を税額控除する「ふるさと納税」の検討も盛り込んだ。
 また、20年度税制改正の焦点の一つである道路特定財源については暫定税率の維持を明示。企業の研究開発の促進などの政策減税を求めたほか、株式譲渡・配当益減税については前年同様に廃止の方向性を打ち出した。
 政府は、この答申を福田康夫首相の帰国後に提出する。

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