内閣支持率が急落 給油「再開」反対が多数に

日経新聞の世論調査で、福田内閣の支持率が前月より12ポイント低下し、不支持が支持を上回った。また、インド洋での自衛隊の給油活動について、「再開すべきでない」が44%で、「再開すべきだ」39%を上回った。

共同通信でも世論調査。内閣支持率は、やっぱり12ポイント近くの急落で、不支持が上回る。また、新テロ特措法案についても、反対が46.7%で賛成38.8%を大きく上回った。

内閣支持43%に急落、12ポイント低下で不支持逆転(日経新聞)
福田内閣支持急落35% 年金『公約違反』57%(東京新聞)

内閣支持43%に急落、12ポイント低下で不支持逆転
[日経新聞 2007年12月17日朝刊]

 日本経済新聞社が14?16日に実施した世論調査で、福田内閣の支持率が43%と11月の前回調査より12ポイント低下した。不支持率は13ポイント上昇の46%で、9月の内閣発足以来初めて支持を上回った。海上自衛隊によるインド洋での給油活動に関しては「再開すべきでない」が44%を占め、39%の「再開すべきだ」と逆転した。
 内閣支持率の急落は、該当者不明の約5000万件の年金記録について、来年3月までに照合・通知を終える「公約」の実現が困難になったことや、防衛省を巡る一連の不祥事が影響したとみられる。2ケタの落ち込みは安倍前政権で年金記録漏れ問題が参院選の争点に浮上した5月の調査以来。
 男性の内閣支持率は39%と13ポイント低下、女性は46%と12ポイント下がった。年齢別では70歳以上を除くすべての年代で「不支持」が「支持」を上回った。不支持理由を複数回答で尋ねると「指導力がない」が43%で1位。次いで「政策が悪い」(33%)だった。支持理由の1位は「人柄が信頼できる」の41%。
 政党支持率は自民が38%と前回から4ポイント低下、民主は34%と6ポイント上昇し、4ポイント差に迫った。前回は小沢一郎代表の辞任騒動の影響で民主支持率が落ち込み、自民との差は14ポイントに開いていたが、今回は一気に縮小。福田政権下では最も接近した。
 調査は日経リサーチが全国の成人男女を対象に乱数番号(RDD)方式により電話で実施。有権者のいる1487世帯から870件の回答を得た。回答率は58.5%。

年金・防衛省問題響く 「指導力ない」4割 首相に厳しい視線
[日経新聞 2007年12月17日朝刊]

 福田内閣の支持率が急落した日本経済新聞社の世論調査は、年金問題や防衛省の不祥事にいら立つ有権者の姿勢を浮き彫りにした。福田内閣を支持しない理由の1位は「指導力がない」で4割を超し、福田康夫首相への視線も厳しい。就任3カ月を迎える首相は、会期を再延長した越年国会で厳しいかじ取りを迫られる。
 世論調査によると、福田政権の仕事ぶりについて「評価しない」が50%で「評価する」の33%を引き離した。評価しない理由は「年金問題への取り組み」(27%)が最多で「財政再建や経済政策への取り組み」(24%)が続いた。
 防衛次官を務めた守屋武昌容疑者の逮捕など防衛省を巡る不祥事とともに年金問題が福田政権にとって強い逆風となっていることを裏付けた格好。「宙に浮いた年金記録」の名寄せが一部不可能となったことに首相は「公約違反というほど大げさなものか」などと語り、反発に拍車をかけた。
 内閣を支持しない理由に「指導力不足」を挙げたのは前月を11ポイントを上回る43%。与党との協調路線で政策を練り上げるのが「福田流」だが、税制改正論議で首相が積極的に主導した形跡はない。道路特定財源の見直しも与党主導で財源を温存する結果に終わった。官僚の抵抗や次期衆院選をにらんだ与党の歳出増圧力に首相が十分、立ち向かっていないとの印象を与えているようだ。
 調査では、参院で野党が過半数を占めるねじれ国会の打開に向け、与野党の国会論戦に期待する声が多かった。自民、民主両党が今後、どう対応すべきかを聞くと「国会の場で議論すればよい」が63%で最多。「政策協議をすればよい」は24%にとどまった。「密室での談合」につながりかねない自民、民主両党間の協議より、国会の場での議論を求める声が強い。
 ただ、今の臨時国会で「与野党の話し合い」の成果は改正被災者生活再建支援法の成立など有権者の生活に密接に関連のある一部の法案にとどまる。給油新法案への対応を巡って民主など野党は対決姿勢を強めており、先行きは不透明だ。
 「政治の安定」を求める声は根強い。今後の望ましい政権の姿では「自民・民主が参加する連立政権」が前回を8ポイント上回る36%。「大連立」構想がつぶれた後の前回調査では大幅に落ち込んだが、再評価の兆しがある。「民主中心の非自民連立政権」は1ポイント上昇し25%、現在の「自民・公明中心の連立政権」は2ポイント低下し14%だった。

