防衛産業と防衛族関係の政治家とを結ぶ日米平和・文化交流協会の疑惑。昨日も、共産党の大門実紀史参議院議員が追及しています。
それにしても、秋山直紀氏には、日米平和・文化交流協会から1000万円以上の給与が支払われる一方で、外務省の国際交流基金から毎年500万円の資金が提供されている。防衛利権の根は深い。
防衛族団体「会計に問題」 外務省が05年改善命令(朝日新聞)
競争入札前に詳細問答 防衛庁と秋山直紀氏の協会/大門議員追及(しんぶん赤旗)
額賀氏が積極関与を否定 日米平和・文化交流協会(東京新聞)
防衛族団体「会計に問題」 外務省が05年改善命令
[asahi.com 2007年11月23日06時01分]日米の軍需産業と政界を結ぶパイプ役とされる秋山直紀氏が常勤理事を務める社団法人「日米平和・文化交流協会」(東京都千代田区)が会計処理や運営に問題があるとして、外務省から改善命令を受けていたことが分かった。22日の国会でも取り上げられ、独立行政法人「国際交流基金」からの助成金の一部が、日米両国の国防族議員が参加する会議の運営費や議員の渡航費に支出された可能性も指摘された。
協会理事には、東京地検特捜部に業務上横領などの容疑で逮捕された「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)も昨年まで名を連ねていた。特捜部は交流協会の事務所を捜索して資料を押収し、分析を進めている。秋山氏は久間章生・元防衛相の側近とされ、防衛省の守屋武昌・前事務次官(63)の証人喚問の際も名前が出た。前次官は、宮崎元専務、久間氏、秋山氏が同席した宴席があったと証言。秋山氏から「大臣と飲むから来ないか」と誘われて出向いたと述べた。
交流協会をめぐる外相の命令書は05年9月28日付。(1)非常勤とされる秋山氏に対し年1020万円の報酬が支払われている(2)常勤の庶務職員がいない(3)独立した事務所もない――など8項目を指摘し、改善を指示した。
命令を受け、協会は常勤職員を配置するなどの改善策をとった。
22日の参院財政金融委員会などで、共産党の大門実紀史議員は、交流協会と、秋山氏が事務局長を務め、主な日本の国防族議員がメンバーになっている任意団体「安全保障議員協議会」が「事実上、一体化した団体」として運営されていると指摘。交流協会への助成金の一部を議員協議会側が使っているのではないかとただした。交流協会と議員協議会の事務局はいずれも、国会議事堂の裏手にあるビルにある。
大門議員が提出した資料などによると、97年度以降、国際交流基金から交流協会に毎年度500万円前後の助成金が交付され、総額は約4000万円以上に上る。
一方、議員協議会は毎年2回、東京とワシントンで日米の国防族議員が集まる「日米安全保障戦略会議」を開催。三菱重工やロッキードなど日米の軍需関連企業が賛助金を出しているとされる。大門議員は交流協会の入出金には不可解な部分が多く、基金からの助成金の一部もこの会議に使われ、運営費や渡航費にあてられた可能性があると指摘した。
交流協会をめぐる問題について、秋山氏は朝日新聞の取材に対し「適法に処理している」などと文書で回答した。
競争入札前に詳細問答 防衛庁と秋山直紀氏の協会
大門議員追及
[2007年11月23日 しんぶん赤旗]防衛省をめぐる軍事利権問題で、社団法人「日米平和・文化交流協会」(秋山直紀常勤理事)が防衛庁(当時)発注の遺棄化学兵器処理関連事業を受注した際、同庁が競争入札の前年から同交流協会に対し、「処理に関する知見があるか」などの詳細な問い合わせをしていたことがわかりました。日本共産党の大門実紀史議員が22日の参院財政金融委員会で明らかにしました。大門氏はこれが同協会の定款外の事業だったことも指摘。防衛省との癒着の深さが浮き彫りになりました。
同協会と秋山氏は、日米政府関係者と日米軍需産業の癒着の中心にいると指摘されています。
同協会(当時・日米文化振興会)が受注したのは、福岡県苅田町の海底で見つかった旧日本軍の毒ガス弾について、処理方法を調査する業務。同協会は2003年2月、908万円で防衛庁と契約を交わしています。
大門氏は、この前年に防衛庁が秋山氏に4回にわたって▽化学弾処理に知見を有する先生がいるか▽処理に関する調査・研究を実施する際の体制について―などを細かく問い合わせたファクスを提示。「随意契約ならまだしも、競争入札の前に『おたくで仕事を受注できるか』と再三にわたって聞いている」と指摘しました。
また、同協会のほかに入札に参加したのは印刷会社1社だったことを示し、「この会社に化学兵器処理の能力があるとは思えない。競争入札という形式を整えるためだけの当て馬だったのでは」とただしました。
防衛省側は「複数の関係機関から一般的に情報収集をすることはある。同協会だけではない」と釈明。大門氏は「一般的な情報どころではない。秋山氏からの回答を見ると、相当生々しく事業の詳細を検討している」と指摘しました。
大門氏は、同協会が02―04年、国交省発注の別の化学兵器処理の調査業務を、随意契約で受注(計5800万円)していることを紹介。国交省の回答から、この事業で秋山氏を同省に紹介した米軍のステファン・リーブス陸軍准将(当時)に、秋山氏側から「調査委託費」などの名目で資金が渡っていることも指摘しました。
大門氏は「日米にわたる巨大な防衛利権の構造がある。ゴルフ接待どころではない。その中に額賀福志郎財務相や秋山氏の名が出てくる」と述べ、額賀氏、守屋武昌前事務次官に加え、秋山氏の証人喚問を要求しました。
額賀氏が積極関与を否定 日米平和・文化交流協会
[東京新聞 2007年11月22日 20時23分]額賀福志郎財務相は22日午後の参院財政金融委員会で、安全保障関係議員に幅広い人脈を持つとされる秋山直紀氏が専務理事を務める「日米平和・文化交流協会」(旧日米文化振興会)の理事となっていたことについて「責任を持って業務をしたことがない」と述べ、積極的な関与を否定した。
共産党の大門実紀史氏(比例)が同協会について、国防情報の配信事業など定款外の事業を行っていたとして、額賀氏の責任をただしたことに対する答弁。
民主党の簗瀬進参院国対委員長は、委員会終了後に記者会見し、防衛商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者=業務上横領容疑などで逮捕=との宴席に額賀氏が同席したとする守屋武昌前防衛事務次官の証言と、額賀氏の答弁に食い違いがあると指摘。同委員会への守屋氏の参考人招致を求める考えを示した。(共同)
↑「責任を持って業務をしたことがない」と言っているが、額賀氏は今年8月までは副会長。とりあえず顔だけ出していた、という弁明は通用しない。