マスメディアでは、「はっきりしない」「先送り」などといわれている与党の税制改正大綱について、日本経団連の御手洗会長は、「消費税引き上げに向けた道筋が示された」として「全体としては評価できる内容」とコメント。
消費税を、いつ、どれだけ引き上げるかは確かに先送りされたけれども、「社会保障は消費税で」というレールは敷いた、というのが財界がこの大綱を評価する理由。このレールさえ引ければ、あとはいつでも消費税を上げられる、ということ。
他方、経済同友会の桜井正光代表幹事は、「法人実効税率引き下げが早々に見送られたこと」に不満を表明。消費税は上げよ、企業の税負担はもっと引き下げよ、2つあわせれば、財界・大企業の身勝手な要求がよく分かります。
日本経団連会長コメント (2007-12-13)
2008年度与党税制改正大綱について : 経済同友会
平成20年度与党税制改正大綱に関する御手洗会長コメント
2007年12月13日 (社)日本経済団体連合会今回の与党税制改正大綱では、平成20年度における税制抜本改革の実現は見送られたものの、社会保障の安定的財源としての消費税引き上げに向けた道筋が示された。また、経済活性化に向けた措置や新たな公益法人税制、寄附金税制の抜本的拡充などが盛り込まれており、全体としては評価できる内容になっている。
大変困難な政治状況ではあるが、大綱で示された措置が着実に制度化されることを期待する。
以 上
2008年度与党税制改正大綱について
2007年12月13日社団法人 経済同友会
代表幹事 桜井 正光
- 今回の税制改正大綱では、長年の懸案である法人実効税率引き下げが早々に見送られたことや、道路特定財源の暫定税率とその使途、基礎年金国庫負担割合引き上げに伴う安定財源の確保など、構造改革を進めるための税制抜本改革が再び先送りされたことについては、誠に残念である。
- その中でも、研究開発減税の拡充や起業を促進するエンジェル税制等で一定の前進があったこと、また、金融所得の一体課税が実現するまでの間、証券等の軽減課税が限定的に継続されることは一応評価できる。
- 法人事業税の配分見直しは暫定的な措置とされているが、地域主権の中での税源のあり方については、今後も抜本的な改革に向けて議論を続ける必要がある。
- 「衆参ねじれ現象」により、与党の税制改正大綱がそのまま実現するとは限らず、近々、参院で多数を占める民主党側も大綱を発表する予定とされている。来年の通常国会では、税制や予算等について、選挙対策や政局の材料としてではなく、与野党双方がオープンな場で討議し、わが国の構造改革並びに経済活性化の促進に向けて一致点を見出して頂くよう要請したい。
以 上