毎日新聞の世論調査でも、福田内閣の支持率が13ポイントの急落。やっぱり、「不支持」が「支持」を上回りました。他方で、自衛隊の給油活動について、「このまま中止すべき」が50%、「再開すべきだ」41%を上回りました。
本社世論調査:福田内閣支持率33%…13ポイント急落(毎日新聞)
本社世論調査:海自給油活動「中止」が50%(毎日新聞)
本社世論調査:福田内閣支持率急落…年金直撃、一気に守勢(毎日新聞)
本社世論調査:福田内閣支持率33%…13ポイント急落
[毎日新聞 2007年12月17日 22時54分 (最終更新時間 12月18日 2時12分)]毎日新聞は15、16の両日、電話による全国世論調査を実施した。福田康夫内閣の支持率は33%で10月の前回調査比13ポイント下落。不支持は44%で同14ポイント上昇し、9月の内閣発足以来初めて支持を上回った。政府が年金記録問題の全面解決を事実上断念したことと、この問題をめぐる首相の言動が響いたとみられる。政党支持でも民主党が自民党を上回っており、首相が厳しい政権運営を強いられるのは必至だ。
福田内閣の支持率の調査は3回目。発足直後の9月25、26日の調査では57%だったが、10月20、21日の調査は46%となり、今回で2回連続の大幅下落となった。男女別では男性は支持31%、不支持49%、女性は支持35%、不支持40%だった。
支持する理由を聞いたところ、最多は前回と同じ「首相に安定感を感じる」だったが、割合は前回比21ポイント減の37%にとどまった。不支持理由の最多も前回と同じ「首相の政策に期待できないから」の40%だったが、「首相の指導力に期待できないから」が前回比12ポイント増の28%にのぼったのが目立った。
年金記録問題で指導力を発揮しない首相に対し、世論が厳しい見方をしていることがうかがえた。
一方、「望ましいと考える政権の形」を尋ねた質問への回答は、(1)「自民、民主両党が協力する大連立」23%(2)「民主党を中心とした連立政権」21%(3)「今の自民、公明両党の連立政権」17%――の順。単独政権でも自民10%に対し、民主11%となっており、変化を求めるとともに民主党に期待をかける人が多いことが浮かんだ。
政党支持は民主27%、自民26%など。両党は前回は27%で並んでいたが、7月の参院選前後の民主優位に戻った。【川上克己】
本社世論調査:海自給油活動「中止」が50%
[毎日新聞 2007年12月17日 22時54分]毎日新聞は15、16の両日、電話による全国世論調査を実施した。調査には、政府・与党が臨時国会を再延長し、異例の「越年国会」にしてまで成立にこだわる新テロ対策特別措置法案に関する質問も盛り込んだ。
11月1日に期限が切れた海上自衛隊のインド洋での給油活動をめぐっては、「再開すべきだ」が41%だったのに対し、「このまま中止すべきだ」が50%だった。活動継続に対する賛否を聞いた前回調査では「賛成」48%、「反対」43%で、今回は傾向が逆転した。
また、法案が参院で否決されるか参院が送付から60日以内に議決しない場合、与党が衆院の3分の2の賛成で再可決する方針であることに対しては、「支持しない」が57%に上り、「支持する」の32%を大きく上回った。
こうした数字には、防衛省の一連の不祥事も影響を与えているとみられる。
本社世論調査:福田内閣支持率急落…年金直撃、一気に守勢
[毎日新聞 2007年12月18日 0時33分]毎日新聞の全国世論調査で内閣支持率が13ポイントも急落、福田政権に手痛い打撃を与えた。新テロ対策特措法案の成立を目指す与党が「越年国会」で守勢を強いられることは確実。年金照合の公約破綻(はたん)をめぐる福田康夫首相の言動など政府対応への不満も与党内には募っている。一方、民主党は追い風に勢いづいている。法案の採決を年明け以降に引き延ばすよう求める意見が強まるなど、強硬論が加速している。【中田卓二、田中成之、堀井恵里子】
◇野党は強硬論加速
