中国新聞の出口調査によると、艦載機移転について賛成はわずか24.0%、65.7%が反対と回答している。
では、なぜ推進派の福田氏が当選したのか?と思うのだが、有権者の52.8%が新市長には「地域経済の活性化」を期待。市役所新庁舎への補助金を、すでに建設中であるにもかかわらず、打ち切ってしまった政府の“兵糧攻め”に「何とかしてほしい」と思ったり、“最終的には、移転が強行されてしまうのではないか。それなら、条件交渉をかかげる福田氏の方が…”という心理が働いた、ということだ。
有権者の判断複雑 出口調査
[中国新聞 2008/2/13]米空母艦載機の移転容認派が擁立した自民党の前衆院議員福田良彦氏(37)が、前市長の井原勝介氏(57)を下し、初当選した岩国市の出直し市長選で、中国新聞社は12日、出口調査の結果をまとめた。多くの有権者が必ずしも移転に積極的ではないものの、地域経済の活性化や市の財政再建を求め、福田氏に投票した複雑な判断がうかがえた。
【米空母艦載機移転の是非】
賛成 8.4% どちらかといえば賛成 15.6% 反対 46.0% どちらかといえば反対 19.7% 分からない・無回答 10.3% 【米空母艦載機移転への賛否と投票先】
福田氏 井原氏 賛成 96.2% 3.8% どちらかといえば賛成 92.9% 7.1% 反対 13.1% 86.9% どちらかといえば反対 66.4% 33.6% 分からない・無回答 76.9% 23.1% 【期待する政策と投票先】
福田氏 井原氏 地域経済の活性化 58.4% 41.6% 米軍再編問題への対応 23.0% 77.0% 財政問題 63.6% 36.4% 旧郡部の活性化 60.0% 40.0% その他・無回答 36.1% 63.9% 【新市長に期待する政策(複数回答)】
地域経済の活性化 52.8% 米軍再編問題への対応 39.8% 財政問題 39.0% 旧郡部の活性化 15.8% その他・無回答 5.7% 艦載機移転への賛否では、反対派は65.7%で、賛成派は24.0%だった。移転への賛否と投票した候補者を重ね合わせると、福田氏は賛成派の 94.1%の支持を得た。一方、井原氏は、明確に「反対」と回答した有権者の86.9%の支持を集めた。地域別では、旧郡部で福田氏が多くの支持を得たのに対し、基地に近い旧市部では、井原氏が逆転した。
複数回答も可能として尋ねた新市長へ期待する政策は、「地域経済の活性化」を挙げた有権者が52.8%で最多となった。