衆院解散 「来春までに」過半数

 衆院をいつ解散すべきかを聞くと「来年春の予算成立後」が32%となり「できるだけ早く」lの20%と合わせ、半数超が「来春まで」を望んでいることがわかった。ただ「意足必要はない」も34%で、ほぼ3人に1人となっている。
 来春までの解散を望んでいるのは民主支持層に多く合計で76%。内訳は「できるだけ早く」が32%、「来年春の予算成立後」が44%だった。無党派層は合計で40%だったが最も多いのは「急ぐ必要はない」で35%。自民支持層でも「急ぐ必要はない」が49%が最も多かった。
 衆院選を今すぐ実施した場合、比例代表でどの政党に投票したいかを聞くと、民主が38%となり、自民の32%を上回った。男性では民主が47%で、自民の31%を16ポイント上回ったが、女性では逆に自民が33%となり、民主の31%を上回っている。無党派層は民主が31%、自民が14%で大きな差がついた。ただ「いえない・わからない」も31%あった。

給油新法案 再議決、賛否きっ抗
活動再開、反対が上回る
[日経新聞 2007年12月17日朝刊]

 インド洋での海上自衛隊による給油活動について「再開すべきでない」(44%)が「再開すべきだ」(39%)を上回ったが、前回調査では再開に賛成が44%、反対が37%。逆転したのは8月調査以来だ。
 給油新法案について首相は参院が否決すれば衆院での再議決も辞さない構え。調査では、再議決に「賛成」が41%で「反対」が39%となり、賛否はほぼ並んだ。
 支持政党によって賛否が分かれているのが特徴だ。自民支持層では賛成が61%で、反対派17%。公明支持層は賛成が63%で、反対が27%。これに対し民主支持層は賛成が33%、反対が59%と賛否が逆転。無党派層も反対が48%と賛成の19%を上回った。
 給油活動を再開すべきだと答えた層では再議決への賛成が80%に達し、反対派14%だった。再開すべきでないと答えた層では賛成が19%、反対が75%となった。

福田内閣支持急落35% 年金『公約違反』57%
[東京新聞 2007年12月17日 朝刊]

 共同通信社が十五、十六両日実施した電話世論調査によると、福田内閣の支持率は35.3%と十一月上旬の前回調査に比べ11.7ポイント落ち込んだ。不支持率は47.6%で11.0ポイント上昇、初めて不支持が支持を上回った。年金記録問題で政府が全面解決を事実上断念したことに対し「公約違反に当たる」との回答が57.6%を占め、「当たらない」は34.3%だった。
 福田康夫首相が年金問題で「公約違反というほど大げさなものか」と発言したことや、防衛省をめぐる一連の疑惑が支持率急落に結び付いたとみられる。再延長した今国会の最大の焦点である新テロ対策特別措置法案(給油新法案)については「反対」が46.7%で、「賛成」の38.8%を上回った。
 望ましい政権の枠組みについて、前回は「自民党中心」が多かったが、今回は「民主党中心」が44.7%で「自民党中心」の28.5%を引き離した。次期衆院選の時期は「来年前半までに」が47.0%、「来年後半までに」は26.0%、「再来年」は12.8%。
 内閣不支持の理由は「経済政策に期待が持てない」が21.6%で最も多かったが、「首相に指導力がない」が16.5%と8.1ポイント増えた。支持理由は「ほかに適当な人がいない」が46.6%だった。
 給油新法案を参院が否決した場合、与党が衆院で再議決して成立させることについては、賛成41.2%、反対43.6%で拮抗(きっこう)。反対の理由は「給油活動は必要ない」36.8%、「参院の否決を尊重した方がよい」35.1%だった。
 来年三月に期限切れを迎える、揮発油税の暫定税率の延長については、反対が75.4%に上った。道路特定財源の一般財源化には賛成50.8%、反対38.3%。
 各党支持率は自民党が25.2%で、前回より13.0ポイント下落、民主党の28.5%を下回った。公明党3.1%、共産党3.6%、社民党1.5%、国民新党0.3%、新党日本0.2%。一方、支持政党なしは36.0%と12.5ポイント増だった。

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