「原因は年金問題だ。国民からの厳しい見方を重く受け止めなければならない」
自民党の大島理森国対委員長は17日、支持率の低下を受け、年金問題の影響を認めた。公明党の漆原良夫国対委員長も「大変ショックを受けている。年金問題に対する言いぶりが、国民の目線から少しずれていたのではないか」と危機感をあらわにした。
年金照合の公約が破綻し、与党は世論の離反を気にしていた。しかし、一気に13ポイントもの支持率下落は想定以上。特に、公約問題について首相の一連の発言が火に油を注いだとみており、受け止め方は深刻だ。
自民党の伊吹文明幹事長は17日、政府と党の協議会で「年金問題での発言は慎重にしてほしい」と政府側に苦言を呈した。首相は12日に「公約違反とはおおげさではないか」と発言。13日には「公約でどういうふうに言っていたのか、さっと頭に思い浮かばなかった」と語り、野党の批判を浴びていた。
一方の民主党。鳩山由紀夫幹事長は毎日新聞の取材に「国民の関心は切実な暮らしの問題にある。早期衆院解散を求める」と強調。山岡賢次国対委員長は国会内で記者団に「首相のいかにも人ごとのような発言に政府の体質が表れている。(参院での)首相問責決議案提出の機運が急激に高まっている」と語った。
民主党内には来年1月召集の通常国会に向けて同法案の採決を年明けまで引き延ばす動きが強まっている。
国会の来年1月15日までの再延長はすでに議決しており、与党は新テロ法案を参院否決後に衆院で再可決する方針を崩していない。しかし、仮に野党が参院で首相問責決議案を可決しても、衆院解散に打って出ることは一層、困難になった。
世論調査では衆院での再可決に対する世論の厳しい反応も判明しており、野党の攻勢への危機感は強まるばかりだ。
内閣支持率の中身を分析したところ、公明支持層の「福田離れ」が進行していることが浮かび上がった。公明支持層は年金問題に敏感なうえ、自民、民主両党の「大連立」構想に対する警戒があり、支持率が低下したとみられる。
自民支持層の内閣支持率は70%で、9月の前々回の80%、10月の前回の76%から漸減したものの、なお高い水準を維持。不支持も14%にとどまっている。ところが、公明支持層の支持率は75%→66%→49%と推移。不支持率も13%→9%→27%で、9月からほぼ倍増した。◇公明支持層、進む離反…大連立警戒
「望ましいと考える政権の形」で、自民支持層は「自民、民主の大連立」35%、「今の自民、公明連立」34%が拮抗(きっこう)したのに対し、公明支持層は大連立が15%にとどまり、自公連立が55%だったことと合わせると、公明支持層が大連立に踏み出そうとした首相に厳しい評価をしていることがうかがえた。
一方、年代別では20?40代で支持率が全体平均の33%を下回り、軒並みに前回比15ポイント以上の下落となった。不支持率は全体の44%とほぼ同水準だが、前回比15?20ポイント増。また、「支持政党はない」と答えた無党派層で、支持率が前回比18ポイント減の22%、不支持率が同23ポイント増の49%だったのも目立ち、首相には厳しい数字となった。◇新テロ法案…再可決、「身内」も疑問
海上自衛隊の給油活動を再開するための新テロ特措法案に関する質問では、内閣支持層や与党支持層といった「身内」の間にも政府・与党方針への疑問が広がっていることを示した。
法案を衆院で再可決する「切り札」に対する評価は、全体では支持32%、不支持57%だった。内閣支持層はさすがに逆転したが、支持は53%で不支持が38%に上った。自民支持層も支持59%、不支持33%、公明支持層も支持60%、不支持31%で、いずれも3?4割から支持されていないことが分かった。
給油活動そのものに対しても内閣支持層の32%、自民支持層の25%、公明支持層の26%が「このまま中止すべきだ」と回答。一方、給油再開を求める層でも再可決を「支持しない」との回答が33%に上り、「切り札」への理解が進んでいないことがうかがえた。