やはり検定意見の撤回がなければ解決しない

沖縄戦での集団自決にたいする日本軍の関与が削除された問題。文部科学省が訂正申請に「真摯に」対応するとしたことで落ち着くかに見られましたが、「軍による命令を示す資料は見つかっていない」という理由で教科書会社の訂正申請を認めていなかったことが明らかになりました。

教科書5社が記述を再修正(NHKニュース)

「軍による命令を示す資料は見つかっていない」というけれども、日本軍から自決するように言われたとする住民の証言はたくさんあります。検定意見は、こうした住民の証言はウソだと決めつけている訳で、とうてい認められるものではありません。また、百歩譲って「軍による命令を直接示す資料が見つかっていない」からといって、「軍による強制はなかった」ということにはなりません。

やはり検定意見の撤回がなければ問題は解決しない、そのことがはっきりしたといえます。

教科書5社が記述を再修正
[NHKニュース 12月24日 18時37分]

 沖縄戦の集団自決をめぐる教科書問題で、6つの教科書会社から出された訂正申請に対し、文部科学省の審議会が、申請した記述のままでは認められないという考え方を伝え、5つの会社が再度、記述を修正していたことが、関係者の話で明らかになりました。修正された記述の詳しい内容は明らかになっていませんが、審議会は今週中にも結論を出すことにしています。
 この問題は、来年4月から高校で使われる日本史の教科書の検定で、沖縄戦で起きた集団自決に関して、日本軍の直接的な関与を表した記述が削除されたものです。これに対して沖縄県で反発が強まり、文部科学省が教科書の記述の修正を認める方針を示したことから、これに促された異例の形で集団自決について記述した6つの教科書会社すべてが、記述を修正する、訂正申請という手続きを取りました。申請された記述は「日本軍が集団自害を強制した」などという表現で、集団自決が日本軍の命令によって起きたことをにじませる形になっています。
 これに対し文部科学省の教科書検定審議会が、あらためて「住民に対する日本軍の直接的な命令を示す資料は見つかっていない」とする基本的な見解を示したうえで、5つの教科書会社に申請した記述のままでは認められないという考え方を伝え、事実上の修正を求めていたことが関係者の話で明らかになりました。これを受けて5社はいったん申請を取り下げ、再度記述を修正したということです。
 修正された記述の詳しい内容は明らかになっていませんが、日本軍のかかわりを含む、住民が集団自決に至った背景を書き込んだものとみられ、審議会は今週中にも結論を出すことにしています。

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